背負う
地元のスポーツ少年団(福室SSS)でサッカーを始めた頃、サッカーをするのが本当に楽しくて、悩みなんてものは何一つなかったと思います。
ボールを蹴ることが楽しくて、
とにかく目の前のサッカーに夢中になっていました。
小3時にベガルタ仙台ジュニアに入ってから、
恵まれた環境のなかで、
上手くなる楽しさ、
試合に勝つことの楽しさ、
その両方を知りました。
それまで楽しくサッカーをしていただけの自分のなにかを変えた瞬間があります。
それは、
2010年南アフリカW杯
10歳の自分にとってあまりにも衝撃的なプレーがありました。
それはメッシのドリブルでも、
ロナウドのシュートでもなく、
イングランド代表のジョンテリー選手のプレーでした。
スライディングで相手のシュートをブロックした後、体勢を崩したテリーは顔からボールにダイブしてゴールを守ろうとしたんです。
「これが国を背負って戦う戦士のプレーだ」
何かを背負って戦うなんてことを知らなかった10歳の自分に、そう教えてくれました。
テリーに完全に虜にされた僕はそこから気迫を全面に出す、いわゆる''魂キャラ''になっていました。笑
( 確か翌年の親からの誕生日プレゼントは、チェルシーのテリーのユニフォームだったと思います。笑 )
プロサッカー選手になりたいというよりも、
「テリーのようなかっこいいDFになりたい」
その一心で毎日サッカーと向き合っていた気がします。
小6時にはキャプテンを任され、幼いながらもチームを背負うという責任や、県内では絶対に試合に負けてはいけないという使命感のなかで日々過ごしていました。
そんなプレッシャーのかかる立場を最大限楽しむことができたのがジュニアでの4年間でした。
ジュニアユースに上がってからは試合に出たり出なかったりの日々が続きました。
たぶん出ていない試合の方が多いと思います。
思春期真っ只中の自分、全てを投げ出したくなるような瞬間もたくさんありました。
そんな中迎える中3のクラブユース全国大会、
たとえ自分が試合に出ていなくてもチームが勝つことが嬉しかったし、ベンチから誰よりも声を出して、誰よりも雑用を積極的にやっていました。
きっと無理していたと思います。
今思えば、偉い。あの頃の自分を褒めてあげたいです。
上手くいかないことを当時は環境や人のせいにしていたし、
ふてくされてたりもしたけど、
集団に属することの意味教えてもらったと思います。
3年間の評価はユースに昇格できるかどうかが全てです。
その話はまた今度します。
テリーが形成してくれたアイデンティティ。
ジュニアで学んだ、集団を背負う責任。
ジュニアユースで学んだ、集団に属するということの意味。
「とても充実した時間」というのはこういうことです。
今の自分にはなにか大きなモノを背負える器はないし、
俺が勝たせるなんてことも言えない。
それでも、
松本山雅FCのエンブレムを胸につけている戦士として、
やれることはまだまだあるはず。
残り三戦。
必ずチーム全員で三連勝!
次回は高校、大学の話。お楽しみに。