世界のデータで紐解く仮想通貨経済圏
自己紹介
こんにちは。私はシリコンバレーにある、B to B領域で世界No.1アクセラレーターと言われているAlchemistでメンターをしています。
また、2014年からビットコインとイーサリアムを支持している変人です。
この記事でわかること
こうしたバックグラウンドから、最近、このような質問を頂くことが増えてきました。
仮想通貨って最近どうなの?
ビットコイン、買うべきだと思う?
NFTや仮想通貨に関連するサービスを検討したいけど、本当に大丈夫?
このような疑問に応えるためには、日本国内だけを見ていると正確な判断ができない状況にあります。なぜなら日本では、仮想通貨といえば「マネーロンダリングの温床」「詐欺に注意!」といったフレーズとセットで語られることが多く、色眼鏡で見られているからです。
しかし、仮想通貨に代表される”Crypto”の領域は、海外では既に最もホットな、次のイノベーションの大本命になっています。
今日は、各種のマクロデータを元に、なぜ仮想通貨が次のイノベーションの本命なのかを、誰にでも理解していただけるよう、噛み砕いて説明したいと思います。
仮想通貨経済圏のマクロ環境
まず、経済規模の大きさを見てみましょう。
仮想通貨全体の時価総額は2021年11月に3兆ドル(約345兆円(1$=115円)に到達しました。
また、2021年時点で世界の保有者数は3億人を超えています。
価格の変動は激しいものの、長期で見れば継続して価格は上がり、保有者数も増え続けています。
(出典:https://triple-a.io/crypto-ownership/)
代表的な二大通貨のビットコインとイーサリアムの経済規模
この市場全体を牽引するのが、時価総額1位のビットコインと、2位のイーサリアムです。ビットコインは投資資産、イーサリアムはインターネット上で、契約や資金調達の機能を担っています。
イーサリアムの取引金額はVisaを超えた
イーサリアムはインターネット上での支払いと契約(スマートコントラクト)を行うブロックチェーンプロトコルです。こうした特性から、取引に使われています。2021年のイーサリアムの取引量はVisaの10.4兆ドルを抜き、$11.6兆ドルまで成長しました。
ビットコインは資産としての価値を確立
2021年のビットコインは機関投資家を始め、マイクロストラテジーやテスラなどの上場企業が保有を開始した事が大きな話題になりました。
先物ETFも上場し、公的に資産としての地位を確立しました。
2022年2月には、世界4大会計事務所のKPMGがビットコインを資産として購入しています。自ら保有し、運用を経験することで、コンサルティングに活用していくものと想定されます。
国別のビットコイン保有者数
では、仮想通貨を保有しているのはどの国なのでしょうか。
2021年2月時点での国別の保有者TOP5はインド、アメリカ、ナイジェリア、ベトナム、イギリスでした。日本は208万人と推計されています。
デモグラで見ると、男性80%,34歳以下が58%,82%が大学修士卒以上の学歴を持ち、エリートクラスの若い男性の保有率が目立ちます。
このデータを見ると、グローバル銀行ビジネスにおいて、次のドル箱とされている、新興国の銀行口座を持たないユーザーの獲得ポテンシャルも高いことが伺えます。
仮想通貨のユーザー数の今後
仮想通貨のウォレット保有者数はインターネットユーザーの増加と同じ曲線を描いており、推計で2025年までCAGR56.4%程度と非常に高い成長率を維持する見込みで、法人の保有は18,000社に到達すると推計されています。
仮想通貨スタートアップへの投資状況
2021年、資金調達額で世界トップの領域はWeb3でした。年末にかけて成長が加速していき、4Q(10-12月)については投資件数もトップでした。
つまり、世界では既に、プロダクト開発型スタートアップにおける有望度が最も高いのが仮想通貨の領域なのです。
総括
各種データから見てわかるように、世界では仮想通貨が既に資産クラスとして確立されており、次のイノベーションの主役になっています。
しかし、日本では「仮想通貨は怪しい」というプロパガンダ、最大55%という過大な税率、保有しているだけで課税されてしまうというルールから、投資も起業も非常に難しくなっており、既に周回遅れの状態になっています。
詐欺による損失額よりも、機会損失額の方が遥かに大きい状態である事から、その技術の持つポテンシャルを正しく理解・評価した上で、1日でも早い税制の改善、そして成長を妨げない規制を設定していく事が必要です。
今後もTechやイノベーションに関連する記事を書いていく予定なので、気になる方はフォローをお願いいたします。