料理と巣籠り (提案アリ)
小学生のときから「オレもしかして料理上手いのでは?」と思っていた。大学生・社会人となってからもその考えはむしろ確実なものとなっていった。学生時代のアルバイトで厨房に立ったこともある。その時は「オレ包丁使うのが好きだ!」と認識した。漠然と料理好きではなく、出来上がりまでの工程を分解し「材料を切る」というディテールを意識したのである。料理は家で母親(うちの場合婆ちゃんも多かった)がするものではなく、職業としての料理(調理?)を意識したのもこの頃ではないかと思う。ただ料理をすることを面白がって得意になっていたころは、材料の効率など考えずに買い物したり、料理している最中シンクに汚れた食器が山積みになったり、まわりがとっちらかったりしていた。男の料理というやつである。しかし最近では料理の内容も複雑化して簡素化し(伝わるかなぁ~この感覚)、やりながら片づけものもある程度するようになった。人間はこうして効率的になっていくのだ。
夜、外で飲酒しない分、家での時間ができた。今この時期に改めて料理を作ることに向き合っている人も多いと思う。ぼくもそうです。これまでは、パスタのような麺と具材・ソースを別に作って、タイミングばっちり合わせて「バンっ!」というようなドラマチックな料理を作るのが好きだった。美味しく出来上がった時の満足感・高揚感など、それはそれは高いものがある。しかし現在、なにせ準備する時間があるのでコトコト煮たりするものも臆せず作るようになった。牛肉の赤ワイン煮こみとかブールマニエで仕上げちゃうのだ。あれ?コトコト煮たりしている途中にやることないから片づけものがはかどるんだ、今気付いた。まあいい。
現在、世の中はステイホームウィークである。お仕置きのつもりで名前を公表した休業自粛を聞き入れないパチンコ屋に客が押しかけたり、人との接触を80%減らそうと言いつつ地元商店街はむしろ人出が増えていたり、政府の思惑が裏目に出ていることも多い。そんな中、都知事が慌ててスーパーの買い物は3日に一度にしましょうとか言い出した。わかる、わかるけど、そんな言い方してもハイそうですかって上手い事いくはずないじゃんと思う。また、これ以上合理的に外出する楽しみを奪うなよとも思う。
買い物の回数を制限するよりも、「材料の種類少なくても、こういうものを作ったら美味しいですよ!」「少し多めに作って翌日はひと手間足してこういう食べかたしてみたらどうですか?」「結果として買い物は3日に一度ですみますよ。」なんて厚生労働省がお料理を主導したらどうですか?ただでさえも毎日毎食の献立考えるの大変なんだから、しかもずっと自宅で過ごしてるんだから、助かる人たちたくさんいるのではないでしょうか?諸外国に比べると日本は圧倒的に民族的例外が少ないので食べ物の制約は少ないだろうし、官僚の皆さんどうでしょう?きっと提案された献立のアレンジがSNSで広がっちゃうよ! #小池さんの献立 とか。それこそ諸外国には「興味深い日本政府の取り組み」さしずめ ”Instagrammable Effort by Japanese Government” なんて見出しで好意的なニュースとして伝わる気がしますけど。
「我が社が開発した〇〇〇はこんなに優れています!ぜひこれを買ってください!」という直接的なマーケティングより、こういう使い方するとこんな素敵な生活が待っていますよと言う提案型のほうが時代にフィットしているし、そのほうがみんな楽しいと思うんだがなぁ。
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