魂プレイヤー
松本山雅FCから契約満了を告げられた12月某日。
所属先を失った僕は、
「えっと、ひとまずトライアウトに参加しよう」
代わりにチームを探してくれる代理人をつけていないため、自身の繋がり、お世話になった指導者などに手伝ってもらいながらのチーム探しが始まった。
「ここでプレーしたい!」
と思える魅力的なクラブがなければサッカーを辞める覚悟もできていた。
この言葉の本気具合いはこれまでの僕のnoteを読んでくださっている皆さんならきっとわかるはず。
そんな中、初めて参加したトライアウトはとても充実した時間になった。
Jを満了になってしまった選手は皆行くべきだと思う。
即席のチームでプレーすることはとても難しく、よりコミュニケーションが必要になる。
選手全員がそこを理解はしているものの、参加する全員のサッカー人生が懸かっている舞台。
その場に流れる緊張感はとても独特なものがあり、控え室や室内アップエリアは変な感じだった。
緊張と不安を抱えながらも、ピッチに出てチームごとにアップを開始すると、そんな雰囲気はすぐに消えていった感覚があったのがとても印象的。
みんな一緒にボールを蹴ればその時点で共に戦う仲間であり、友達になる。
フットボールの魅力を改めて感じた瞬間だった。
あの短時間でチームをまとめ、明るく盛り上げてくれるベテラン選手の存在はとても大きく、いつかそんな人間になりたいとも思えた。
プレー自体の話をすると、正直思っていたよりもプレー時間が短かった。
良いプレーも1、2回。
2本あるゲームで自分は1本だけの出場となったが、2本とも出場する選手もいた。
運営の方が決めたことなので仕方ない。それも運。
トライアウトを終え、ロッカールームへ向かう途中に数え切れないほどたくさんのスカウトや監督コーチがおり、それぞれ選手に声をかけている中、自分に声を掛けてくれたのはお世話になった松本の強化部のみだった。
焦りもとうとうここまで来ると焦りという感じでもなくなる。
「まあ大丈夫っしょ」
くらいが実はちょうどよかったりする。苦手だけど。
参加した選手それぞれが持つトライアウト専用のページがあり、自分に興味を持ったクラブがあればそこにオファーの連絡が来るというものだった。
トライアウトから数日後、
複数のチームからメッセージが届いたが、自分の満足のいくような話はなかった。
お前は選べる立場にないと言われればその通りなのかもしれないが、そんなことを思ったら選手として終わりな気がする。
サッカー選手は商品。
例えると松本市で船を売るとか、浦安市に一から遊園地を作るとか、それはもったいないよねって話。
自分の価値を自分で理解して誇れなければ誰も魅力を感じないと思う。
そう考えればチーム選びは簡単ではない。
捨てていいプライドと捨ててはいけないプライドがある。
プライドというよりは、自己認知の質か。
また一からチーム選びをしていく中で少しでも選択肢を増やす為、大学4年の時と同じようにプレー集を作成した。
Xで拡散を皆さんに求めた結果これが驚くほど数字が伸び、こんなことに。
拡散していただいた方々、本当にありがとうございます。
映像のお手伝いをしてくれた
早川真生くん(ブリオベッカ浦安分析官)もありがとう。
もちろん競り合いとか右足のキックとか武器と言えるものはあるけど、結局自分を語る時に手っ取り早いのは「魂プレイヤー」だということ。
魂で闘うのがまず土台にあるということは知ってもらいたい。
映像だけだとそこを伝えるのがなかなか難しい。
プレー集を出したことがどれだけ影響したかはわからないが、その後何チームからかオファーの話が届いた。
その中のひとつが今季から加入を決めた、
SHIBUYA CITY FCである。
渡邉千真選手(2023年松本山雅FCでプレー)が所属していることもあり、チーム自体は知っていた。
ホームページやユニフォームなどを見てもらえればわかる通り、間違いなくイケてるチームだ。
最初にSHIBUYA CITY FCからお話をいただいた時も、
「あのかっこいいチームか」
っていう印象からスタートした。
クラブのことや選手のことを調べていくうちにどんどんこのクラブの魅力に引き込まれていった。
サッカー選手を揶揄する際に「地域リーガー」というワードが使われるが、関東社会人大会というとても大きな壁を乗り越えたチームには間違いなく力があり、そこらの社会人サッカーの域には程遠い。
プレイヤーであればわかる話。
このクラブに加入した以上、自信を持って自分は地域リーガーだと言える。
これだけ上り調子のクラブが自分を必要としてくれたことが素直に嬉しかったし、その気持ちが最後の決断の決め手となった。
リリースコメント↓
SHIBUYA CITY FCに関わる全ての皆様、松本山雅FCから加入することになりました志村滉です。
「渋谷から、世界で最もワクワクするフットボールクラブをつくる」
そんなクラブの大きな野望と共に、僕の夢と想いを乗せ、誰もが驚く未来を作りあげていきたいと思います。
Jリーガーとして何も残すことが出来なかったこの2年間。その全てを引っくり返すつもりでこのクラブを選びました。
SHIBUYA CITY FCサポーターの皆様、誰よりも身体を張り、走り、熱く闘うことを約束します。
応援よろしくお願いします!
今の気持ちはこの通り。
カテゴリーはJ3から関東2部にはなるけど、自分はJリーグで結果を出していないし、年々レベルが急速に上がっている地域リーグの中で活躍できる保証はどこにもない。
だから地に足をつけて、等身大の自分と向き合って、その等身大自体をデカくすることだけだと思う。
この1年が本当に楽しみだ。
このクラブは無限の可能性と魅力に溢れている。
東京のド真ん中の渋谷から日本を、世界を驚かせることが本当にできると思う。
東北の田舎育ちのサッカー少年が、
大都会で好きに自分を表現できる。
かな、、?笑
今日は待ちに待った始動日で、
SHIBUYA CITY FCの2025シーズンがスタートした。
今日、
お揃いのかっこいいウェアが支給されたこと
チームのボールが用意されていたこと
アスファルトではなく芝生のピッチの上を走れたこと
質の高いトレーニングが出来たこと
いつでも助けてくれるスタッフが周りにいること
みんなとサッカーが出来たこと
全て当たり前ではない。
自分を見つめ直して、日々の当たり前に感謝して、
前進あるのみ!
今年こそは最高の一年だった言えるような時間を過ごせるように!
早く皆の名前覚えなきゃ、、