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『ピオフィオーレの晩鐘-ricord-』感想


☆あらすじ


時は、20世紀初頭。舞台は、第一次世界大戦直後の南イタリア『ブルローネ』。この街を支配するのは、ブルローネ・マフィアと呼ばれる3つの組織。ブルローネで静かに暮らす主人公『リリアーナ』は、とある事件をきっかけにいずれかの組織へと身を寄せることとなる。なぜ彼女は狙われるのか。なぜ彼女は求められるのか。期せずして鍵を握る存在となった『リリアーナ』は非日常へと巻き込まれていく―。

☆スタッフ


・ディレクター: 高村旭さん
・イラスト: RiRiさん
・シナリオ: かずら林檎さん
・サウンド: 和田俊輔さん

☆MUSIC


・OP: 「Nocturnal」 maoさん×織田かおりさん
・ED: 「風花~winter white lily~」 
     SHOJIさん
      「Whispering Hope」 織田かおりさん
      「Fault」 maoさん
・メインテーマ: アドバーン

☆主人公


・リリアーナ・アドルナート


物心ついた頃から、教会で暮らしている。とある事件をきっかけに、ブルローネマフィアに関わることになる。自身の家族のことや、生い立ちについての一切を知らない。
聡くて空気を読む力もあって、お転婆なところもあってめちゃくちゃ好きな主人公だった~!愛称がリリィなのも可愛い。そしてリリィは当代の鍵の乙女で、ブルローネに眠る聖遺物の封印を解ける存在でして…。胸元のあざが乙女のしるしです!聖遺物はブルローネの利権に関わるし、色々な思惑があった上での狙われだった。

☆攻略対象と感想


・ダンテ・ファルツォーネ (CV.石川界人さん) 


ファルツォーネファミリーのカポ。まだ年若いが、幼少より英才教育を施された正統な後継者。5年前に父親を亡くし、カポを引き継いだ。冷徹に見られることが多いが、一度懐に入れた人間に対しては情が深く、面倒見もいい。血統と伝統を何より重んじる。
もう本当に好き!外見に一目惚れしていたけどストーリーがあまりにも良すぎた…。運命cpだった…。リリィが屋敷を飛び出そうとして木から落ちた時、「何をやっているんだ、おまえは!!」って助けに来たの最高だった…。最初はレオ√か?ってぐらいレオの印象強かったけど、リリィの名前を呼ぶタイミングとかが絶妙だったし、謝るためにバラを贈ってきたり…好き…。ここでファルツォーネが〔墓守りの一族〕で、ブルローネに眠る聖遺物を守護する役目があるんだけど、〔墓守りの一族〕と〔鍵の乙女〕が対になる存在っていうのが…運命です…。二コラ√でニコラがダンテを使命から解放したいっていうのがわかっていたけど、「いいや、二コラ。ファルツォーネにとって、〔使命〕以上に優先すべきことはない」って言葉でダンテの覚悟みたいなのを感じた…。「俺たちは互いが背負う使命のために、こうして出逢ったがこの使命がなかったとしても、俺はおまえを、これからも守りたいと…。ずっと傍で守っていきたいと思っている。カポとしてではなく、ひとりの男として」って言葉が好き…。あと最後の教会でのスチルが結婚式だった…。ちなみにバドエンも二コラを失った末にリリィを目覚めなくなって、アフターストーリーでリリィに幼い頃から焦がれてきたことがわかって拝みました…。すごく好きな√だった。

・ギルバート・レッドフォード (CV.森久保祥太郎さん)


ヴィスコンティ一家のボス。俺様で派手好き、自信家という面もあるが、人当たりはよく誰に対しても気さく。ファルツォーネとは考え方の違いから対立している。慣習に縛られない革新的な思考を持ち、自由を愛する。
竹を割ったようなさっぱりした性格で好感持てた。「兄貴」って感じ。あとギル関係ないけどオリヴァーの「リリアーナ嬢」呼びに萌えた…。あと結構初期でギルが逮捕されて不穏な感じだったけど、ロベルトを簡単に丸め込んでしまったり、保釈されて裁判までの猶予作ったりしてすごいんだよな…純粋に…ギルだからなせるわざ。カジノのシーンもイカサマ見破ったところかっこよかった。リリィが「私、あなたのことが、好き、なんだと思うの」って伝えた時、うろたえるでもなく「…やっと気づいたんだな」ってもうそういうところギル…って感じだった。唯一納得できないのが、二コラが生死不明っていうか多分恐らく死んだこと。この√で死ぬ必要ありました…?裁判も無事終えられたし、めでたし~!って感じたった。他の√に比べると、ギルの性格も相まって明るくて、陽気な感じで終えられた。締めるところはしっかり締めていて、ストーリーがダレないのも良かった。こう言っちゃ失礼だけど、なんでギルが最後の攻略推奨キャラなのか疑問だったけど、ここで結構アンリがバンバン出てきて、ここから分岐するんだなと最後の真相√にも繋がる楽しい√だった。本人がさっぱりした性格だから忘れがちだけど、ファルツォーネと対立関係にあって、そこも込み込みで立ちまわっているのも、やっぱりヴィスコンティのボスだなぁってなった。ここに惚れる人多そう。

