大人になりたくて
私が幼い頃母は、コリー犬を「ラッシー」と言い、レインコートを「バーバリー」と言い、娘には炭酸水を「サイダー」と教えました。
娘は大人になる途中でそれらは間違いだと悟り、甘くない炭酸水があることも知りました。
二十歳手前でユーミンの世界に恋をして、学校の講義が眠くなると、ノートに歌詞を書き綴っては90分を乗り切ったものです。特に好きだったのは「海を見ていた午後」
ソーダ水の中を貨物船がとおる 小さなアワも恋のように消えて行った・・・
恋心とソーダ水をこんな風に絡めるなんて素敵過ぎ!同世代のユーミンがとても大人に思えて憧れたものです。
素敵な大人になりたくて甘い「サイダー」じゃなく甘くない「ソーダ水」を選ぶようになったのはこの頃だったはず。
大人の気分になりたかったその頃の自分は、今思うと幼稚で滑稽だけど、妙に可愛くも思えます。いい加減だった母のことも。
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