12月27日 粉寒天をいただいたので【今日のものがたり】
今年最後のお菓子同好会の集いである。
さきほどまで、先日のクリスマスにそれぞれが食べたクリスマスケーキについての報告をしあっていたところだ。議事録者は俺湯本 蒼士。パソコンに内容を打ち込みながら、みんなが撮ってきたケーキ写真をチラチラ見ている。めちゃくちゃおいしそうだ。
来季こそは同好会から部活動へ昇格して、もっともっと活発に活動していきたいなぁ。
「みんなにこれあげる」
神坂がクリスマス柄の袋から何かを取り出す。どうやら、ひとつ一つ個包装になっているようだ。
「なになに?」
「琥珀糖を作ってみました!」
「えー! かわいい!!」
テーブルの上にあらわれたのは、ツリーや星に月、杖のかたちをしたもの(キャンディケインだったかな)などなど、クリスマスをイメージできるものだった。
「琥珀糖……神坂の手作りか?」
「そうだよ。お父さんが職場の人から粉寒天をもらってきて、何か作れそうだなぁって調べて作ってみたんだ」
「水琴、さすが」
「食べるのがもったいないかわいさだな」
「でも、食べないのももったいないんだよな」
「高坂くん、それな」
「食べる前に写真撮ろう」
「湯本、きれいに並べてね」
「了解」
議事録どころじゃなくなっているが、こんなにかわいらしい砂糖菓子が目の前にあるのだ。まずはこちらをおいしくいただき、それからゆっくり議事録を書いても許されるだろう。