いつ給料の交渉を行うべきか?
前回の投稿「給料の交渉をするべき3つの理由」で説明したように、給料の交渉を行うことはとても大切です。ここでよく多くの方が疑問に持つことが、いつ、どのようなタイミングで給料の交渉について切り出すべきなのかという事です。この投稿ではいつ給料の交渉を行うといいかを説明します。
給料の交渉は最終面接後に会社からオファーをもらってから
基本的に給料、待遇の交渉は最終面接後に会社からオファーをもらってから行うのが良いでしょう。ここでいうオファーとは書面での契約書ではなく、その前段階の口頭やメールでのカジュアルなオファーのことを指します。通常、契約書を社内で用意するには、いくつかの承認ステップ、社内ミーティング、さらに労働組合がある業種では、労働組合側からの承認などが必要です。なので、会社としては、一度契約書を書くとそれを修正するのは難しく、慣例として、書面での契約書を作る前に具体的な給料や福利厚生などを決定する場合がほとんどです。
給料の交渉を、面接のプロセスの途中ではなく、オファーをもらった後に行う理由には以下のことがあげられます。
理由1:給料交渉の際に優位な立場をとることができる
これまでの面接のプロセスを通して、あなたの価値をマネージャーに伝えることができているため、給料交渉の際に優位な立場をとることができます。最終面接を通過したということは、あなたがそのマネージャーの求めているスキルや経験を十分に保有していること、少なくともマネージャーにそのように認識されていることを意味します。つまり、採用マネージャーにとって、あなたが「逃がしがたい人材」になった時点で給料の交渉をすることで、交渉の成功率が高まります。
また、面接の途中で給料の交渉を始めると、あなたが応募しているポジションや、これから一緒に働くチームのことよりも、お金のことに興味があるという印象を相手に与えてしまいます。結果、面接のプロセスの初期段階で給料の交渉を切り出すことは、給料の交渉結果はもとより、面接の結果にまでマイナスの影響を与える恐れがあります。
理由2:面接の途中で話す相手はあなたの給料を決める権限を持っていない
最終面接までの面接の相手は、あなたがそのチームに加わった場合に一緒に働くことになる同僚や、実際に日々のオペレーションのリードを行うチームリーダーの場合が多いです。これは、あなたのスキルやパーソナリティーが実際に働くことになるチームにフィットしているかを判断するためです。ここで重要なポイントは、彼らは直接的にチームのバジェットやあなたの給料を決定する権限をもっていないということです。つまり、あなたが給料の交渉を始めても、彼らには何もできることはありません。また、給料の交渉など、本題からそれた話をすることで、あなたのスキルや経験をアピールする時間を浪費することは得策ではありません。最終面接後にオファーをもらう段階までは、あなたのスキルや経験、パーソナリティーを相手にしっかり伝えることに集中した方がいいでしょう。
理由3:最終面接までの面接を通じて給料の交渉のための情報を得られる
最終面接までのプロセスの中で、応募しているポジションやチームのことについての情報を得ることができます。この情報はもともとの募集要項などに公表されている情報には含まれていないものを指します。例えば、チームメンバーとの面接の中で、彼らが業務で使用しているソフトウェアや業務フローについて述べたとします。このような情報は機密保持の観点から募集要項に書かれていなかったり、または、必須事項ではないため書かれていない場合があります。給料交渉の際に、チームに貢献できる自分のスキルの追加事項として、これらのことを加えることで、あなたの価値が高まり給料の交渉の成功につながります。また、場合によってはチームメンバーとの面接の際に、たとえばそのメンバーが受け取っている福利厚生などを聞くこともでき、自分の交渉のときに同じものをリクエストするとほぼ間違いなく受け入れられます。
このような理由から、最初のジョブオファーがでた後で、契約書にサインするまでの間が、給料や他の待遇の交渉をするのにもっとも適したタイミングになります。
「海外就職のための給料交渉完全ガイドブック」は、著者が複数の転職を元に蓄積した経験と、リサーチをまとめた、給料交渉を成功させたい人のための完全ガイドブックです。この本を読むと、面接の際の給料の交渉について、どうすれば納得の良く、フェアな給料が得られるかを知ることができます。私がこれまでに得た経験やノウハウが、海外での就職に挑戦しようとしている方々や、転職を考えている人が待遇交渉を上手く行えるような手助けになればと思います。
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