焙煎の楽しさ
こんにちは。コハナ珈琲です。
今日は焙煎という概念に出会うまでの過程と、自分なりの焙煎の楽しさについてお話ししたいと思います。
落ちて落ちて、落ち込んでいた時期
私がそもそもコーヒーについて学びたいと思ったのは昨年2023年9月。
メインでやっているお仕事での働き方と自分のやるせなさとのギャップに落ちるとこまで落ち込み、
いわゆる病み期、大きな声では言えないが精神疾患も患った。
当時は家に猫も飼っていなく、主人も長期出張で1人きり。
日が昇る前には家を出て、朝日を浴びるのは職場の駐車場から建物に入るまでのわずかな時間。
そして日が暮れる頃にクタクタで帰路に就く。
ただいまと言えるはずなのに言えない家が寂しかった。
疲れ果てて寝れるはずなのに寝つけない。
次の日の仕事のシミュレーションが自然と頭の中をぐるぐるしている。
休日は休む日やリフレッシュする日、というよりは疲れ果てているので次の出勤に備えセーブする日。
毎日そんな感じだった。
ある日、数日休みがあり帰省した際にかけてもらった
「1人の時は岡山に帰ってきてカフェでもやったらどんな?」
という実家の家族たちの声にふわ〜っと惹かれ、やってみてもいいんじゃないか、好きだし。
「まずはいれ方から学ぶか」、と講座を受けようと思ったのが始まり。
マヌケな見間違いから始まったコーヒー講座
ネットで探して近所で気軽に行けそうなところを選び、予約。
前身の店名に故郷の名前が入っていたのもここに決めた理由の一つ。
当日は店舗兼教室となっているお店にお邪魔し、室内の木の香りやほんのり香るコーヒーの香りに心を弾ませる。
始まるまでは棚にずらっと並べられた瓶入りのコーヒーの生豆や、
他の講座のお知らせの紙を見てるようで見てないような、
とりあえず視線はキョロキョロと落ち着かない。
そして始まったのは私ともう1人の受講生、先生との自己紹介と軽い挨拶。
次にテキストを使った座学。
コーヒーの淹れ方からではなく、コーヒーは新鮮さが大事!ってもの。
あれよあれよと講座は進み、最後に実技。
講座が進んでいくうちに気がついた。
これ、“いれかた(淹れ方)”講座じゃない、
“いりかた(煎り方)”講座だったのか!!
なんて自分は間抜けなんだと自分に絶望もしたけれど、
そうでもなきゃきっとこの焙煎という段階をあえて、自ら選べれてはいなかっただろう。
そもそもコーヒーのプロでもない自分が自宅で焙煎ができることすらも知らなかったんだから。
と、自分で自分を慰めると同時に知らない事をまたひとつ知ることに喜びも感じた。
初めての焙煎と淹れたコーヒー
始まったのは、いりたて名人という手鍋を使っての焙煎。
こんなものがあるのか…と手に取りまじまじと見る。
コンロの火をつけ、手鍋が温まってきたところで生豆を投入し、
手鍋を左右に振りながら豆を焙煎していく。
何もかもが初めてで新鮮。
教えてもらうコツもスーッと吸収する感覚。
楽しい。
そして煎った豆を冷まして、挽いて、自分でドリップをし
受講生どうしで淹れたコーヒを試飲し合い
初めて自分で焙煎から淹れたコーヒーを飲んで
今まで自分が飲んでいたボトルコーヒーとのあまりの違いに純粋に感動した。
焙煎の楽しさ
なんちゃってエッセイ風に書いて世界観を味わっていただきたかったのですが、いかがでしょうか。
講座を何度か受講し、
カカオ焙煎にも使えるとのことで、いりたて名人よりひとまわり大きめのエコセロと持ち運びできる電動ミル、マキネッタ、ドリップ用の器具たち、生豆も買い揃えました。
本日の本題、
「焙煎の楽しさは?」と聞かれるとわたしが1番に浮かぶのは
五感で楽しめる過程、だと思います。
インプットしたことをいち早く友人に伝えたくて
違う場所で同じように新しくスタート準備をしながら励まし合っていた友人にコーヒーを淹れた時に強く感じました。
というか言語化をして再確認ができた。
とても清々しい気持ちになったんですよね。
視覚・・・薄緑の生豆からだんだんとコーヒーの色に色づいていく過程
聴覚・・・1ハゼ・2ハゼと呼ばれる焙煎中の豆の弾く音、豆が手鍋のなかで転がる音
嗅覚・・・入りはじめて数分後のポップコーンのような香ばしい香りから深みのあるコーヒーの香りになっていく過程
触覚・・・焙煎が終わりお皿に豆を取り出した時の温もり、冷めた後の豆の軽い手触り
味覚・・・挽く前に1粒かじった時の歯触り、淹れた後のできたての味わい
淹れ方だけを学んでいたらどうだったかはわからないけれど、
世界がモノクロに見えていた当時の私にとって
「五感が研ぎ澄まされる」感覚を経験できたのは、「生きている」のを実感できたともいえる大きな出来事だったなと今は思うんです。
コーヒーの世界は宇宙のように広すぎるので、誰かの正解に囚われているだけでは楽しみきれません!
温度や時間を細かく精査し安定した味を提供する焙煎の楽しみもあれば
私のような感覚で楽しみ味わうタイプの焙煎もあっていい。揺らいでてもいいと。
とはいえ自分で納得できるものじゃないと提供したくないのでそこの妥協はしません。
楽しみも味わえる焙煎。
いつかは大人も子どもも一緒に楽しめる焙煎のワークショップも開催できればいいなと思ってます。
今回はこんな感じで締めます。ありがとうございます。
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