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【Nouns DAO】NFTプロジェクトの一つの完成形とも言われる、その正体とは?

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おはようございます。
web3 researcherの三井です。

今日は「Nouns DAO」について解説・考察していきます。

2022年時点において、一つの完成形と世界中から絶賛されているこのNFTプロジェクトは一体何が凄いのか。その概要と凄さについて解説していきます。



Nouns DAOとは?

「Nouns」とは32×32ピクセルのドット絵のキャラクターをモチーフにしたNFTのシリーズ作品を指します。

その最大の特徴は毎日一体の「Noun」がイーサリアムのスマートコントラクトによって自動で生成され、オークションにかけられる点にあります。

↑6/27に生成されたNoun。オークンションにかけられている。

そして、そのNounを購入したメンバー全員にNouns DAOにおける投票権を1つずつ付与する仕組みとなっています。Nounの販売によって集まった資金は全てNouns DAOにプールされ、Nouns DAOの投票によって使い道が決定していきます。

ここで少し言葉と流れを整理します。

■言葉の違い

  • Noun:生成されたNFTアート単品。

  • Nouns:NFTアートのシリーズ作品。Noun+複数形のs。

  • Nouns DAO:Noun購入者が参加でき、投票権をNoun一体につき一票をもつDAO。

■Nouns DAOの仕組み

  1. 毎日一体のNounがスマートコントラクトによって自動生成され、オークションにかけられる。(永遠に生成されつづける)

  2. Noun購入者にはNounsDAOへの参加とNounsDAOのガバナンストークンでもある投票権が一つ付与される。

  3. Nounの売上は全てNouns DAOにプールされる。

  4. Nouns DAOの投票によって、プールされた売上の使い道が決まる。

このような仕組みで、全てが最初にプログラムした設計通りに自動で動いているプロジェクトがNouns DAOです。

ちなみにHP上のNouns DAOのページに、過去含めて全ての提案とそのステータスが載っています。(厳密に言えば、Nouns DAOへの提案はNoun所有者でなくても行うことができます。しかし、その投票権はNoun所有者しか持っていません。)


https://nouns.wtf/vote

その凄さはどこにあるのか?

Nouns DAOの概要の説明をさせていただきました。なんとなく凄そう!という所は伝わったかもしれませんが、その特徴について改めて解説していきます。

■全て自動(スマートコントラクト)で行われる設計を構築した

まずは先ほどから解説がある通り、イーサリアムのスマートコントラクトを使い、Nounの生成(クリエイティブの作成)、オークションの出品や販売先の決定、その資金のプール、使い道の決定、これらを全て自動化したことにあります。

また、Nounsで出品されている画像はブロックチェーン上に保存されています。多くのプロジェクトは運営会社がサーバー上に保存している画像をNFTとして出品しますが、Nounsは違います。こういった点も評価されています。

■創業メンバーがすごい

Nouns DAOは10名のNounders(Nouns + Foundersの造語)によって作られました。その中には「Loot」という有名なNFTプロジェクトの生みの親である@dhof、そしてドット絵の作風でイマジネーション豊かな世界を作り出してきた@eboyartsが入っています。

■長期的に分散化していく構想

全てが自動化されており、Nounの販売売上は全額がNouns DAOにプールされている、これだけ聞くと「あれ、創業メンバーの旨味は?」と思うかもしれません。通常のNFTプロジェクトで入ってくるはずのNFTの売上は全額入ってきません。

これを解決するために、Nounders(創業メンバー)は10体に1体のNounを報酬として貰うことになっています。

↑創業メンバーに報酬として贈られたNoun 270

最初の内はその割合は大きいけれど、どんどんとNounが生成されていけば、Noundersの所有割合が減っていき、分散化していきますよと発言しています。

また、最初のうちは、DAOがカオスになることを防ぐために、”創業メンバーは明らかに間違った決定に対しては拒否権を持つ”ことも明記されています。

このように、Nouns DAOはその仕組みは完全に分散化しながらも、初期段階にはある程度コントロールできる立場をとって、カオスにならないように気をつけています。

もちろん、それじゃ結局分散化してないじゃん!という人もいるかもしれませんが、Nouns DAOが画期的だった所は、分散化への道筋やロジックを全てオープンにして、その仕組みは分散化されている所です。口約束ではなく、将来的には絶対に創業メンバーの割合が減っていくことが確定しているわけですね。

さらに、創業メンバーが報酬としてもらったNounは誰一人として売却しておらず、全員がNouns DAOの運営にコミットしている点も市場から評価されています。

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web3のプロジェクトの肝は、分散化と中央集権の使い分けにある

ここまで、Nouns DAOの概要と特徴について解説してきました。

現在のNoun一体の価格を見ても、最低が10ethほどの高額なので、それだけ期待と評価されていることがわかります。

個人的に感じたことは、Nouns DAOは分散化と中央集権の使い分けが絶妙である点です。

現在の分散化に対する反論でよくあるのが「分散化でサービスとか作れないんじゃない?」です。ワントップでグイッと引っ張り上げることをしなければ良いサービスや良いプロジェクトの立ち上げは難しいだろうという指摘です。

加えて、分散化を目指す現在のNFTプロジェクトやdappsに対して「いつどうやって分散化するの?」という指摘も見られます。結局、運営が儲かってるだけで、web2的なプラットフォームであることに変わりないよね、と。

どちらも一理ありますが、それがどうなるのかを今現在世界中のプレイヤーは検証している段階です。

そして、その一つの答えがNouns DAOだと僕は思いました。

  • 基本的に全てを分散化する。

  • ただ、初期だけは創業メンバーの主権を残し、プロジェクトの方向性や文化形成をしっかりと行う。

  • 創業メンバーの主権が徐々になくなっていく仕組みも分散化(自動化)されている。

この3つを示すことで、Nouns DAOは透明性が高いNFTプロジェクトであり、DAOであると評価を受けています。

この中で大切なのは一番下の「主権がなくなる仕組みも分散化されている点」です。「分散化じゃないじゃないか!」と指摘する人の多くは、別に今分散化されていないことを怒っているのではなくて、今後するかどうかわからないこと(中央の運営が勝手にその時期までコントロールできること)に対して疑問を抱いています。

そして、それが「3年後にします!」という口約束ではなく、スマートコントラクトに刻むことで、絶対に改ざんできない約束に変わるので、安心感を持てるわけですね。

このように、web3のプロジェクトやサービスは分散化と中央集権に使い分けと見せ方、仕組みの作り方に成功の肝があると感じます。

ただ、このデメリットは創業時点のスマートコントラクト(絶対の約束)によって、サービスの方向性が縛られてしまい、全然改善できない、、があります。なので、この辺はタイミングも含めて使い分けなんでしょうね。

別プロジェクトもリサーチしつつ、この辺の正解例を今後も模索していこうと思います。

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おわり。

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