AI時代ゆえのトイレファクターによるロングショート戦略
株式投資には、こうした「肌感覚」が欠かせない。
かつてマクドナルドとモスバーガーでロングショート戦略を展開していた時、毎週両店舗を訪れていた。業績の先行指標として強く感じたのは、意外にもトイレの清潔さだった。
マクドナルドの業績が悪化していた頃、訪れるたびにトイレの隅にはトイレットペーパーのカスや見たくもない毛がたまっていた。店員のテンションや態度ももちろんチェックしていたが、彼らは客の前では取り繕うことができる。しかし、トイレはごまかしがきかない。手抜きが如実に現れる場所だ。
本来ならばエリアマネージャーが店舗を巡回し、清潔さを保つはずだが、その機能すら果たされていないという現実が、単なる店舗の問題ではなく、企業全体の組織的な問題であることを示しているのだ。
今の時代、ググれば何でも情報が手に入る。さらに高精度なAIが個人に解放されている現状だからこそ、こうした「リアルな肌感覚」がますます価値を持つのだろう。