共に罪を背負って生きていく【さよなら方舟 感想】
こんにちは、先々週の日曜日にアトリエ動物園での演劇「さよなら方舟」を観てきました!
北見での公演は終わってしまいましたが11/23・24で札幌のシアターZOOでの公演がありますので興味のある方は是非!!
では2週間遅れですが感想を書いていきます。
・宗教2世の苦しみ
この物語はとある教会が舞台になっており、三女の容子が結婚相手を紹介するために帰ってきます。容子の彼氏は今は鳶職をやっているけど結婚したらやめて別な宗教の教会を継ぐと言い長女である淑子は反対してしまいます。
そんな二人のやり取りをどこか冷めた感じで傍観しているのが次女の尚子で彼女は随分前に父親との縁を切って自立しているんですよね。
そんな感じの姉妹たちからそれぞれの家の宗教観に縛られていたり、その呪縛から抜け出そうとする三者三様の姿が見て撮れます。
長女である淑子は教会を受け継がなくてはならないという責任というかプレッシャーを感じてもそれを一切おもてに出さないで明るく振る舞っているのが苦しそうだなぁって思いました。
でもそれが後に響いてくるんですよね。
・それぞれの生き方を選んだ
淑子に結婚を反対された容子は最終的には「どんな事をしてでも彼と生きていく!」と宣言して家を出ていきました。
この時淑子はおそらく気がついたと思います。
「自分の好きな様に生きれる」ということに
でも淑子には教会があってそれにどんなに信者がいなくても会長でいなきゃいけないんですよね。だから容子や尚子の様に生きたくても淑子は生きていけないのだと
私は思いました。
・樋口さんというなんだか悪魔的な人
この物語には三姉妹以外の人も出てきてそれが樋口さんなんですよね。
小柄で中性的な彼女ですが、10代の頃に家が放火されて樋口さん以外の家族が死んでしまったとかペンフレンドが悲惨な末路を辿ったとか色々云く付きな話が出てくるんですよね。
でもその彼女の存在が淑子が教会に縛られている原因なんです…
淑子は教会を捨てて自由に生きる事ができるはずなのにできないのは樋口さんという不器用でも熱心な信者がいるからです。
でも樋口さん以外に彼女ほど熱心な信者はいないんですよ。でも淑子は樋口さんから信頼されているし頼られている。
だから教会の会長を辞めるということもできずに樋口さんと共に生きていくことを最終的に決めたんですよね。
そのことを考えると樋口さんって結構悪魔的な人だなぁって思いました。
一人の人が一人の人の運命を決めてしまう…
今作は宗教2世というテーマであり面白く見れました!
皆さんも興味がありましたら是非!