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鳥栖の2024年を振り返る その9


降格決定後の最初の試合

降格決定後、ルヴァンや未消化試合開催の為、2週間程試合がなかった。それが鳥栖にプラスに働く。

木谷監督になって、とりあえず時間がなかった。降格が決まる京都戦まで戦略浸透をさせるのも、選手間のコミュニケーションも全て足りなかったと思う。夏場、レギュラーシーズン真っ只中で全て変更余儀なくされた上で戦った。やっと思った時間を精一杯戦略構築にあててくれたのだと信じている。

降格決定後、選手はサポーターが試合に来てくれるのか不安だったと語っている。その心配はいい意味で空振りに終わる。

J1が好きだとか、チームが好きだとか様々なスポーツの見方があるが、そんなの関係なく応援するだけだと思う。

ダイチの系譜

またしてもダイチが活躍した。林大地、鎌田大地そして、今度は

鈴木大馳

鳥栖のユースで2種登録の選手。なんとまだ17歳と聞いて驚き、そしてこの試合の衝撃的J1初ゴール。本人はボールを入れるだけだと言っていたが、そのポジションにいないと完成されないから、ポジショニングがいいのだと思う。

今回はヒアンが前節でのスポーツマンシップに欠ける反則により2試合出れない。そのチャンスを鈴木に託した。トーレスが引退後の林の衝撃的デビューのように、ヒーローは必然的に現れる。

180を超える高身長な上に、相手選手複数人来ても奪われないキープ力、既に物怖じしない肝っ玉感がこの試合でサポーターを虜にさせる。そしてイケメン。

鈴木のゴールで1-0にするも、町田のドルシェビッチにミドルで押し込まれ同点。後半途中、鈴木から寺山へスイッチ。寺山自身はFC東京でも中盤で使われることが多かったようだが、今回はFWに近い位置として起用。その采配が当たる。
ほかの例を挙げるとすると、鳥栖に在籍していた酒井宣福も元々は後ろの選手。なかなか思うようなシーズンを送れていなかったようだが、酒井のFWがピタッとはまる。鳥栖は適任ポジションを見出すのが昔から上手い。

寺山のゴール裏でエンブレムを握りしめるシーンは胸熱。

町田とはシーズン前半の試合でボロボロにされた。借りがある以上返すのが普通。返却するには申し分ない結果だった。そして13試合ぶりの勝利を手にする。トンネルは長かった。

逆襲

やはりマリノスは強かった。鳥栖はシーズン前半で勝てたチームは後半勝てない、また逆もしかり。変なジンクスが付いてしまった。シーズンダブルが少ないのも2024年の不調を物語る。

マリノス自体もシーズン途中のキューウェル監督解任から始まり、ACL、天皇杯、ルヴァンカップ、レギュラーシーズンと1週間に2試合ペースに近い流れ。タイトなスケジュールな上に、ゴタゴタがありレギュラーシーズン思うように行かなかった。
相変わらずの前線外国人3人。それと久しぶりの西村の復帰が良いように働く。西村拓真のDFを欺くゴール、アンデルソンロペスのシーズン20ゴール目で勝ち切る。不調ながら残留出来る力があるチーム。元々は優勝チームであるし、また戦いたい。またその日まで。

原田、累積により次の試合出れず。そして、ここでもゴラッソは生まれた。

元々左足の彼が右で振りぬく、タッチの後の足の振りが速いし、一番驚くのは原田の叫びである。普段の笑顔とは全く別のカッコいい顔。

鳥栖らしさ

個人的に一番鳥栖らしさが出た試合だと思う。マリノスには負けたけど、完敗ではなかったし、課題も見つけ次につながるプラスになる試合だったと思う。皆の目標は来季に向けて。

名古屋はルヴァンカップ優勝、長谷川監督来季続投とプラス要素が多い中での試合。ただこの試合に関しては何か抜けきったような脱力感を感じた。

数年前、浦和がACL優勝した後の試合でも、鳥栖はどちらが優勝したんだと思わせるかの強さを見せたこともある。

原田が累積、ヒアンが出場停止の為、主力2人がいない。ただここで彼らの穴を埋めたのは

寺山と中原だったと思う。

寺山がFWとしてスタメン、今までのフォーメーションではなく、4-4-2という一番スタンダードな形にした事がポイント。

ここで一番躍動したのは中原である。今年活躍出来なかった悔しさをここで最大限に力に変えた。1点目の起点となるパス、2点3点目のゴールと申し分ない内容。寺山2点分、寺山が絡むも特に3点目のゴール未遂は本当に悔しがっていた。来季は彼のゴールも見たい。

