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Amazon・YouTubeが起こした「人々の行動変容」のインパクト
サービスを批評する際、機能的な側面(何ができる、この技術がすごい)が論じられがちです。
「機能的な側面」は確かにサービスの成功可否の大きな要素を占めていますが、本当に注目すべきなのは「その機能によって、人々の生活がどう変わったか(=人々の行動変容)」だと思っています。
「ECで買う時に、翌日に届かないとイライラしたことありませんか?」
「テレビを見ていて、CMの長さや、一時停止や巻き戻しができないこと、スマホで見れないことにイライラしたことはありませんか?」
AmazonやYouTubeは、人々の行動を変えてしまったんです。
そしてこれが、何よりも競合優位性になりうる(→新規参入する際は、新しくなった人々の行動常識を踏襲しなければいけません)という話です。
他にも、、、
今までの行動を一変してしまったサービスは数多くあります。
○Amazon
・ネットで買って翌日に届く・配送手数料が無料(Primeで)
○YouTube
・スマホで動画を見る
・アーカイブ機能
・視聴者が見たい時に動画を見れる
・参加型のプラットフォーム
○Bosyu
・ワンタップで求人の応募と作成ができる
○Wantedlly
・「まずは話を聞いてみる」のCTAで、求人応募がラフに
○note
・お題企画によって、発信習慣が定着
○メルカリ
・売れるモノを買うように
○クレカ・QR決済
・財布を持ち歩かない
○Slack
・チャンネル機能で情報の1つに透明化した
○ドミノピザ
・2時間が当たり前だった配達時間を30分にした
などなど、挙げればキリがありません。
機能ではなく行動変容に注意する
「サービスによって行動が変化した」ことは、当たり前のことですが、見落としがちな観点です。
例えば、最近の「オンラインセミナー」の増加によって「あれ、自宅でイベントに参加するのってめちゃくちゃ楽だし、内容もスッと入ってくるじゃん!」と多くの人が感じています。
外出自粛が明けた時、”オフライン”でのセミナーで意識すべきことは「他のオンラインセミナーより、良い講義内容をすること」ではなく、「オンラインセミナーによって変わってしまった人々の行動を理解すること」です。
「めんどくさい」という感情は強烈で、どれだけ内容が良くても、オンラインセミナーの楽さに慣れてしまった人は、わざわざオフラインに行くことはしません。Bosyuに慣れると他の求人募集の作成が結構めんどくさくなりますよね、、。それと同じです。
それだけ「行動変容」のインパクトは絶大で、ここを意識した上でサービス設計をしなければいけません。それこそBosyuより機能的に優れたサービスはいくらでも作れますが、人は”ただ機能があるから”使うんじゃないんですよね、、。
🏃♂️Point①🏃♂️
自社サービス領域で起こっている(先行企業が起こした)行動変容をちゃんと理解しなければ、サービスの質を高めても、そもそも見てもらえない。
行動変容によって、競合優位性を築ける
逆に言えば、チャンスにもなり得ます。行動を変えることが大変な反面、もし変えることが出来れば、それは大きな競合優位性になります。
今、UberEatsは行動変容チャレンジの真っ最中な気がします。
「お店の味をワンタップで自宅に届けてくれる」これが当たり前になった社会だと、どんなに美味しいレストランを出してもUberEatsに対応してなかったらお客さんの集客があまりできない、、ということが起きるかもしれません。「お店に行って食べるのではなく、お店から届けてもらって食べる」が当たり前になっているので。
僕も今度、オンラインで交流会を始めます。
コロナでオフラインイベントが全て出来なくなり、セミナーはまだしも交流会は絶望的だと思っていましたが、実はこの時期は物凄くチャンスだと思いました。
「交流会は自宅でワンクリックで参加するモノ」
「近場の人だけでなく全国の人と出会えるモノ」
といった当たり前が浸透すれば、他のオフラインでの交流会が戻ってきても、僕らの交流会は圧倒的な競合優位性を築けます。
🏃♂️Point②🏃♂️
自社で行動変容を起こすことができれば、それがスタンダードとなり、業界を牽引するサービスとして、競合優位性を築ける可能性がある!
サービスは"人"が使うモノ
「行動変容」という人間心理の側面を考えることも、サービス設計において大事です。というか、人が使ってこそのサービスなので、むしろ心理的な側面を重視した上で、機能を設計していくことが順番な気がします。
「誰のための何なのか」
結局はここに帰結しますね。
非常に多くのことを考えなければ、世界を一変させる規模のサービスは作れないんだなーと日々勉強しています。大変な分、ワクワクも大きいです。
がんばろ。
🏃♂️Point③🏃♂️
サービスは人が使うモノなので、「誰のための何なのか」を常に意識し、心理的側面を踏まえた上で、必要な機能を考えるべき。
まとめ
①自社サービス領域で起こっている(先行企業が起こした)行動変容をちゃんと理解しなければ、サービスの質を高めても、そもそも見てもらえない。
②自社で行動変容を起こすことができれば、それがスタンダードとなり、業界を牽引するサービスとして、競合優位性を築ける可能性がある!
③サービスは人が使うモノなので、「誰のための何なのか」を常に意識し、心理的側面を踏まえた上で、必要な機能を考えるべき。
追記:行動変容をチャンスと捉える人とは
とある歯ブラシメーカーの話です。
市場拡大のために海外進出を考えていました。
社員2人が派遣され、アフリカに視察に行きました。
帰国後、上司に報告しました。
社員A
「アフリカ進出は厳しいです。アフリカ人は歯を磨く習慣がありません。歯ブラシを販売しても、きっと買ってくれません。」
社員B
「今すぐアフリカ進出すべきです!!アフリカ人は歯を磨く習慣がありません。歯ブラシを販売し、歯を磨く習慣ができれば、アフリカの市場を独占できます!」
(どこかで読んだお話です。)
---------------おわり---------------
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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サービスを批評する際、機能的な側面(何ができる、この技術がすごい)が論じられがちですが、注目すべきなのは「その機能によって、人々の生活がどう変わったか(=人々の行動変容)」だと思っています。#note https://t.co/vVwqDzeLci
— 三井滉平 (@_koheimitsui) May 12, 2020
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三井滉平(_koheimitsui)
EC・D2C領域でプロダクトを作ってる起業家です。
次世代のECプラットフォーム「demmpa」 / D2Cブランド立ち上げ中 / U25の起業家コミュニティー「未来起業家交流会」の代表理事もやってます。
ECやD2Cのこと、起業の実体験、その他スタートアップ全般について呟きます。
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