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週刊牛乳屋新聞#87(毛沢東思想は商売に応用できるか?)

おはようございます、牛乳屋です。タイトルがちょっと過激ですね笑。先日、静岡の片田舎を散歩していた時に考えたことを本日のテーマにしています。


巨大化する商売とは:農村から都市の包囲

これは中国共産党が主に1930年代に農村に根拠地を移し、ゲリラ戦を展開することで国民党との内戦に勝利した経験に根差した基本的な思想です。この言葉は、今でも中国ではマーケティング戦略としても用いられています。まず広大な農村の市場を攻めて巨大なユーザー母数を抱えてからサービス内容をブラッシュアップし、成熟した競合企業のいる都市の市場を攻略する、というものです。

「レノボもアリババも「毛沢東の戦略」で成功した」2017年4月26日 newsweek

上記のnewsweekの記事でも紹介されている通り、レノボもアリババも創業当時は強大なライバルがいましたが、ライバルが進出していない地方都市でユーザーを着実に増やした後に、都市部のライバルとの決戦に勝ちました。

今なお、中国で新しく出てくる生鮮食品ECの事業内容を見ていると、地方都市でサプライチェーンを構築していこうとしているので、「農村から始める」という考えは中国で大きな商売をするための基本なのかもしれません。


日本でも似たような場合はあるが、、、

アパレル、飲食や日用品で巨大化した企業は創業の場所が東京や大阪でない場合が多いです。ユニクロは山口県宇部市(人口約16万人)、丸亀製麺のトリドールは兵庫県加古川市(人口約26万人)、西松屋は兵庫県姫路市(約53万人)と、規模は小さくないものの大都市とは言えない場所で創業し、事業基盤を固め、大都市である東京や海外の大都市を攻めていきました。

地方都市のロードサイド店舗を整えてから、都市圏のベッドタウンで勝負に出るというのは、まさに「農村から都市を包囲」していると言えるかもしれません。また、アパレル、飲食や日用品は粗利が小さいため、不動産価格が高い大都市で始めるには負担が大きくなります。不動産価格が比較的廉価なロードサイド店舗であれば固定費を下げることができるので、一定の利益率を確保し、次の出店資金に繋げることができるような気がします。

しまむら、Avail、Birthdayの「しまむら三銃士」

生活が自動車圏内の日本と小区圏内の中国

しかし、日本と中国は都市構造が異なるので、地方都市から広げていくのもそのまま当てはめることはできないと思っています。

日本の場合は、車での移動時間が比較的短く、半径20kmであれば30分以内で隣町やロードサイド店舗へ気軽に行けますが、中国大陸での移動は20kmに収まりません。北京と天津の移動距離は約150kmあり、広州と深圳の移動距離は約135kmあります。東京と小田原が隣町と言われてもピンとこないでしょう。

都市と都市の間の距離が離れているため、中国はロードサイド店舗の概念が薄く、車での来店やドライブスルーよりも人が住んでいる住宅地への商品配達に重きを置く傾向があります。

小区の概念は華村さんの記事で丁寧にまとめられているので、是非ご参照ください。


応用できないけど、共通項はありそう

都市構造や生活様式が異なるため、「農村から都市を包囲する」戦略はそのまま活かすことはできなそうです。一方で、日本で巨大化する事業は必ずと言ってもいいほど地方都市でも侵透しているように感じています。

紳士服店、スポーツ用品店、レンタルビデオ店、パチンコ屋、消費者金融、ファーストフード店、コンビニ、カー用品店、自動車ディーラー、携帯電話のキャリア店等々

大都市の洗練された一部の市場向けに商売をするというのも一つの考えかもしれませんが、事業を巨大化させる野望があるのであれば地方都市に侵透させるのは必須ですね。ユニクロもソフトバンクも創業時は地方都市の衣服店や販売代理店でした。事業の拡げ方は、日本式毛沢東理論として学ぶ要素はありそうです。


「農村から都市を包囲」は日本でもある程度は活用できそうなので細々と事業をしながら包囲できるようことをどんどん仕掛けていきたいと思っています!

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