天才に憧れてはいけない |天才を殺す凡人 #読書記録
1年ほど前に話題になっていた「天才を殺す凡人」をようやく読みました。著者は北野唯我さん。
もともとは、SNSでめちゃくちゃバズっていた下記ブログ記事をもとに、ストーリー形式で書籍化したものです。
「天才を殺す凡人」という衝撃的なタイトルですが、読み進んでいくと、本当に納得できることばかりでした。上記ブログより、一部引用します。
天才は、凡人によって殺されることがある。そして、その理由の99.9%は「コミュニケーションの断絶」によるものであり、これは「大企業がイノベーションを起こせない理由」と同じ構造である。
なぜ、3者間のコミュニケーションの断絶が起こるのか?その理由を、3者の評価軸をもとに解説してくれています。
天才と秀才と凡人は「評価軸」が違う
天才と秀才と凡人の「評価軸」の違い(天才は「創造性」、秀才は「再現性(≒ロジック)」、凡人は「共感性」で評価する)を提示した上で、「大企業でイノベーションが起きないのは、3つの「軸」を1つのKPIで測るから」と喝破しています。これは本当にそう思います。
てか、大企業で天才は出世できないと思うんですよね。天才肌で共感力や再現性の低いひとが、組織で生き残るのは相当難しいはず。
ほとんどの人が「秀才」であり、たまに運やタイミングが良くて「凡人」が出世したりします。そんな「秀才」や「凡人」が天才のことを理解できるはずもなく、そして秀才同士や凡人同士の忖度なんかが横行するもんだから、いわゆるイノベーション的なものは生まれてこないですよね。
じゃあ、世の中を変える、イノベーションを起こせる「天才」を助けるにはどうすればいいのか、っていう部分については、上記ブログにある『天才を救う「共感の神」:大企業に必要な「若い才能と、根回しおじさん」理論』という部分をお読みいただければと思います。
「天才」と「秀才」と「凡人」は、誰のなかにもいる
本書でも語られてますし、北野さんのインタビューなどにも書かれていますが、「天才」と「秀才」と「凡人」は、誰のなかにもいるわけです。シーンによっても違うだろうし、学びや経験を重ねることで、それぞれの才能の「濃度」が変わっていく気がします。
天才に憧れてはいけないと思う
この本を読んで思ったのは、「天才に憧れてはいけないな」ということ。
いや、まあ遠くから憧れている分には別にいいんですが、同じ会社、同じチームに「天才」がいる場合は、決して憧れてはいけないと思います。
「天才だ!」と盲目的に憧れるのではなく、天才に対して自分が優位な点を見つけ、そこをサポートしていく、という視点が、組織全体の成果を最大化するためには、当然ながらめちゃくちゃ大事なわけです。
そういう意味で、天才への過度な憧れは思考停止になってしまうし、かつ天才が望んでいるであろう「成果」の質が下がってしまう可能性だってあると思うんです。それって物凄く勿体ないことです。
よって凡人が意識すべきは、天才への憧れなどではなく、「比較優位」の考え方を知って、実行することだと思います。
「比較優位」というのは、要は、天才と凡人それぞれが得意なことに集中し、分業することで、全体の成果を最大化していく、といった考え方です。
「比較優位」についてもう少し知りたい方は、下記記事も参考になるかもしれません(またまたR25・・・)。
自分の中にグラデーションで存在する3つの才能を意識すること、そして比較優位で自分自身ができることを考えること。
この2つがめちゃくちゃ大事であり、それができれば、天才が作り出す世界を具現化できて、もっと面白くHAPPYな社会になるんじゃないかと思います。
※ヘッド画像は下記記事のものをお借りしました。