1月16日 僕にとってのヒーロー【今日のものがたり】
僕はインターネットとか雑誌のアンケートに答えるのが結構好きな男である。聞かれていないことまで書いてしまうほど。
だいたいなんの見返りもないが、見返りがほしくてやっているわけではないので、あればラッキーぐらいに考えている。
今回は「ヒーローについて」というアンケートに答えようと思う。僕にとってのヒーローは決まっている。里子さんだ。
里子さんは僕の5歳年上で、初めて出会ったのは僕が大学生のときで、里子さんはイートインもできるフードショップの店員さんだった。そのお店に僕がアルバイトで入ったことで知り合うことができた。
里子さんは僕の教育係となって、たくさんのことを教えてくれた。教えるのが苦手だと言っていたけど、僕は里子さんが教えてくれたから大学を卒業するまでそのお店でアルバイトができたと思っている。
実は、里子さんはその当時、地元茨城のコミュニティFMでDJのようなこともやっていたのだ! めちゃくちゃカッコいい! さらに、里子さんの弟さんが占い師で誕生日占いのコーナーを担当してたとか……ん? これは余談か……とにもかくにも、里子さんはバイタリティー溢れる女性だったのだ。そのころから。
そんな素敵な人に僕が憧れないわけがない。しかも当時付き合っていた彼女にフラれたばかりでもあった。だからといってすぐ他の誰かと付き合うなんて軽い男、と思われたくなくて僕は、里子さんと一緒に仕事できるだけでも幸せだ! という気持ちでしばらくは過ごしていた。
でも、ずっと先輩と後輩、という間柄で居続けるのは嫌だった。僕はやっぱり里子さんのことがすごく好きで、ちゃんとしっかりお付き合いしたいと卒業間近の頃は強く思うようになっていた。
里子さんの趣味のひとつに戦隊ヒーローショーを見ることというのがあって、なんと僕は、この戦隊ヒーローショーのアルバイトもしていたのだ! これは運命だと思ったよね。里子さんがちょっと悩んでいて、元気づけたいと思ってショーに招待したことがある。里子さんを意識しすぎていろんなシーンでオーバーアクションしちゃって演出さんからダメ出しくらっちゃったんだけど。でも、そんなことがどこかに吹き飛んでしまうくらい、嬉しいことがあったんだ。
僕のヒーローショーを見た里子さんが「カッコ良かったよ。素敵なヒーローだった」と言ってくれたんだ!
僕がヒーロー! もう、思いが溢れて、その場で告白してしまったよね!
「僕にとってのヒーローはずっと里子さんで、僕はずっと里子さんのことが好きでした」
……おっと、書き出したらめちゃくちゃ長文になってしまった! しかも完全に自分語り。なんだか恥ずかしくなってきたぞ……。今日のところはこのぐらいにして、少し気持ちを落ち着かせてから読み返してみよう。