あの日見た花火の名前をブロンプトンはまだ知らない。 龍勢祭にブロンプトンで
久々にツーリング記録更新と思いきや、このタイトルである。
2014年10月12日は、秩父吉田で有名な花火のお祭り、「龍勢祭」が開催されました。マンガ『プラネテス』やアニメ『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』にも登場するお祭りなので、一度現地へ行ってみたいと思っていました。
そこでブロンプトンの出番です。
秩父まで輪行すると近距離すぎるので、飯能から「名栗」を経由して「山伏峠」を越えていくヒルクライムルートにしました。山伏峠は標高661メートル、斜度は8~9%と、そこそこの歯ごたえがある峠になっています。
出発地の飯能にやってきました……っておい! すみません。飯能市は最近アニメ2期が始まった登山マンガ『ヤマノススメ』の舞台になった場所で、市が公的にこのアニメの「聖地巡礼」を推奨しているせいか、街中のあちこちにこんな垂れ幕が下がっており、ついつい撮影してしまいました。
「女の子だけのゆるふわアウトドアアニメ」と銘打たれていますが、登山の厳しい面も描いていたり、作画が気合い入っていたり、単なる日常系萌えアニメにとどまらず、なかなか見所の多い作品になっています。
自転車業界で言うなら『ろんぐらいだぁす!』に相当する感じでしょうか。あの作品もアニメ化されるといいですね。
さて、埼玉県道70号線、飯能下名栗線を進んでいきます。国道299号線よりも交通量と信号が少なく、路面状態も良いので、とても走りやすい道でした。
入間川の上流に沿って進むのですが、このあたりは山が深いせいか、川の水が透き通っていてとても綺麗です。川の底までよく見えます。
今回のメイン峠、山伏峠にアタックします。斜度は若干きつめですが、上りがきつくなってから鞍部までは約4kmしかないので、そこまで難易度の高い峠ではありません。
ほら、そんなにきつくなかったです(膝をガクガクと震わせながら)。今回は軽装で小さなフロントバッグを使っていたこともプラスに働いていましたが、なんとか足をつかずに登りきることができました。
登りきってから休憩している間にもぞくぞくとロードバイクの方々が登ってきました。距離が短めであることから、登っては下り、また登り返すという感じでヒルクライムの練習をしている人も多かったようです。峠を登りきっても周囲は林に囲まれていて景色がよくない点が難点ですが、練習場所にはもってこいのようですね。
汗をかいたせいか、ダウンヒルでは肌寒くなりました。そろそろ秋も深まる季節なので、防寒装備もきちんとしなければいけませんね。
峠を下ってきて、芦ケ久保の道の駅で昼食休憩です。山伏峠を越えてから秩父まではひたすら下りなので、快調に速度を上げていくことができます。
秩父市街地に入ります。12月の秩父夜祭で有名な秩父神社が鎮座していました。
秩父駅周辺の商店街には、『あの花』の垂れ幕が下がっていました。飯能市といい、埼玉県はアニメで町おこしを積極的に推進しているようです。『らき✩すた』の鷲宮町も埼玉県でしたね。侮れぬ。
『あの花』のキービジュアルになっている旧秩父橋です。こうしてみると、アニメの背景は現地をきっちり取材して作られているんですね。
「事故で亡くなった幼馴染の幽霊が現れ、疎遠になっていた友人たちが再結集する」という『あの花』のストーリー、最初は「ケッ、なんてベタなストーリーだ」と思っていたものですが(と言いながら全話見てる)、最終話まで見ると涙で前が見えませんでした。いびつな性格を抱えた仲間たちが少しずつ和解していくという、近年珍しいド直球の青春ストーリー、まさに名作でした。斜めに構えててすみません。
秩父市街地から約15km、「龍勢会館」までやってきました。龍勢祭で空に打ち上げる花火の映像などを保存していて、周囲は道の駅になっています。
大通りは車両規制がかかっていて、自転車ではこれ以上進めません。ゆっくり龍勢を見たい場合は、駐車場に車両をとめて、有料の桟敷席を買って徒歩で会場に向かうのがいいでしょう。
ここでも『あの花』グッズが売られていました。劇中で出てきた蒸しパンもありますね。しかし、「鳴子ちゃんのゼリー」の商品名はもうちょいなんとかなりませんか?
そうこうしているうちに、龍勢が打ち上げられていきます。龍勢会館からもその様子がよく見えます。
弾けます。曇り空に赤がよく映えますね。
この龍勢は『あの花』ファンの有志が募金したという「超平和バスターズ」の龍勢でした。ヒロインの声優役の茅野愛衣さんが口上を述べていたようです。
思いがけずいろんなアニメの「聖地」やヒルクライムが楽しめ、充実したツーリングでした。帰りは秩父鉄道から戻ることにします。
ここまで読んでくださってありがとうございました。
今回のルートです。
http://yahoo.jp/xB3q