アガパンサスの花が開く
「どうして 結婚しようと思ってくれたの?」
シャワーを浴びて出てきた私は
キッチンに立つ彼に唐突にそう聞いた
「うーん それは なんだろう
いろいろあるけど…」
途切れ途切れに
不器用に伝えてくれたことは
私の思っていることとほとんど同じで
わかる、同じように私も思う
と、そう伝えて
そのあとは2人で 彼のつくってくれた
パスタとオムレツとにんじんのサラダを食べた
彼はとてもゆっくりと言葉をつむぐ人だから
私はそれをいつでも遮らずに最後まで
じっくりと聞ける人でいないとね
彼といると私は
いちばん好きな私でいることができる
感じたことを素直に口に出せるし
歯の浮くようなセリフだって言える
彼にも同じように思っていてほしいな
私といると1番すきな自分でいられるように
そうあってほしい
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