リトリーバル(復習法)

参考記事


1.記憶力の低下?

二十歳を超えたあたりから、「あれ、記憶力悪くなってる?」
と感じる事が多くなった気がします。
固有名詞が思い出せなかったり、英語の勉強をしていても覚えたと思っていた単語がでてこなかったり、仕事で教えてもらった作業内容が飛んでしまったり…。思い出したらキリがありません。

これはただ単に“歳をとった”からなのでしょうか?

2.リトリーバルとは?

リトリーバル?知らない子ですね…。
ですがこのリトリーバル、みなさんは既に経験している勉強法なのです。
実はこれ、復習の事なんです。

試験が近い時、みなさん復習しますね?(ぶっつけ本番の方もいるでしょうが)
しかし、なぜ復習が勉強法としてこんなにも浸透しているのでしょう?
それは、復習が効果的であると証明されているからなんですね。
でも学校ではなぜそれが効果的であるかまでは教えてくれません。
“いつ”復習をすればいいのか?
“どのような”復習をすればいいのか?
リトリーバルは、研究によってそれらが明確にされた効率の良い勉強法です。

リトリーバルの要点は
ノートを見返したして内容を“入れる”のではなく、頭から“出す
という事です。

「はにゃ?」
ですよね。

簡単に説明します。
まず、記憶には短期記憶と長期記憶が存在します。
短期記憶は、簡単な内容を学んだ時や、復習をせずに一気に脳に詰め込んだ情報が短期記憶になります。
テスト前に一夜漬けした内容はテスト終わったらすぐに忘れてしまいますよね。
長期記憶は、何度も復習を重ねて記憶の強度が増したものです。
自分の携帯番号とか住所なんかがこれに該当しますね。

ではどのように長期記憶を形成すればいいのか?
それは、“思い出す”事がカギになります。
会話の最中などに、「あれなんだっけ…あ!思い出した!」
みたいな瞬間があると思います。
その“思い出そうと苦労した”事が記憶を強化します!
これが先ほど表現した、頭から出す、になります。
内容を入れるというのは、何も考えずにノートや教科書を見返して内容を入れる(確認しなおす)事です。これはすぐに忘れてしまう短期記憶にしか繋がりません。

リトリーバルを行う事によって、覚えていると確信していたけど、実は覚えていなかったという内容に気付く事ができ、復習すべき内容を覚えていないものに絞ることができ、勉強効率も上がります。
なので、フラッシュカード等を用いてどれだけ“悩んで思い出す”瞬間を作れるかどうかが重要になってきます。
そして、リトリーバルを経て得た知識は、深い理解度の知識となるので違う分野や考え方への応用が利くようになります。

ですがこのリトリーバル、精神的に努力が必要です。
自分が何を覚えていないかを認識しなければいけないので、学びのスピードが遅く感じられ、自分は勉強ができないといったマイナスの感情が芽生えてしまいがちなのです。
ノートを見返したり、ノートを取ったりするだけなら、簡単に勉強した気分になれます(記憶への結びつきは弱い)
何事にも言えるのですが、結果は思っているよりも遅れてやってきます。
詐欺商品によくあるのが、「結果がすぐに出る」というような売り文句が多いのは、我々が結果をすぐに得たいと思ってしまう所を利用しているのかな、と思います。

3.思った事

人間の脳はとても良くできていると思いがちですが、案外記憶力が無かったり、やり方が良くないとうまく機能しないという事がわかっています。
ですが我々は脳を過信しすぎている面があると思います。
そして、「あんなに勉強したのになんでできないんだ、自分はダメなんだ」
と自分を責めてしまいがちです。僕もそうです。
ですが、こういった内容は研究によって効率的なアプローチや原因が判明していたりするので、それを知っているのと知らないのとでは天と地ほどの差が生まれそうです。
僕の例で言うと、人の名前と顔を覚えるのが苦手なのですが、記憶のメカニズムを知った上で考えてみると
・人の顔を見て話すのが苦手
・ある程度関係が深くならないと名前で呼ばない
これらが関係してそうです。
顔を見ないという事は、顔を見る機会が少ない。
名前で呼ばないというのは、名前を思い出す機会が少ない。
もっと複雑な原因かもしれないですが、割と合っていそうです。

記憶も筋トレと同じってことですね!
繰り返し負荷をかけていったら強くなります!

次回はこのリトリーバルで使えるテクニックである
“スペーシング”
について書こうかなと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?