【大阪、埼玉のみ】前衛芸術「木下佳通代 展」
こんにちはアート王子です!
今回は大阪中之島美術館で開催中の「没後30年 木下佳通代」についてお伝えします。
大阪中之島美術館と埼玉県立近代美術館の2ヶ所のみでの開催です。
開催概要
どんな展示?
5/25から始まった木下佳通代展 初日に行ってきました!
神戸出身の木下佳通代さんの国内美術館初の個展です。
前衛芸術って取っ付きにくいところがあったりするのですが
第1章では前衛美術の集団「グループ〈位〉」の活動での作品や学生時代の資料。
→第2章では写真、見え方のドローイング
→第3章では晩年の油絵での抽象絵画という時代ごとの変遷を辿る合成になっているので、見てて飽きない内容でした!
展示構成
感想
30年前の1994年にがんのため亡くなられた木下佳通代さん。僕が93年生まれなので、写真の中の世界やファッションが昭和ぽくてすごく刺激的だったのと、展示してあるノートに学びと芸術と哲学…ってメモってあって読める範囲でも面白かったです。
展示は3部構成で
第1章は油絵、第2章は写真と「形のドローイング」、第3章でまた油絵に戻ってきて、木下佳通代さんの芸術家人生の変遷を追えていい構成になっていました。
全部、わたし
コラージュ
別の日に撮ったものを組み合わせたもの。それぞれ違う要素で構成されていて、毎日違う見え方がするが、全て私であるということ。
マーキングで愛が生まれる
写真
ただチョークで丸をつけた同じ風景なのに、「別のもの」と認識してしまう不思議。
同じものがたくさんある時、自分の使った紙コップや、ペットボトルに名前を書くと愛着が湧く(他の人から使われないようにするセーフティネットは前提として)のと似てる?
ここに注目!と言われているような
写真
ただ色が付いている同じ写真なのに注目してしまうポイントが変わる
→古い風景に原色ぽい色が塗られているのが、2024年現在すごく良く感じました。
僕は今どこにいるんだ?
円
ただ紙の上に円を描いているのに、奥行きを感じることで、違う空間の円に見えてしまう。
3次元(写真)に2次元(円)が加わると変な空間に見えるのを2次元(紙の上)で表しているのが面白い!
松本人志さんの映画「しんぼる」の変な空間みたいで面白い。
折りたたんだ状態のカタチを想像
四角
折りたたんで塗った絵を開いただけなのに、元の形を想像してしまう。
手を握った状態で、手に絵の具が付いているのに気づいた時、手を広げたらこういう事あらよね。
全部は塗らないし、なんなら拭き取るというアラワザ
油絵
塗った絵の具を拭き取るという、斬新な表現。
↓はなんか好きだった絵。
最近見つかった、デケェ絵もある
今回新たに見つかった、同志社大学の図書館に展示されていた絵
白いキャンバスに白を塗る方法
油絵
→白いキャンバスを赤に一回塗って、白を入れるという発想が面白かった。
アーティスト、木下佳通代
雑誌のインタビューで「芸術家が描き尽くした感があるからこれから大変」と書いてありましたが、いやいや木下さん、30年経った現代では絵を描くのは人間じゃなくても圧倒的クオリティが出せるようになりました。
故に僕は、技術進歩に逆走は出来なくても(スマホのない世界に戻れなくても)より戻しはあると思うので(メールよりも手書きの手紙が嬉しい)、『人間が描く』という事に改めて価値が生まれたと思います。
とはいえ、クオリティを競っても無理ゲーなので、物語や制作過程(プロセスエコノミー)に価値を置く芸術家が生き残ると思っています。
めちゃくちゃ空いてて見やすかったです。外国の方が多くて驚きました。
あまり集客は期待出来ない内容だとは思いますが(たぶん、前売り券売ってない、音声ガイドないなどから、大阪中之島美術館所蔵多いので、大阪中之島美術館と埼玉県立美術館の企画)、それも含めてどれくらいの反響があったのか、大阪中之島美術館の公開される報告書が楽しみです。
(去年の国立国際美術館との「GUTAI」展と似てるかも)
おまけ
そのほかに気になったのものをご紹介します!
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