2月3日 おやすみ不眠の日【今日のものがたり】
眠れない夜は、絵手紙を書くことにしている。宛先は彼女。まぁ、嘘だ。
絵心というものがよくわからないので、本棚にあった花図鑑を開いて、その日の花を見ながら描いている。色づけは色鉛筆でしている。芯をカッターで削るのが実は好きだったりする。
今日は……2月3日……セツブンソウ……白い花か。
花を描いて眠くなるのかと言ったら、眠くなるときもあればまったく眠くならないときもある。眠りたくて描いているわけではないので結果はどちらでもいい。ただ、翌日が仕事のときは業務に支障をきたさないレベルで寝たいとは思う。
眠れない朝は、豆を食べることにしている。
豆はいつ食べても罪悪感がないからいい。最近は豆のお菓子の種類も増えて困ることもない。困るのは、食べたからといって眠れるわけではないということだ。バカみたいに眠れるときもあれば、バカみたいに眠れないときもある。気まぐれなのだ。私の睡魔は。そう思うことにしている。
眠れない昼は、ただ布団の中にいる。
どうして羊を数えると眠れるんだっけ? 私は数え始めると、羊のかたちとか、羊はどこにいて、どういう性格なんだろうとか、数えることではない方向に意識がいってしまい、つまり、逆に目が覚めるのである。
深夜に仕事だからなんとか三時間くらいは寝たいと思うけど、寝たいと強く思ったときのほうが眠れないので、無になるのが一番だ。しかし、無になるというのもなかなか難しい。無とはいったいなんだろう。何も考えないこと……簡単にできるか?
…………。
世の中は今、とても明るいはずだ。しかし私の部屋は遮光カーテンのため暗い。なぜそんなことを考える。考えている時点で無ではない。ダメだ……今日もまた眠れ……な…………
眠れない日は、君を思う。
どうしているだろうか。
私と同じように眠れないでいるのだろうか。そうだとしたら心配だ。
いや、眠れていない私に心配されたくないか。すまない。
私はこのところほとんど眠れていない。理由はわかるようなわからないような。眼を閉じて、開けると朝であっても、果たして眼を閉じてから開けるまで本当に眠っていたのかわからないのだ。よく寝た、という感情はもうずいぶん前に忘れてしまったような気がする。
幸いなことにクマができない体質のようで、見た目には寝不足かどうかはわからない。寝不足だとわかったほうが優しくしてもらえそうな気もするけど、ちゃんと寝ろと言われるだけのような気もする。
僕よりも君がちゃんと眠れていればそれでいい。
おやすみ。