・楊 (CV.岡本信彦さん)


[老鼠]と名乗り、組織化している中国人集団の首領。常に薄ら笑いを浮かべている感情の読めない謎の多い男。相手の感情を逆なでするのが趣味。『楊』は通り名であり、誰も本当の名を知らない。気分屋で刹那主義。自身の享楽の為なら他の誰の犠牲も厭わない。
ヤバイ。誇張でもなんでもなくヤバイ男。この人ラストの攻略対象でもないのに、なんで?ってくらい選択肢ミスったらすぐ殺される。ウキョウレベル。ランフェイが可愛いのと、料理がおいしそうだったので多少救われていた。「あの女に一目惚れした」とか言ってたけど本当か…?って感じだったし。言うことなすことが信用できないんだけど、リリィがランから借りた(押し付けられた?)ぱっつんぱっつんのチャイナドレスで不機嫌になるのも好きだし、「俺が与えたものだけを受け取れ」って理不尽かました後に、「…こっちのほうが、おまえには似合う」とか言っちゃう男…。猫のように気まぐれだし、何を考えるのかわからないし、攻略難しいけどそういうところあるんよな…。あとリーがこの√だとかなり最悪でもうどうしてよ…ってなったし、ダンテもニコラも死ぬし…もう…って感じだった。踏んだり蹴ったり。リー、他の√だったら保護者みたいで振り回されていて可愛いのに。リリィが「どうしてかわからないけど…あなたのことを、好きになってしまったの」って本当にその一言に尽きるんだよなあってなった。普通「どうしてかわからないけど」って言われたら、多分キレちらかすんだけど、この男に関しては、本当にどうしてかわからないよな…わかる…って逆に納得感が強かった。「俺が手を離してもいないうちから、おまえが逃げるというのなら、俺はおまえを殺す。俺のものでなくなるなら、跡形もなく消えてくれたほうがいい」って言葉に不覚にもときめいてしまった…。あと最後に「マオ」って名前教えてくれた!!こんな男だから、ちょっとぐらい砂糖を当たられただけで、「えっ!?この言動はどっちだ!?」ってときめいてしまうんだけど、バドエンのロミジュリ展開がまさにそれでした。この男のことを最後まで信用しちゃならんかったのよ…。その末に「芝居」でリリィを殺すっていうのがキレた。でもこのバドエンとても好き。

・ニコラ・フランチェスカ (CV.木村良平さん)


ファルツォーネファミリーのNO.2。おおよそマフィアらしく見えない、人の良さそうな風貌の優男。典型的なイタリア男で、女性慣れしている。ダンテとは従兄弟同士。息をするように嘘をつく。
ていうかキャラクター紹介の「息をするように嘘をつく」って所改めて見ると面白いね(笑)。でもそんなに嘘をついていた記憶ないんだよね…。まあリリィのことをうまく惹きつけて最終的に銃をつきつけてはいたけれども。シニョリーナだのリリィちゃんだの呼び方が馴れなれしくて、それで懐柔してきたと思ったら銃をつきつけてくる男。岡崎契か。「僕はファルツォーネを裏ぎる」って言ってリリィ拉致ってヴィスコンティ行った時、「この男…やっぱり何かあったか…」ってなったけど、冷徹な態度をとる割には「…ギル、ね。ずいぶん仲良くなったみたいで良かったよ」って嫉妬まがいのことをするしさ。こういうマフィアとして、ファルツォーネファミリーの一員としての自分と、リリィに対して好意を抱く自分とで揺れ動いている様子が二コラはいいんですよ。リリィが健気で良かったね。そして初手からこんな男を攻略させてしまっていいのかというのがプレイヤー視点ですよ。ロベルトがニコラに銃を向けた時に間に入り込むリリィも無謀だけどかっこいい…!「ああ、もう!どうして君は…!」からの押し倒しキスが良かった…すごく…!想いが通じた時の「君に触れたかった。失っていかもしれないと思ったらすごく怖くなって―」って言葉に、ニコラ…!ってなった。ちなみに、木村さんってこういうお芝居がとてもお上手でして。二コラはやっぱり木村良平さんですよね!ってなりました。そんな一面もありながらロベルトを殺した時の目は完全にマフィアのそれでしたね…。最後のスチルは、肌色多めだったし、「だから…。もっと僕を幸せにして?愛しいリリアーナ」って欲しがりかよ…。バドエンではダンテを失ってますますリリィに執着して堕ちていく感じが…たまらん…。アフターストーリーの(…もっと壊してあげないと)はパワーワードでしたね。

