6月12日 日記を書くということ【今日のものがたり】
こんなことを書き続けて何になるんだろう。
そう思いながらも書くことをやめられず、それは、強制終了となったあの日まで続いた。
いや、強制終了後も私は未練たらたら書き続けて、今に至る。
誰かにこのことを話すときは野球ノートと言っているけれど、結局は私の気持ちをつらつらと書きつづっているだけなので、いわば日記だ。
これは、誰に見せるでもなく、読ませるでもなく、私だけが読み返すかもしれないもの。
“5打数4安打3打点2盗塁 フル出場!”
ちょうど一年前の日の書き出しだ。
そうか、この日はめちゃくちゃ大活躍した日だったんだな……二軍だけど。
私がプロ野球を見始めたころは完全に箱(チーム)推しだったのだけど、ある日、私の目の前に突如現れた選手のプレーに心奪われ、気づいたら選手推しになっていた。それからというもの、その選手が出場した試合での成績と感想を毎日書くようになり、それが趣味の一つになった。
でも、楽しかったのは最初の数年だけ。だんだん、チーム内での立ち位置や起用法で思うところが出てきて、それからは毎日苦しかった。なのに、日記を書くことは止められず、強制終了を宣告(文字にしたくはないのだけど、いわゆる戦力外通告)された日ですらも、私は書いていた。もう意地みたいになっていたのかもしれない。
それでも、書くことで心の浄化はされていたように思う。なんとなくホッとするみたいな感じで。完全に心の奥の黒いものは取れなかったけれど、薄くはなってくれたかな。
今年もノートはあるけれど……こうなるなんて思ってもいなかったときに用意したから……寂しいね、どうしようもなく。でも、そういうときこそ書こうと思っている。書いても寂しいのはわかっているけれど、書くしかないんだって、そう思うから。
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