週刊牛乳屋新聞#56(空気で動員する日本と大義で動員する中国)
おはようございます、牛乳屋です。最近、ツイートの回数が減りましたが、何とか元気にやっています。
東京オリンピックもいよいよ1か月後に迫ってきました。2013年に東京オリンピックが決まったニュースを私は旅先の雲南省昆明市で知りました。それからオリンピックの開催に至るまでは今思うとあっという間だったと思いまうす。色々なことがありましたが、どうやら東京オリンピックは開催されるみたいです。今回は何故オリンピックを開催するのか?と考えながら、来年に迫った北京五輪と比較しながら、「人の動員」について考えたことを書いていきます。
なんでオリンピックをやるの?
オリンピックが何のために開催されるのか・・・?近代オリンピックは、アマチュアリズムを基本とし、古代の平和の祭典の復興を目指した世界的なイベントを目指していたとされています。オリンピックは時々の情勢に合わせて大義を変化させてきましたし、むしろプロ選手をどんどん登用して「広告宣伝のイベント」でもあり、開催国の威信を世界に発信する「ナショナリズム高揚の場」でもあることでしょう。
広告宣伝の場とナショナリズム高揚の場が重なることは悪いことだとは思っていません。しかし、ナショナリズムを高めるためには火付け役となるような理由が必要だと思っています。現在オリンピックを開催するのであれば、新型コロナ感染状況が抑えられていないにも関わらず開催する意義を明言しなければなりません。
先日の国会中継(党首討論)を見ていましたが、「オリンピックを安心安全に行う」とだけ言及されており、「なぜ開催するのか?」「何を以て安心安全なのか」に関しては明言されていませんでした。
また、このようなショッキングなニュースを通して、さすが電〇と感じただけでなく、「やるからやる」「そういう計画だからやる」という発想を根底に感じました。
大義名分で動員する中国
人民が従っているかどうかは別として、中国では「なぜ〇〇が君臨する必然性があるのか」「なぜ〇〇をやるのか」に関する大義名分を作るのに長けていると感じています。
というのも、中国の歴史を紐解くと、大国が群雄割拠していた時代や超大国が中華全土を支配していた時代を含め、「なぜ〇〇王朝が支配者たりえるのか」といった"説明責任"を果たしていると思います。その"説明責任"とは人民の胃袋を満腹にすることであり、その責任を果たせなくなった王朝は次の勢力によって消される運命をたどっていたのです。
現在の中国(専ら中国共産党)も「改革開放」による経済発展で存在理由に対する"説明責任"を果たしていますし、「二つの百年」「中華民族の偉大なる復興」というスローガンで存続に対しての"説明責任"を果たしています。
北京オリンピックは人類がコロナに打ち克った象徴へ
2022年には北京で冬季オリンピックが開催される予定です。中国のワクチン接種スピードを見ると今年中には人口分は接種完了しそうですし、国を越えた人の往来もある程度のレベルまで戻ることでしょう。
こうした経済や人的往来の再開により、人類がコロナに打ち克ち平和を手にしたオリンピックとしての意義を付与され、冬季オリンピック運営側によって宣伝されるだろうと見ています。加えて、数年前に中国で大ヒットした「流浪地球」のように中国人が地球を救ったという英雄譚がコンテンツとして生み出されるようになることでしょう。
しかし、それを世界中が納得するかどうかは別問題です。14億人の人民が感動の涙を流している一方、なぜ西側諸国は中国の偉大な功績を認めないのだ!と感動と憤慨が混ざった世論が世界を騒がすことになりそうです。
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