【話し手のマイク編】コロナ禍で在宅ウェビナーや配信のオペレートをしこたまやったのでフィードバックする(3)
今回はウェビナーやYouTube等の配信でスピーカー(パネリスト)としてお話をされる方が使うと良いマイクやツールについて書きたいと思います。
私はコロナ禍の緊急時事態宣言の期間中、全員在宅でのウェビナーを実施するに当たり、たくさんの方にZoom等で私の環境にアクセスしてもらって配信しましたが、当然いろんなマイクを使っている方がいらっしゃいます。
・ボソボソとして言葉の判別がしづらい聞きづらいタイプ
・高音域ガリガリで耳障りなタイプ
・ポツポツ切れてところどころ聞こえなくなるタイプ
・環境音、服との擦れなどでノイズを多く拾ってしまうタイプ
せっかく頑張って集客かけて集まっていただいたお客様に対して音声で不快な思いをさせたくないですよね。お話の内容以前に話を聞く気が失せてしまいます。
でもこれらの問題の解決には、高価な機材が必要というわけではありません。準備に気を使って、その上でちょっとお金を使えば格段に品質が上がります。
ウェビナーに参加された方が、話が聞きやすいマイクはどういうものでしょうか。
有線絶対の法則
これは前回記事で書いた内容ですが、音切れその他トラブルのリスクを手軽に最大限減少させる対策として有効です。マイクもまず有線にしましょう。
マイクのタイプ・形式
ご自宅からウェビナーやWeb会議に参加される場合のマイクとしては、パソコンのUSBポートに直接接続するヘッドセット型やイヤホン型を使われる方がほとんどだと思います。MacBook だとミニプラグ型のイヤホンマイクですかね。
↑↑↑ミニプラグ型↑↑↑
ヘッドセット型
配信をオペレートする立場の私からすると、おすすめしたいのはヘッドセットマイクです。ヘッドセットマイクはその形状から分かる通り、マイク部分が口のそばに位置し、体や顔の向きを動かしても距離が変わらず、安定して声を拾ってくれます。
話が少しそれますが、ウェビナーであってもスピーカーの方は多少動きがあったほうが良さそうな気がしています。真正面を向いて淡々と喋るとNHKのニュースアナウンサーみたいになっちゃいますよね。ちょっと飽きるし眠くなります。極端かもですが東進ハイスクールのCM見てると人気講師はみんな動きがありますよね。そういった見る人を退屈させない話し方も大事だと思います。
ヘッドセットマイクを使う際の注意点については後述します。
イヤホン型
イヤホンマイクも口との距離が近く悪くはないのですが、有線だとブラブラとケーブルを体の前にぶら下げる形になりますよね。そのため体を動かしたりすると体や服に擦れてガサゴソというノイズを拾ってしまう事がよくあります。
おすすめのマイク1
この仕事を担当する事になってから、社内外いろんなウェブ会議の時に「この人の声きれいに聞こえるな!」と思ったらその人に何を使っているか聞いていましたので、それらを紹介します。
まず、ZoomのWeb会議で一緒になった社内の女性の声が音質のバランスもよく非常に聞き取りやすかったので伺ったものがこちら。
https://www.sanwa.co.jp/product/syohin.asp?code=MM-HSUSB17BK
Amazonで税込価格¥2,649 と非常にお求めやすいですよね。コロナ禍以降のビジネスにおいてWeb会議の頻度が高くなり、営業活動や商談でも相手に聞こえの良い声で行いたいと考えると、これくらいの出費ならしてもいいかなと思います。
サンワサプライ USBヘッドセット MM-HSUSB17BK
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https://www.sanwa.co.jp/product/syohin.asp?code=MM-HSUSB17BK
おすすめのマイク2
次に社内の男性が使っていたもの。なんとこちらもサンワサプライ製でした。しかしながらこちらは残念ながら廃止商品になっていました。標準価格税込¥5,500でしたがもう少し安い後継商品があるようです。
両方ともサンワサプライだったのでこれはもう好みの問題かもしれませんがどちらも私が実際にZoomミーティングにおいて聞いて思ったものなので、間違いないかなと思います。
サンワサプライ USBヘッドセット(シルバー)MM-HSUSB10SV
https://www.sanwa.co.jp/product/syohin.asp?code=MM-HSUSB10SV
次点
次に、配信に関わる同僚たちとの話の中で「意外とこれがいいよね」となったのがiPhoneについてくる純正のイヤホンマイクです。さすがApple純正でも侮れません。スピーカーの方にはヘッドセットマイクを持ってるか聞いて、持っていなかった場合はiPhoneのイヤホンマイク持っているかを聞いています。