引退

2024年シーズンは3人が引退する。

岡本昌弘

グッピーさん、なかなかパギさんの分厚い壁を超えるという難題がありレギュラーシーズンはサブメイン。ルヴァンや天皇杯で出場機会はあったものの段々減っていたように感じる。でも腐らず、ベンチでもウォーミングアップ時でも誰かがゴールしても明るく振る舞う事を忘れない。とても貴重なベテラン枠だったと思う。
たまたま彼のジェフ時代の映像をYouTubeで発見。Twitterでリンクつけてアップしたところ、本人がいいねしてくださり嬉しかった。とても嬉しかった。
お疲れ様でした。

そしてやっぱり二人は似ている。

藤田直之

藤田さんと言えば、鳥栖の10年代を支えてくれた人、豊田、池田、キムミヌなど錚々たるメンバーの中で冷静沈着ながらチームをコントロールしてくれた凄い人。大卒でキャプテンマーク付けれる選手はなかなかいない。
いくつかのインタビューでも鳥栖で引退、監督したいと言っていたし、そこまで驚きはなかったが、今年だったのが衝撃的だった。

お疲れ様でした。

森谷賢太郎

非常に申し訳ないが、川井さんが連れてこなければ知らなかった選手。そしてとあるゴールを見て、衝撃的だった選手でもある。ロングレンジからのシュートはたまにあるのだが、ほとんどGKが飛び出していたのを感じての浮かせるようなシュートが多い。ただ、これに関しては周りに人がいるうえでのゴール。恐ろしい。

川井監督時代の1~2年目は波があるものの、試合にでて起点になっていたが、今年(2024年)に関しては後半ほぼ出ていない。選手にとって試合に出れないという事は怪我も含めて悔しさしかない。

森谷さんに関しては、河原のフロンターレ行きを後押ししてくれたり、バルーンフェスタ中止で余ったプリンをまとめ買い、火事から復活するお店を訪ねたり沖縄のサッカーチームにユニをあげたり・・数え切れない。こんなに優しさにみちた選手はなかなか見ない。
お疲れ様でした。

ラストマッチ

2024年最後の試合は、勝ってJ1残留に望みをかける磐田との試合になった。唯一シーズンダブルを決める唯一の希望だったし、鳥栖自体、最終戦で勝つという事は滅多にない。これを払拭してほしかった。

ここでも中原の見事なスルーパスが炸裂する。富樫への行って来いスルーパス。彼のゴールはとても魅力的なんだが、個人的にヘディングより足で流し込むゴールが見たかった。

彼が移籍してきた頃のゴール集だが、決めきる能力、気迫含めて鳥栖にピッタリハマると思っていた。
なかなか怪我だったり、慣れないポジションだったりで難しかったと思う。ようやくハマったと思ったのは移籍1年目の後半、セレッソ戦のゴールだったと思う。後半アディショナルタイムの会心の一撃。

あとはゴールゲッター、ヒアンの2ゴールで仕留める。藤田と岡本の引退を笑顔で締めることができた。

2024総括

降格が決まり、とても悔しいシーズンだった。シーズン途中で補強の要でもある小林SD、川井監督解任。夏には長沼、河原、横山など主力級の移籍があり、シーズン途中でチームの血がかなり入れ替わるという前代未聞のニュースがあった。普通はサブメインで話が進むのが鉄板なのに、そこが可笑しい。移籍金の問題もあったのかもしれないが、何度も言うが誰も語らないのがちょっと怖いのである。いや語れないんだろうなと。
そして年末の3人の引退。ほぼほぼ今年最初にいたメンバーがいなくなりつつあったし、オフの移籍の話も毎年のように草刈り場であるのは間違いなかった。
鳥栖には借金があって、赤字を出してしまうとチームの危機を迎える。それはそれで良いんだけど、あまりにも人の流れが流動的過ぎて肝心のサポーターが付いてきてないというよく分からない事が起こったと思う。

成績も

10勝23敗5分け

と非常に厳しい数字。7月の頭以降、3ヵ月に渡り全く勝てなかった、引き分けも少なかったのが原因。勝つか負けるか、同じ相手に連勝も出来ないのは致命的。

2025年は、2024年の悔しさを存分に成績に還元してほしいし、1年でJ1に戻るということが絶対条件だと思う。それしかない。

最後に

実はいうと、その9まで続くとは思わなかった。編集して行く内に

あれ?これ長期になるぞ

と、自分で気づいたが既に遅かった。2024年の年末から始めたのだが、体調不良もありとうとう1月も終わるというギリギリセーフな感じだったが、何とか一つの終着点にたどり着いた気がする。

2024年ほど鳥栖を語りつくした年はないので、思い出に残ると思う。それにnote初挑戦だったので、序盤のナンバリングの編集下手くそ感が出ているので、整えながら同じ話題でも、違う話題でも話していければと思う。

それでは長きにわたりありがとうございました。また。

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