3月8日 散髪は特技欄に書いても良いのでしょうか【今日のものがたり】
履歴書には趣味や特技を書く欄が存在する。
私はその特技欄に書いていいものかどうか、悩んでいることがある。
自分の髪を自分で切っている、ということだ。
二十歳を過ぎたころからなのだが、前髪だけじゃなく、後ろの髪も自分で切っている。
社会人たるもの、きちんと美容院で切ってもらったほうがいいとおっしゃる方もいるだろう。だが私は美容院が苦手で、さらに、自分で切れば美容院代が浮き、その分貯金……いや、ここは正直に言おう、趣味にお金をまわせるのだ。
そのことに気づいたとき、私の選択肢は一つしかなくなった。いや、それはもはや選択肢ではない。道は一つだった。
というわけで私は自分の髪を自分で切っている。今の世の中は実に便利だ。100円ショップに髪を切るためのヘアカッターなるものが売られている。これは非常に便利である。これでカットするだけで済むのだから。
いや、厳密にいうと、そのあとせっけんつきのカミソリで襟足の部分をそっている。ここがヘンに長いとさすがにイマイチなので。そして、そったあとのじょりじょり感が好きだったりする。
自分で切っていることを話すとみんなすごいと言ってくれるのだけど、やってみると案外できるものなのだよ。失敗しても100%自分の責任だから、次回へ向けての反省にすればいいだけのことだし気楽だよ。何より、思い立ったが吉日、ということができるのが強い。
私はふと、「あ~髪の毛切りたいなぁ」と思うことがままあり、「よし、今日家に帰ったら切ろっと」ということが可能なのだ。それこそ翌日仕事でも休みでも、平日でも休日でもいつでもOKというのはとても魅力的な話だと思う。
そんなことを考えているわけだが、果たしてこれを履歴書の特技欄に意気揚々と書いてもいいものなのか。
「あ~なんか髪の毛切りたくなってきた……よし、今から切るか」