6月24日 ブルボンプチハウチュウトノ……?【今日のものがたり】
《ピピ……柏崎上空にて空飛ぶ円盤を発見》
「予想通りだ……。今日6月24日のこの日、現れると思っていたのだ!」
《ピピ……通信可能です!》
「本当か? あれも、いけるのだな?」
《ピピ……お任せください。この日のために築き上げてきたのですから》
「よし、では行こう!」
《ピピ……了解いたしました》
ザザ……ピピ……ザザ……
──キョウハ コノヘンニ シトクカ
「……聞こえたぞ……あきらかに今までと違う声が」
《ピピ……翻訳機が……正常に稼働している……大成功だ……ッ!》
──コノアタリニ オイシイ オカシガ アルハ ズナノダガ
「おかし……?」
──テニシタトシテモ スグニタベルナヨ
──ドウシテダ
──オマエハ オナカガユルイダロウ
──オ オナカダケ センサイナノダ
──マアヨイ シカシ ミチノタベモノハ ミチナノダ ヨウジンスルニ コシタコトハナイ
「これは本当にあの円盤の中で話している内容なのか?」
《間違いありません。私たちの作り上げたシステムがそう告げています》
「そうか。疑ってすまない。しかし、ということは彼らは……」
──イマ ナニカイッタカ?
──イヤ ナニモイッテイナイ
──オカシイ ヒトノコエガスル
──ヒト?
《ピピ……すみません。どうやら彼らに見つかってしまったようです》
「なんだと? いや、ゆくゆくは声をかけてしっかりとご挨拶せねばと考えてはいたが」
──カイワヲキカレタカラニハ タタデハスマヌ
「え?」
──ワレノコエヲ ジュシンセシモノヨ
《ピピ……どうしますか。会話しますか》
「……しよう。それしかないだろう」
《では、近くにあるマイクに向かってお話ください》
「わかった」
──キイテイルノハ ワカッテイル オウトウセヨ
『すまない。驚かせてしまって』
──スナオナノハ イイコトダ
──コチラモ ヨナヨナ ソラヲトビマワリ コンランサセテシマッタコトハ ワビヨウ
『そ、そんなことは……』
――シカシ ヌスミギキハ ヤハリ ヨイコトデハナイ
『す、すみませ……』
──ソコデヒトツ テイアンガアル
『提案、とは……?』
──ワレワレニ ブルボンプチヲ タベサセテクレヌカ
『ブルボン プチ?』
《お菓子です! ブルボンから出ている24種類の棒の形をしたパッケージの!》
「……ああ、あれか! なんかかわいらしいクマのキャラクターが描かれているお菓子か!」
《そうです! ちなみにそのクマはプチクマといいます》
「おまえ、詳しいな」
《好きなんです、そのお菓子。でも、わかりましたよ。彼らが今宵、柏崎上空に現れたのはこれが目的だったんですよ》
「柏崎に何かあるのか?」
《ブルボンの本社が柏崎にあるんですよ!》
「おまえ、本当に詳しいな」
《ありがとうございます。でも正直、ブルボンプチはいろんなところで買えるんですけどね》
「……とにもかくにも、ブルボンプチを早急に購入し、彼らと対面せねばな」
──ドウシタ ナニカモンダイデモ オキタカ?
『いえ! ブルボンプチ、ご用意いたします!」
──ソウカ ハナシノワカルモノタチデ ヨカッタ
──コウシテ ウチュウトノカケハシガ ウマレルノデスネ