7年ぶりにスタートアップに戻って感じた、今のスタートアップでより重要性を増しているたった1つのこと
かなりバタバタしていた日々がそろそろ終わりを迎えてきたので、最近思っていることを久々にまとめていこうと思います。
前回noteの記事を書いたのは2021年7月、当時僕はGoogleで働いていました。そしてその後、アーリーステージのスタートアップで経営レイヤーで働いています。
元々、シードのVCに2014年までいて、どっぷりスタートアップ界隈につかっていたのですが、それから7年ほど、外資系のミドルベンチャー&Googleと、だいぶ日本国内のスタートアップから実務としては離れていました。
※周りの友人がスタートアップばっかりなので、SNSでスタートアップのトレンドや、酒のつまみ程度にずっと話は聞いていましたが。
そんな中で、タイトルの通り7年ぶりにガチスタートアップに戻ってきて、今のトレンドだと、今後のスタートアップの発展には、より一層これが大事だよなぁと感じている事を思うままにツラツラと書いてみます。
スタートアップマインドを持つ人の発掘と採用
結論から書いてしまうとこれです。↑
既によく言われていることではありますが、大手企業で求められる仕事の仕方やマインドと、スタートアップで求められる仕事の仕方やマインド。
この差分の理解、言語化、そして採用時にそれを持つ人を見抜き採用すること、これらがさらに重要になっている&今後もさらに重要になることを感じています。
DeNAファウンダーの南場さんが著書で「アンラーニング」という言葉を使ってよく取り上げられますが、コンサルや大手企業では論点を多く洗い出して、完璧な資料を作って進む。という進め方。
私がグロービスのMBAに通っていた時に、ある通信会社S社の部長の方が先生をやられていてS社の話も聞いたのですが、
プレゼンの本題は10ページしかないのにAPPENDIX (付録) が100ページ以上
という謎の状況もあったり。。。
久しぶりにガチスタートアップに戻ってきて、昔以上に、大企業マインドで仕事している人がスタートアップに多いという所感があります。
この感想を持つの自分だけだと思っていたら、けっこう周りの友人に聞いても同じ感想の人が多いんですよね。
何でかなぁ、と考えると大きく2つの要因があるように思います。
スタートアップの地位が上がり、大手企業からスタートアップ転職する人が増えた
大手からスタートアップ転職、昔よりめちゃめちゃ増えてますよね。
データとしても、2018年から2021年の3年間の比較で7倍・・!
大企業からスタートアップへの人材流入が加速している。エン・ジャパンの転職サイト「AMBI(アンビ)」によると、2021年4~9月に大企業からスタートアップに移った件数は、18年4~9月に比べて7.1倍となった。
国内スタートアップへの投資額で見ても、僕がスタートアップ界隈に入った2012年の645億円から2021年は7,500億円超えと、わずか10年で10倍以上。
![](https://assets.st-note.com/img/1656250003533-V60JTx9NHx.png?width=1200)
昔は「スタートアップ?ブラックだし、怪しそう・・」から、「スタートアップ!頑張ってていいね!」と世間からスタートアップに対する目は明らかに変わりました。
東大・京大のような上位校出身のピカピカ新卒がスタートアップに飛び込むようになったのも隔世の感があります。
スタートアップ転職がアーリーアダプターから、マジョリティへと移行していることを感じています。
副業の解禁
副業に関しては、最近もこんなニュースが世間を騒がせてましたね。
副業をしている人は24.2%なんてデータも。
資金調達をしたスタートアップの資金使途は、おしなべて①人件費・採用費か、②広告宣伝費、の2択ですから、先述の資金調達額の大きな部分もヒトに対して使われています。
そして、こうした流れの中で大手企業の人材が副業としてスタートアップで働くケースが昔よりかなり増えています。
今後ますます重要になるスタートアップマインドを持つ人の発掘と採用
こうして①大手からスタートアップへの人材流出(正社員として)、②大手人材のスタートアップでの副業(業務委託として)、の2点によって大手企業の方がスタートアップで働くケースが増加しています。
そして、今後もこの流れはしばらく続くのではないかと思っています。
そしてスタートアップの裾野が広がり、人手不足のスタートアップに、大手の優秀な人材が多く流れ込んでくること自体はスタートアップに間違いなくプラスだと僕自身も考えています。
一方で、一昔前のスタートアップに飛び込むアーリーアダプター人材と、今入ってくる人材のマインドセットは変わってきているのも事実だと思います。
現在のWeb3界隈に飛び込んでく若者と、Web3の未来にまだ懐疑的な人々のマインドセットの差と似ている感覚。
スタートアップマインドの浸透は可能なのか
ではスタートアップマインドの浸透は可能なのでしょうか。
最近、とある上場企業のファウンダーであり、経営者の方とお話する機会がありましたが、その方が仰られていたことがとても刺さりました。
社内カルチャーを「浸透」させようとする時点で間違っている。入口の採用で同じカルチャーの人のみを採用する。
ほんこれなんですよね。
一度学んだ体験をアンラーニングして新しいカルチャーにフィットするってかなり難しくて、それをメンバー全員が成功するなんて奇跡的な確率。
であれば、入口でしっかりフィルターすることが大事。
GAFAの面接でも徹底的にカルチャーが異なる人材を省く施策が取られています。
※この施策ネタは、今後にでも書こうかなと思います。
ツラツラと書きましたが、これからスタートアップ転職がマジョリティの人材にも更に浸透していくにつれ、このスタートアップマインドセットを持つ人材を見抜き・採用することは、ますます重要になっていくんだろうなぁと最近しみじみと感じています。