企業がウェビナーをするのにスイッチャーは不要だった
久しぶりの投稿になります。私は現在、勤務先においてコロナ禍によって急遽新設した配信スタジオ運営がほぼメイン業務となってしまい、相変わらず試行錯誤の毎日を送っております。いや奥が深い。
これまでの投稿でVR-4HDとかスイッチャーを紹介しておいてなんなんですが、継続的に経験を積み試行錯誤を重ねていく中で、表題の結論に至りましたw
スイッチャーは、例えばVR-4HDはオーディオインターフェイスと音声ミキサーを兼ねますが約30万と、いつまでこのコロナ禍が続くか不透明な状況ですし、法人とは言えども消して安くはない買い物ですよね。中小企業であればなおさらだと思います。
あとこういった機材は使えるようになるのもまた大変ですからね。覚えることが多くて。機械は少ない方が良いでしょう。
VR-4HD (リンクをクリックすると楽天の製品ページに飛びます・記事作成時にはAMAZONにはなさそうでした)
私も「会社で配信をする!」となった時最初に頭に浮かんだのがスイッチャーでしたし、ちょっと見た目の良さそうな配信を実施するには必須なものだと思ってました。
ですが、色々と試行錯誤を重ねた結果「あるに越したことはないけど、まあなくても全然できるな」という結論に至りました。
ウェビナー配信でスイッチャーを使う理由
スイッチャーを使う理由は、複数のカメラを使い、カットやズームを切り変えたりして配信に動きを出す、演出上の目的が大きいと思います。
例えば、1つのカメラは講師の話す姿、2つ目は製品や商品の詳細がわかるような画、のような感じでしょうか。私達のようなIT企業の場合は資料か製品のデモ画面ですね。あとは、クロマキー合成でテロップ等を表示させるために1チャンネル使うケースもあるかもしれません。
講師を、例えば1つのカメラでアップ、2つ目のカメラで引き、とかするとたしかにテレビっぽくなって最初は「おおっ」と思うんですが、企業のウェビナーだとあまり使わなくなるんですよね。基本的には講師と、資料やデモ画面の見易さを考慮してサイズやバランスを変化させる程度に行き着きました。
サンプルはサイボウズ営業本部チャンネルでやってる「中小企業企業診断士雲岡のOne Point Tips」より雲岡さんにご協力いただきました。当該動画はこちら。
シーン1 講師メイン
シーン2 講師大 資料小
シーン3 講師小 資料大
シーン4 資料メイン
シーン5 資料メインに講師ワイプ
基本的に通常のウェビナーで切り替えるシーンはこの5つくらいに落ち着きました。これらはスイッチャー無しで実現できます。
必要なもの
カメラ
上に紹介している動画はカメラ一台のみ。私は(弊社は)SonyのZV-1を使っています。これが一番、素人でもオートでキレイに撮ってくれます。約10万円になりますが、その価値は十分にあると思います。なんせ楽。
マイク
マイクはきちんとしたメーカーのものを使ったほうがいいと思います。おすすめは講師が動いても口を狙い続けてくれる単指向性のヘッドセットマイクです。
オーディオインターフェイス
マイクなどの音声を、配信するためのPCに取り込むために必要な機械です。これには「このほうが効率的だよ、コスパいいよ」といういくつか条件があります。①ミキサーを兼ねること、②「マイクプリ」を搭載していること、③各マイク用チャンネルにPHANTOM(ふぁんたむ)です。
後々複数人の対談形式のウェビナーを行うこともあるでしょうし、またBGMなどをうっすら流してやりたいなどの要望が出たときに対応が簡単にできます。一つのミキサーにマイクを二本、BGM用のCDプレイヤーからのラインを挿してボリューム等をコントロール、とかができます。
「マイクプリ」ですが正しくはマイクプリアンプというもので(もっとちゃんとした正式名称があると思いますが割愛)、要はマイクの音を増幅する機械です。S/Nを稼いで聞きやすくなるとか色々あるんですが、まあ深く知りたければ調べていただいて(^_^;)
PHANTOM(ふぁんたむ、ふぁんとむって言う人もいる)はマイクに電源を供給してくれるものです。コンデンサマイクなんか使うときは必要です。まあこれも色々あるのですが、ここではそういうもんなんだなと納得していただいて。
これなんかで十分だと思います。XLR4chありますし。
HDMIキャプチャカード
これはカメラの映像やPCのパワポプレゼンテーションを配信PCに送るために必要なものです。上に挙げたZV-1のような外部カメラをPCにつなぐときに使います。講師のPCからパワポのスライドショーを配信PCに送ってもらう時などにも使えます。
これがびっくりするくらい安いw
あまりに安いのでどうかな~と不安でしたがまったく問題なく使えています。壊れたり調子悪くなったら買い換えればいいわけですし気持ちも楽。
ざっくり必要なハードウェアは以上です。
この他にマイクとミキサーをつなぐXLRケーブル、ミキサーと配信PCをつなぐUSBケーブル、カメラや講師PCと配信PCに挿すHDMIキャプチャカードをつなぐHDMIケーブルなどが必要ですが、環境に応じた長さで購入しましょう。ちなみにケーブルも変なメーカーのはおすすめしません。国内の家電量販店で売ってるようなメーカーさんのをおすすめします。(キャプチャカードはアレですがw)業務用途なのでね。ここは確実性向上にお金を払いましょう。個人の配信をされてる方はご自由に。
その他必要なもの
OBS
言わずとしれた配信ソフトですね。
ライト
映りが気になる方は買いましょう。安いのいっぱいありますので予算に合わせて。上記の雲岡の動画で使ってる照明はこんなもんです。これを2個。
モニタ
モニタは複数あるに越した事はないです。ノートPC一つでもできないことはないですが辛くなると思います。配信用にそれなりのスペックのデスクトップPCと、モニタは3枚あると良いでしょう。オペレーター用に2枚、演者への返し用に1枚。
以上!
カメラ86050円+マイク9820円+オーディオIF30000円+HDMIキャプチャカード2599円=128,469円(記事作成時価格基準)
これにそれぞれを接続するXLRケーブルやHDMIケーブル、USBケーブルなどが必要になるわけですが、スイッチャーVR-4HD一個分だけでもだいぶお釣りが来ますね。
これで上に紹介してるような5つのシーンを織り交ぜたウェビナーの配信は可能になります。これはYoutubeとかZoomとか配信プラットフォームに関係なく実現できます。
長くなってしまったのでこれくらいで。これらを使ってOBS等で配信する手順についてはまたいつか。