見出し画像

恥じらいのヴィーナスについて考えてみた @テルマエ展

こんにちはアート王子です。
今回はテルマエ展で展示されている「恥じらいのヴィーナス」についてです!

現在、最終会場の神戸市立博物館で開催中の「テルマエ展 お風呂でつながる古代ローマと日本」についてはこちらからご覧ください↓

テルマエ展で展示されていた
「恥じらいのヴィーナス」という像があるのですが、これについて考えてみました。

恥じらいのヴィーナス

恥じらいのヴィーナス
1世紀
ポンペイ、アポロ神域出土
代理石
高さ130cm
ナポリ国立考古学博物館所蔵

慎ましやかに右手で胸を、布をつまんだ左手で恥部を隠すしぐさをする全裸のヴィーナス像。これは「恥じらいのヴィーナス(ウェヌス・プディカ)」と通称される彫像タイプで、ヘレニズム時代からローマ時代に、コピーや衣の有無や位置が異なるヴァリアントが多数つくられた。※図録より一部抜粋。

僕は思いました。
え?隠しきれてないですが!?
指から先が欠落しているので元々どうなってたのか分からないのですが、右手と左手で何か布らしいものを持っていた可能性も感じられます…が、それだけ別パーツで彫るかなーとも思ったり。
局部を隠す左手もビミョーに浮いているし、最初からちょっと見せるつもりで作ったのではないかなーというのが僕の予想です!

また、腕や足などのパーツの色がところどころ違っていて、完全に修正されているので、後の時代の誰かが違うポーズに変えた可能性もあるなーとか思ったりします。
仮に写真とか絵が残っていたら、本来に近いポーズも分かるかもしれませんが、「分からない」事がある意味ロマンともいえます。

ヴィーナスといえばこれ

ミロのヴィーナス

1番有名なヴィーナス像といえば、ルーヴル美術館にある「ミロのヴィーナス」です。
なんと勘違いしていたのですが、1820年にギリシャの「ミロス島」で発掘されたことが由来らしく、作者の名前では無いそうです!(「ムンクの叫び」ではなくて、"ムンク"の「叫び」のパターンかと思いましたが、確かに古すぎて作者が誰かとか、分からんか!)

この像も腕から先がないので、どのようなポーズを取っていたか分からないのが魅力の一つですが、表情が堂々としているので、ポーズも堂々としていたのではないかなーと思います。(腰に手を当てていたかもしれない)

絵で有名なヴィーナス

ボッティチェッリ「ヴィーナスの誕生」

絵で有名なのはボッティチェッリの「ヴィーナスの誕生」ですね。
イタリアはフィレンツェのウフィツィ美術館所蔵です。
ギリシアの詩人へシオドスによれば,ヴィーナスは海の抱から生まれ,帆立貝の貝殻にのって,ゼフユロスとタロリスの優しい風を受けてキュプロス島のパフオスに上陸したといいます。
シーンはちょっとカオスなのでよく分かりませんが、女性らしい箇所を隠す仕草から、こちらはちょっと恥じらっている感はある。

話は戻りますが、今回のテルマエ展で展示されていた「恥じらいのヴィーナス」を始め、男女の半裸や全裸の像は、風呂場というシチュエーションゆえに飾られていたそうですが、その当時の人の気持ちなって想像してみるとどうでしょう。
ある程度、階級(ヒエラルキー)関係なくお風呂に入れて、図書館もあり「学び」の場としても使われていたようですが(マンガが置いてあるスーパー銭湯みたい?)、今みたいに簡単に色んなものが見れる時代では無いので、ちょっと恥ずかしく感じる人もいたのかもしれないと妄想してしまいます。

参考

いいなと思ったら応援しよう!