high and dry

まだ出会ったばかりで
この出会いがどうも素晴らしいものだと
お互いが薄々気づきはじめていたころ

あれは夢のような1週間の
ちょうど真ん中らへんの日で

その1週間私たちは
ほとんど片時も離れずに
ぴったりと2人で過ごしていた

近くの商店街へ買い物へ行ったり
屋上のカフェにチャイを飲みに行ったりして
日がないちにちのんびり過ごしていた

そんなある日の夕方
昼寝から目覚めたところだったか
とつぜんに彼がぼろぼろと泣き出した
私はおどろいて何があったのか尋ねたけれど
彼はなにも言わずにただ泣いていた
嗚咽まじりのその声は止んでは繰り返された

それから翌日
今度はなんと私がわんわんと声を上げて泣いた
前の日の彼とまったく同じように
嗚咽をくりかえしながら
悲しいことなんてなにもないはずなのに

なんだろうね、よくわからないね
けれど似ていたね、なんて話しながら
お腹を空かせた2人は
近所の洋食屋さんへ行って
オムライスとインディアンライスを食べた

思い返すと、ずいぶんと眩しい感じがする

今まで過ごしてきた日々との別れと
この出会いの衝撃と
これから訪れる日々への希望とが混じった

あの頃の私たちにはまだ
さっぱりわからなかった
美しい光

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