iPhoneの純正イヤホンマイク Apple EarPods with Lightning Connector
https://amzn.to/2ZFVv2j
ざっくり結論
USBヘッドセットマイクで言えば、3千円以上のサンワサプライやELECOMなどの有名メーカーであれば問題なさそうに思います。
高いコンデンサマイクなどは不要
基本的にZoomなどでのWeb会議、ウェビナーパネリストがメインであれば、高いコンデンサマイクは必要ありません。コンデンサマイクは感度が高く高音質ですが、その分環境の音やノイズを多く拾ってしまいます。一般の人が気づいていないような生活音を多く拾ってしまうのです。これらは聞き手を不快にさせてしまう要素です。
↑↑こんな感じのコンデンサマイクのことです↑↑
また管理も大変です。湿気に弱いので私はジップロックに乾燥剤と一緒に入れてケースに保管していますが、ビジネスユースとなるとちょっと面倒でしょう。それほどのメリットはありません。
ヘッドセットマイクを使う時の注意点
おすすめしているヘッドセットマイクですが、利用の際に注意してほしい点もあります。
口に近すぎる
Zoomなどは自分の声がモニタできないのでついつい不安になって口の近くにマイクをもってきたりしがちですが十分聞こえています。また近すぎると以下のような問題があるので、必ず説明書を見て正しい位置に調整してください。
吹かれ
いわゆる吐息の音です。「ぱぴぷぺぽ」のときに強く息が出ますのでそれがマイクに入ることで起きるものも含まれます。
「さいボッうず おフィッす」みたいに聞こえるやつです。
自分では聞こえないので気づけないため難しいですが、聞き手にとってはかなり不快な音です。完全になくすのは難しいですが、なるべく説明書のとおりの付け方(マイクの位置)をするように心がけてください。
逆に、言葉の合間に口をかるく閉じた状態で息をスーッと音を出して吸ってしまう癖がある方が結構多いです。これをまたマイクは過敏に拾ってしまいます。これは自分で気をつける以外解決策がないので、一度マイクテストを兼ねてZoomで同僚と打ち合わせをして、それを録画して自分に変な癖がないかチェックしてみましょう。
鼻息
ぶおおおお、ぶおおおお、と鼻息もかなり不快な音になります。こちらはマイクの位置でかなり改善できますので、説明書どおりの位置を守ってください。
リップノイズ
これは発音のときの唇の「パッ」という音や、舌と口の中が接触する時の出る「ぴちゃっ」という音がマイクによって増幅されて起こるノイズで、非常に不快です。こちらも完全に防止することは難しいですが、マイクを近づけすぎず正しい位置で使うことによって低減できます。上記に上げたヘッドセットマイクにはどれもウインドスクリーンというスポンジみたいな素材でマイクにかぶせるものがついてきます。これは吹かれやリップノイズを低減してくれるものですので、必ず装着して使用するようにしてください。
ノイズキャンセリング
マイクにはノイズキャンセリング機能がついているものがあります。その場合にはZoom側の設定でノイズキャンセリング機能をオフにしてください。余計に音質を低減させる恐れがあります。
このZoomの設定については後日別の記事でお話したいと思います。
ノイズキャンセリングアプリケーション
一度試してその威力に驚いたのでここに書いておきます。株式会社ブイキューブのサービスで「Krisp(クリスプ)」というものがあります。
Krisp(クリスプ)
https://jp.vcube.com/service/krisp
これはアプリケーションをダウンロードしてパソコンにインストールして使うものですが、自分のマイクに入ってくる環境音などのノイズを大幅に低減してくれます。
ウェビナー配信の作業の中で同僚と試してみたことがあるのですが、大幅に音質が改善され、格段に話が聞きやすくなります。また、自宅のチャイムの音も見事に消してくれました。
わざわざテストのために同僚の家族にチャイムを鳴らしてもらいました
また小さなお子さがいらっしゃる家庭ではほぼ気にならない程度に泣き声なども低減してくれました。
私は業務中のWeb会議程度ではお子さんの声など全く気にしませんが、お取引先との商談やウェビナーでのパネリストとしてのお話中は気にかけたほうが良いでしょう。
外部の方とのWeb会議やウェビナー等でパネリスト・スピーカーとして話をされる機会が多い方は導入を検討されると良いかもしれません。
このサービスは無料でも使えますが利用時間が60分制限と短いので、業務で使う場合には有償プランが現実的だと思います。フリープランで一度試していただくのが良いでしょう。機能的にはかなりおすすめです。
今回は以上です。
次回はウェビナー配信をZoomで行う場合の設定の注意点について書いてみようと思います。