・オルロック (CV.豊永利行さん)


それぞれの組織に出入りしている情報屋。口数が少なく、素性は誰も知らない。仕事を離れたところではやや一般常識に欠ける一面も。
最初敬語でめちゃめちゃ可愛いのよ。見た目も相まって。そして正体は教国の使徒でした。その訓練の影響で身のこなし軽いめちゃくちゃ強い。リリィに対して盲目的すぎる所もあったけど、「だめ」とかの言い方とか可愛いところもたくさんある。ファルツォーネの先代、つまりダンテのお父さんを殺したのがオルロックで、必然とダンテとやり合うことになって…。ファルツォーネ好きだったからしんどかったな…。そしてオルロックも命令だったからとはいえ、色々と苦悩しただろうな。「今は心から、おれの意思で、あなたを守りたいと思える」とか「たぶん、おれはあなたのことが、好きなんだと思う」って穏やかな時間が流れていたのに、ニコラが死んで揚も「この女、いつの間にか増長に自ら聖女を名乗り出した」とか言いやがるし、八方塞がりなんだよね…味方とは…。あなたたち攻略対象ですよね…となりつつ、この妥協のなさがピオフィなんだよね。好きです。果ては「神は、リリアーナの死を望んでいる」ってなるし…。オルロックが何をしたと言うの…。エミリオからロズベルグがオルロックを騙していたと告げられた時、本当にリリィがいて良かったと思った。オルロックが本当に孤立しないで良かった…。「生きたい。リリィと一緒に」って言葉が本当に尊かった。今まで“生”に対して執着がなかったであろうオルロックが、こんな言葉を言うことが素晴らしかったです。そして仕方ないんだけどダンテが死んだ時、「最期に。ダンテは私を見て、何か言いたそうにその唇を震わせる」って描写にもうやめて…ってなった。二重でしんどい…。オルロック、実はロズベルグの息子なのにどこでおかしくなったんだって感じだったな。とりあえずオルリリ幸せになって。それとこれとは別でバドエンのダンテ好きでしたね!「俺の守りたかったものはすべて…。おまえに奪われたというのに」からのダンテNTRエンドだからな…。オルロックとオルロックファンの方には申し訳ないけどダンテ好きだから萌えてしまった。

・FINALE


真相エンド、とりあえず攻略対象全員生きているのが良かったな。ここでもニコラが死なないかすごく不安だったけど大丈夫だった。ディレットーレ=アンリで、アンリは先代鍵の乙女の弟かつ幼い頃はファルツォーネに身を寄せていたってこととか、先代鍵の乙女のクロエはダンテの父親のシルヴィオを愛していたのにダンテのお母さんと結ばれてそれに狂ったこととか不審死をとげたこととか…。真相√だから当たり前なんだけど、色々なことがわかった。まさに歴史だよね。驚きの連続だった。アンリの目的は復讐だけど、リリィにはちょこちょこ接触してきて「今日は君の顔が見たかった」って言っていたり、地獄に身を置く闕をしたアンリにとって、リリィとの時間だけがアンリにとって心安らぐ時間だったのかなとか思ったり…尊い…。リリィの「だから、私は彼の狂気を許すわ」っていうのが…好きです。最終カジノが爆発してリリィがその中に飛びこんでいくし、「死にたくないわ。だけど、あなたも死なせたくないの!」って言っちゃうのこの子は!アンリの後日談、2人でアンリの故郷であるフランスに行って子ども達と穏やかな時間を過ごしているのがとても良かったです!

☆総評


本当にこういう事があったんじゃないかと思うほど時代考証というか、物語の作り込みがすごくて、没入感最高だった。キャラ良し、シナリオ良し、世界観良し、音楽良しで心からやって良かったと思える作品だった。映画を観ているようだった。恋愛もそうなんだけど、大河ドラマみたいだった。攻略対象もそうだけど、サブキャラにもそれぞれストーリーがあって、やっていてずっと楽しかった。マフィアものだから容赦なくキャラが死ぬし、バドエンも暗いものばかりで好きでしたね。あとリリィがとても好きなヒロインだった。聡明で勇敢で優しい、そして可愛い。結構お召し物が七変化するのも良かった。このゲームに関してCERO Dなだけあって肌色も多めだったのが嬉しかったし、殺し殺されの描写もエグいからその点だけでも好みだった。1つの歴史の断片を見た気分だった…。それからおいしそうな料理がいっぱい出てきて、何の料理かほとんどわからないけど、お腹が空く。ちなみに、メインテーマのアドバーンが本当に好きです。これが鳴ると、「ピオフィ~~!!」ってなります。

☆攻略順


ニコラ→楊→ダンテ→オルロック→ギル→真相

☆CERO


D(17才以上対象)


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