集英社『塞王の楯』を読んでいます。
タイトル通り、まだ読み終わってはいません。
しかし、期日が今日なのと、
4割読んだ時点でメッチャ面白い作品だという事は分かったので、
他の方にもお勧めしたいと思い、見切り発車ではありますが感想を書かせて頂きました。
(時代小説とはいえ、堅苦しい言い回しなどはなく読みやすい作品ではあるので、感想の為にサクっと読んでしまってもよかったのですが、じっくり読みたくなってしまったので。)
この本は、読書の秋コンテスト開催後の発売だったので、そもそもノーマークの本でした。
書店のレジに向かう道中、なんとなく新刊や話題図書のコーナーの平積みされている本に視線を向けながら歩いていた私は、シュリンクのツヤに包まれ、『サイン本』とラベルが貼られた本を発見した。
へー、どんな本かな?と思ってチラッと本の頭上のPOPを見たところ、なんとな~く見覚えのあるタイトル。
「あ、noteの課題図書にあったやつだ!」そう思って、その本を手に取ってレジに……向かいませんでした。
既に、noteのコンテスト用に本を2冊購入しており、コンテストとは無関係な本を持ってレジへ向かう途中だった為です。
その代わりに手に取ったのは、本の横に置かれたパンフレット。
書籍の割にはちょっと珍しく宣伝用のパンフレットが作られており、冒頭16ページまで試し読みが出来るらしかった。
帰りのバスでパンフを取り出し、載っている序章を読んでとても後悔した。
いや、この本、滅茶苦茶面白そうな予感がする!買って帰ればよかった。
あらすじ
故郷が戦で負け、逃げ惑っている時に、お城の石垣を造る職人拾われた主人公の匡介。家族の中で自分だけが生き残ってしまった為、戦から人を守りたい想いが人一倍強い。
そんな主人公が、最強の楯=破られない石垣を作ろうと奮闘するが……。といった話です。
この本をおススメしたいと思った理由
①情景が思い浮かぶ
②武将の話ではなく、石垣職人の話という新しい視点
③専門的な知識や用語を分かりやすくかみ砕き、それとなく話に混ぜてある
④(だからと言って)延々石垣についての話ではなく『お話』である
⑤不必要に登場人物が増えない。必要なシーンに必要な登場人物が出る
⑥読んでて面白い
こう見ると小説というのは『⑥読んでて面白い』の力だけあればいい様に思えるが、その面白いを作るのは①~⑤によってつくられた話の基盤だったり要素だったりするのだろう。
そう考えると、数多ある言葉の山から、自分が作りたい話に向いている単語を切り出し、理論と長年培われてきた感によって、上手に積み上げて小説を創るという作業は、石垣造りに通じるものがあるような気がします。
と、いい事いった風でよく考えると謎の〆でこの感想文は終わろうと思います。
他のおススメ本
最後に、恒例なので書いておきます。
集英社から出ているおススメの本は、
『エミリー』嶽本野ばら
『ZOO』乙一
『マナーはいらない 小説の書きかた講座』三浦しをん
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