Jazz with MELRAW July.2020
さあ月1更新のジャズのプレイリスト!
7月号は"夏の訪れ"がテーマです!
1.April In Paris - Count Basie & His Orchestra
さあ、いきなり4月!(笑)。でもねなんかこの派手な"幕開け感"は夏にもぴったり!そして意外とサビのメロディーがエモくていいんだな(ベイシー相手に"エモい"使う人初めて見た 苦笑)。エンディングの「ワン・モア・タイム」ってのはみんな一度は真似する名台詞。
2.Just Friends - Vanguard Jazz Orchestra
Thad Jones-Mel Lewis Orchestraを起源とし、1966年より毎週月曜日、ニューヨークの名門クラブ"Village Vanguard"で演奏するレジェンド的オーケストラ。因みに安藤が一番好きなバンドもこちら。気づけば2曲連続でオーケストラ。ビッグバンドの夏だね。
3.Anything Goes - Sonny Criss
意外と出てくることの少ないこちらのソニー・クリスさんはバップからハードバップ期に活躍したサックス奏者。この曲は天才作曲家コール・ポーターのペンによるもの。ジャズスタンダードというのはもともと映画やミュージカル用に書かれたものが多くこの曲もそのような経緯がある。ポジティブなメロディーが気持ちをウキウキさせてくれる。
4.Four - Miles Davis
4曲目にこの曲を持ってきたのは本当に偶然。反復する印象的なメロディーは意外と耳にしたことがある方も多いかもしれない。このテイクが収録されているアルバムにまつわる"マラソンセッション"という話がある。これは当時マイナーレーベルからメジャーなレーベルに移籍したかったが、何作分かの契約がマイナーレーベルと残っていたマイルスが2日間のレコーディングでアルバム4枚分の楽曲をほぼ全曲ワンテイクで終わらせてしまったというもの。マイルスという男は本当に豪快だ。
5.Embraceable You - Nat King Cole
シンガーでありピアニストのナット・キング・コールの歌唱でガーシュウィン作の美しいバラードを。とろける程甘ったるいラブソング。ホーンプレイヤーたちにも愛される名曲中の名曲。ナット・キング・コールの娘はシンガーのナタリー・コール。
6.Joanne And Julia - Stan Getz
あのジョン・コルトレーンに「できるもんならみんな彼のようにプレイしたいよ」とまで言わしめた天才テナー・サックス奏者"スタン・ゲッツ"。ここでも取り上げている通り彼の代名詞はブラジル生まれの音楽"ボサノヴァ"だろう。なのでそのサウンドや曲調から「さぞかし穏やかでジェントルな人なんだろうなあ」と思った貴方!ハズレです(笑)。ゲッツはロックスターのように酒とドラッグに溺れ、豪快に生きたサックスプレイヤーでした。
7.Delta Bali Blues - Kenny Garrett
安藤に多大な影響を与え、オリエンタルムード溢れるコンポジションに定評があるケニー・ギャレットの名曲。バリ行ったことないけど、いいとこなんだろうなあ。この曲大好き。こういう曲書けるようになりたいな。旅情、ポジティブ、ブルージー、エモ。
8.Journey to the Stars - Tom Harrell
この人も本当にきれいな曲をたくさん生み出しています。トム・ハレルさん。フリューゲルホルンによる柔らかい音色が夕涼みにはピッタリ。インテリジェンスと叙情性を兼ね備えたプレイ。暑いだけじゃないのが7月号。
9.NIght And Day - Joe Henderson
テナー界に”パリッと系”がいるならば、この方はモサフガ系(ぎり失礼)の最高峰。訳も分からずユニクロのコラボTシャツを着てる人を時々見ましたなー。楽曲はこちらもコール・ポーターのペンによるもの。素晴らしいですね。これも元はミュージカルの曲。
10.Broad Way Blues - Ornette Coleman
どうしても一曲はフリー系を入れたい!ということで今月は”ジャズ 来るべきもの”のオーネット・コールマン。フリー系と言ってもこの曲は割としっかりブルース。にしても歌心ってのは不思議。なぜこうも違うんだろうね。各ソロがとにかく熱い。
11.Days Of Wine And Roses - Wes Montgomery
”酒とバラの日々”。なんて粋なタイトルなんでしょうなー。多くのプレイヤーに今尚愛されているこちらのスタンダードナンバー、ジャズギターの代名詞ウエスの演奏でお送りします。やっぱオルガンとギターの相性って抜群。最高です。アナログで聴きたいあたたかみ。
12.Love For Sale - Cannonball Adderley
でました!マイルスに乗っ取られ気味で有名なアルバム”Somethin' Else”より。”売り物の愛”という直訳の通り娼婦目線の曲となっていて、当時風紀を乱すとして放送禁止になったりしてるんですね。そしてなんとこちらもコール・ポーター。最早コール・ポーター特集と化してきてますな(笑)。
13.The Boy Next Door - Johnny Griffin
セロニアス・モンクやアート・ブレイキーのバンドにも在籍していたことで有名なジョニー・グリフィン。「隣の部屋の男の子が気になってる」なんてかわいい曲です。歌モノは歌詞調べると面白いのでおすすめです。
14.East of the Sun - Sarah Vaughan
さあ、前回はエラでしたが今回は2大歌姫よりサラ・ヴォーンを取り上げます。この曲も多くのジャズミュージシャンに愛されたゆったりとしたスタンダード。メロディーが本当に美しい。そして実はちょっと変則的な小節数で構成されている。僕もジャズライブで時々演奏する名曲。
15.Naima - John Coltrane
7月のラストを飾るのは努力の人ジョン・コルトレーン。その名の通りジャズ史における大きすぎる一歩となったアルバム"ジャイアント・ステップス"に収録されるモード調のバラード。タイトルの"ナイーマ"はコルトレーンの当時の奥さんのお名前。素敵じゃないですか。というわけで7月号はこれにて終了!