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私の好きな懐かしのCMソング
コウノさんの好きなCMソングは何ですか?と聞かれたら悩みますね。悩むけど、やっぱりまず挙げたいのは「日本ケミファ」です。
まわせ地球を子供たち
森田公一のCMソングといえば「青雲の歌」がいちばん有名です。私も大好きな歌です。
でも個人的には、一番は日本ケミファなんです。
小学生のとき何かの番組の後にかならずこのCMが流れていました。毎週のように聞いていて、たった15秒の短いフレーズですが深く心に刻まれています。
(これ歌ってるのご本人ですか?町田義人さんにも声が似てる)
森田公一さんって、サビがすごくダイナミックじゃないですか。音符が大きく上下する。和田アキ子「あの鐘を鳴らすのはあなた」、アグネス・チャン「ひなげしの花」、天地真理「ひとりじゃないの」、石野真子「春ラ!ラ!ラ!」、キャンディーズ「ハートのエースが出てこない」、森田公一とトップギャラン「青春時代」、全部そうですよね。思いっきり上がって下がる、下がって上がる。
日本ケミファのCMソングも、たった15秒に森田公一らしいダイナミックさが凝縮されているんです。これぞ森田メロディ。大好きです。
2008年に福田沙紀さんが少しだけ長いバージョンを歌っています。
曲名は「まわせ地球」というのですね。残念ながらフルバージョンの音源はありませんが、サビだけでもじゅうぶん満足できる曲です。
懐かしのCMソングたち
小学生の時に好きだったCMソングは他にもたくさんあります。ナブコの自動ドア!
これはテレビじゃなくてラジオでよく聞いていました。ニッポン放送ショウアップナイターだったかな?小学3年生(1980年)のとき、野球やったことないのにスコアブックの付け方を覚えて、ちょくちょくラジオを聴きながら記録していました。そこで繰り返しかかっていた。
次はフマキラーカダン(虫が出てくるのでご注意ください)。
「カダン、カダン、カダン、お花を大切に~」って歌いながら、道端のつつじの花をむしって蜜を吸ってました。
ヤマサみそ「ママの手は魔法の手」
小学1年生(1978年)のとき、開始6秒に出てくるお人形と似たものを近所のおばちゃんからもらいました。それがすごく気に入って、しばらくずーっと抱っこしたまま生活していました。家にいる時はもちろん、外で遊んでいるときもずっとです。あまりに抱っこしすぎてCMと同じように右腕がもげてしまい、母親に縫い付けてもらったのを覚えています。
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左は兄(現・大東文化大学教授、イスラム史)。このお人形の名前は「ゆりちゃん」といって、私が生まれるとき、女の子だったら「ゆり」と名づける予定だったことにちなんでいます。「よしよしゆりちゃん」というオリジナルソングあり。
学研のおばちゃんの歌。
うちは兄弟そろって「科学」を取っていました。私が「1年の科学」のとき兄は「4年の科学」、私が「2年の科学」のとき兄は「5年の科学」。3歳年上の兄のほうがいつもふろくが豪華でカッコよかったので、私は自分のふろくよりも兄のふろくをいじらせてもらうのが好きでした。
「まだかなまだかな~」というCMソングの歌詞のとおり、学研の雑誌は毎月ほんとうに待ち遠しくて、今思えばそこまで面白い雑誌でもなかったのになんであんなに一日千秋の思いで待っていたのか不思議です。発売日は朝からソワソワしっぱなしで、夏休み中は学研のおばちゃんが同じ団地の別の号棟に住んでるのを知ってたので兄とふたりで朝から押しかけてフラゲしたりしてました(おばちゃんごめんなさい)。
同じような経験をした人が多いからこういう本が出たんでしょうね。
『もう一度見たい!「科学」と「学習」』 (Gakken Mook)
https://www.amazon.co.jp/dp/4056058962/
餃子の歌を探して
もうひとつどうしても忘れられないCMソングがあります。小学4年生(1981年)の時でした。風邪で学校を休んで家で寝ていたら、母親が退屈だろうからと枕元にラジオを置いてくれてずっと聴いていたのですが、そのとき何度も流れたCMソングをやけに鮮明に覚えているんです。
とーもーだーちが喜んだー 私が作ったこの餃子
あーなーたーが喜んだー 私が作ったこの餃子
おにくやーさんで売ってます
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「あーなーたーがー」の部分は「こーいーびーとが」かもしれません。
私のCM史の知識に照らし合わせると、広告主は「東京ワンタン本舗」ではないかとニラんでいます。
・・・よし。問い合わせるか。
というわけで東京ワンタン本舗さんにメールを送りました。すると翌日お返事がきて、「おそらく弊社のものだと思われます」とのこと。やっぱり!ただし音源はお手元にないようです。
メガネ店CMの不思議な世界
子どもごころに不思議だなあと思っていたのが、メガネ店のCM。なんなんだろう、この何ともいえない微妙な雰囲気。えもいわれぬシュールな空気感。
メガネが似合ってないのかなあ。なんだろうこのヘンな感じ。
メガネ店のCMって今も昔も全般的に不思議なんですよね。見ると心がざわざわする。有名人が出ているものはそれほど違和感ないんですが、無名の人が出ているのは違和感しかなくて、見るとすごく不安になる。
いまいちメガネが似合っていない微妙なモデルさんが、なんのセリフも発さずに生気のないひきつった笑顔でこっちを見ていて、その顔が唐突にアップになるから、私とモデルさんの関係性というか、距離感というか、それがむきだしの状態になってしまい、そこに強烈な無意味さや空虚さが発生して私に襲いかかってくる。それがなんかヘンなのかもしれません。
メガネ店のCMにただようこうした独特の「ヘンな感じ」を意図的に再現してみせたのが、おぎやはぎの二人が出演した2007年のメガネストアーのCMです。
私はこのCMを、日本テレビCM史上に残る名作だと思っています。
CMソングもいいですよね。「メメメガネー、メーガーネー」のところのコード進行なんか最高。
おぎやはぎの二人はこのとき35歳。今よりずいぶん若く見えます。二人と同い年の私も当時35歳、茨城大学に就職して1年目、水戸で単身赴任していた頃です。私も若かったですね。なにしろ大学4年生と13歳しか違わなかったんですから。今では1年生と30歳も違います。時は流れました。
懐かしいCMに出会える最初の世代
YouTubeには、家庭用VTRで録画された昭和のテレビCMが山ほどアップされています。そのほとんどは家庭用VTRの普及が始まった1970年代中盤以降のもの。だから1972年生まれの私は、幼少期に見たテレビCMをいくらでもネット上で追体験できる最初の世代です。CMだけではなくテレビ番組もそうかもしれません。
私より上の世代は、「中学生のとき見たなあ」「高校生のとき見たなあ」というノスタルジーですが、私たちはこれに加えて「幼稚園のとき見たなあ」「小学生のとき見たなあ」というノスタルジーがネット上にあります。
この違いがどのくらい大きいのか分かりませんが、ものごころついてからのほぼすべての映像体験を再確認できるという環境に、ギリギリ混ぜてもらえたのはとても幸運なことだと思っています。
(終わり)
【注:PCで閲覧している方へ】
noteの動画埋め込みサイズは16:9で固定されているようで、4:3の動画をPCで再生すると上下がかなり切れてしまいます。できれば動画左上のタイトル文字をクリックして、YouTubeに飛んで見てください。
スマホで再生すると自動的に別ウインドウが開くので問題ありません。