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<他区事例①>千代田区、港区、新宿区、豊島区、中央区の学校改築はどうなっている?

23区内の小学校・中学校は築年数50〜60年以上のものが多く、どの区も老朽化した校舎の改築・改修という課題を抱えています。東京23区の学校は敷地が狭いため、仮校舎を建てる土地の確保も、共通の課題です。

文京区は狭い敷地内に仮校舎を建てる方法(自校方式)で改築(建替)を進めているため、非常に工期が長くなっていますが、他の区も同じかといえばそうではありません。調べれば調べるほど、文京区の工期の長さが異常に感じられます。

これから近年の他区事例を紹介していきたいと思います。個人が調べた範囲なので間違いがあるかもしれません。また、順次更新していく予定なので、間違いや他の事例があればお知らせいただきたいと思います。

※小日向台町小学校改築問題の概要はこちら(まずはこの記事をご覧ください)


■千代田区

まずは文京区に近く、同様の課題(敷地が狭くて、土地がない)がありそうな区を調べてみます。千代田区は生徒数が少なく、統廃合を繰り返して小学校8校、中学校3校(そのうち1校は受験が必要な九段中等教育学校なので、実質2校)しかありません。
この記事を書いている3日前に、お茶の水小学校改築に絡む談合違反容疑で区議が逮捕されたとのニュースがありました。

お茶の水小学校


改築(建替)or改修:改築(建替)
自校or他校:他校方式
仮校舎期間:3年4ヶ月、2020年12月~2024年3月 
改築中の対応:旧九段中学←現在の九段中等とは別、を仮校舎として活用

■港区

港区の御田小学校は、廃校となった三光小学校校舎を改築して仮校舎として使っています。今後も旧三光小学校を他校の仮校舎として活用することもあるとしています。

しかし、本来の仮校舎期間は3年の予定で2024年3月までだったのが、終了予定直前の2024年1月に当初の予定より1年半延長されました。小日向台町小学校の立地も同じですが、建物が密集し道の狭い都心部の改築は難しいと改めて感じます。

御田小学校


改築(建替)or改修:改築(建替)
自校or他校:他校方式
仮校舎期間:4年6ヶ月、2024年4月〜2028年12月(予定)
改築中の対応:旧三光小学校を改修して仮校舎として活用

■新宿区

他校方式で改築を進めている区は、区の土地を使っていることが多いのですが、新宿区は廃校となった都立高校を都から借り受けて仮校舎として使っています。引き続き近隣中学校の部活動や区民団体のスポーツ施設として活用とのことです。

愛日小学校


改築(建替)or改修:改築(建替)
自校or他校:他校方式
仮校舎期間:3年、2014年4月〜2017年3月
改築中の対応:旧市ヶ谷商業高校の矢来校舎を都から新宿区が借り受け、仮校舎として活用

■豊島区

豊島区は小学校4校、中学校5校の改築を終え、今後も順次改築予定です。「豊島区学校施設等長寿命化計画」にて、「改築工事期間中の学習環境を可能な限り良好なものとするため、これまでの学校改築においては、例外なく校舎外に仮校舎を設けてきており、今後もこの方針を維持していく必要があります。」と、今後も他校方式で行うことを明記しています。廃校となった3校を仮校舎として活用していく方針です。

https://www.city.toshima.lg.jp/355/kuse/shisaku/shisaku/kekaku/documents/choujumyougaiyouban.pdf

池袋第一小学校


改築(建替)or改修:改築(建替)
自校or他校:他校方式
仮校舎期間:2年5ヶ月、2020年4月〜2022年8月
改築中の対応:旧文成小学校を仮校舎として活用

千川中学校


改築(建替)or改修:改築(建替)
自校or他校:他校方式
仮校舎期間:2年5ヶ月、2024年4月〜2026年8月(予定)
改築中の対応:旧平和小学校を仮校舎として活用

■中央区

多くの区は廃校になった学校を仮校舎として活用していますが、中央区は公園を使っています。城東小学校は5年と長期の仮校舎期間となっていますが、この期間は坂本小学校と2校合同で学校生活を送っているような感じです。工事前の城東小学校は各学年1クラスで全校生徒200人未満という小規模校なので考えられた計画なのでしょうか。
城東小学校は、坂本小学校に仮校舎を建てる期間を経た後、最終的な移転先はミッドタウン八重洲内ということを知り、あまりのスケールの大きさにびっくりしてしまいました。

坂本小学校


改築(建替)or改修:改築(建替)
自校or他校:他校方式
仮校舎期間:3年、2017年9月〜2020年8月
改築中の対応:坂本公園に仮校舎と体育館を建設(城東小学校と共有)。

城東小学校


改築(建替)or改修:改築(建替)、というか移転?
自校or他校:他校方式
仮校舎期間:5年、2017年9月〜2022年8月
改築中の対応:坂本公園に仮校舎と体育館を建設(坂本小学校と共有)。坂本小竣工後は、城東小の仮校舎としても併用。

まとめ

他区の事例を見ると、特殊な経緯の城東小学校、突如延期された御田小学校を除き、他校方式では2年半〜3年の仮校舎期間で済んでいます。そう考えると、小日向台町小学校の8年という期間は本当に長すぎると思います。文京区は他にも改築が進んでいる学校がありますが、小日向台町小学校ほどではなくても5年や6年かかっています(追ってまとめます)。

文京区は基本的に敷地内に仮校舎を建てる自校方式で進んでいますが、他の区は新校舎建築中に校庭がなかったり騒音があったりすることを考慮して、できる限り他校方式でやろうと探っているのが伝わってきます。文京区も「これまでと同様に」で思考停止で自校方式にこだわるのではなく、柔軟に考えて他校方式の道を探ってほしいと切に願います。

次回は渋谷区と江東区の事例についてまとめます!


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