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【小説:1,823文字】運の良い男

【小説:1,823文字】運の良い男

 いつだったか、"運"という言葉を知った時から気づいていた。俺は運がいい。
 たとえば小学五年生の運動会。五年生は毎年騎馬戦をやるのが常だったが、俺は騎馬戦には絶対に出たくなかった。乗るならまだしも、乗られるなど御免だったが、身長も高く体格も悪くなかった俺は、どう考えても乗られる側だったからだ。ある日、どうにかして騎馬戦に出ない方法はないものかと思案しながら歩いていて、うっかり側溝に落ちて足を挫(

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