はじめに
私には「自分」という感覚があまりありません。
毎日の暮らしは夢の中にいるようで実感がなく、楽しいとか嬉しいとか好きという感情が極端に希薄で将来に希望というものが見えません。
対人関係がうまく築けず、仕事もどれも長続きしませんでした。
30年以上に渡り断続的に精神科や心療内科に通ったり心理分析やカウンセリングも受けましたが効果はなく、心理学の本もずいぶん読みましたが私の生きづらさは今も変わっていません。
しかし今の夫と知り合い結婚して私は初めて少しだけ安心して人に頼ったり甘えたりできるようになったのです。
そして25年ほど前3年ほどカウンセリングを受けていた精神科医の先生が最後のカウンセリングの日に私に言った言葉を最近ふと思い出しました。
「あなたは何も悪くない。悪いのはあなたの家族や家庭環境であってあなたは何も悪くない。普通ならとっくに命を絶っていてもおかしくないと思います。でもあなたは今でも生きてくれています。すごいと思います。よくがんばった!本当によくがんばったと思います。あなたのご両親は客観的に見て訴えていいレベルです。あなたは何も悪くはありません。」
なぜ今まで忘れていたのか、そしてなぜ今突然思い出したのかはわかりません。25年たってあの時の先生の言葉がやっと私の心の奥まで届いたということなのかもしれません。
私の人生ももう残り少なくなってきました。
このまま死ぬのはなんだか悔しい気がして最後の悪あがきをしようと決めました。
大したことはできないけれど自分の過去や気持ちと向き合っていこうと思います。
正直にありのまま書く、ということは私にとってとても難しいことで、うまくできるか、続けられるか、自信はありませんが、少しずつ書いていけたらいいなと思います。