『ピオフィオーレの晩鐘-Episodio1926-』感想
☆あらすじ
BURLONE:舞台は、第一次世界大戦直後の南イタリア『ブルロ一ネ』。この街を支配するのは、ブルローネマフィアと呼ばれる3つの組織。1925年、秋。ブルローネで起こった事件は終息を迎え、主人公『リリアーナ』も束の間、平和な日々を過ごしていた。―そして翌年、1926年。ブルローネマフィアたちと事件を乗り越え、恋人同士となった主人公は再び非日常へと巻き込まれていく。時代の向かい風を受けるマフィアたちに待ち受ける困難とは―。
ALTERNATIVA:1925年の事件は、その黒幕の死を確認できないまま終えた。翌1926年。ブルローネは一時、平穏を得ていたように思えたが…。政府と教国の思惑。そして、新たな敵の存在に翻弄されるブルローネマフィアたち。彼ら再び手を取り合い、事態の解決に動くこととなる。その鍵となる存在として、再び主人公は彼らと行動を共にする人ことに―。
HENRI:1925年の事件が終焉を迎えた後。ブルローネを抜けだし、フランスで穏やかに暮らしていたふたりだったが、とある事件を発端に、再びブルローネへと赴くことに。これは、想い合うふたりが恋人になるまでを描いた物語。
☆スタッフ
・ディレクター: 高村旭さん
・イラスト: RiRiさん
・シナリオ: かずら林檎さん
・サウンド: 和田俊輔さん
☆MUSIC
・OP: 「Current」 maoさん×織田かおりさん
・ED: 「星影~stella starrium~」 maoさん×織田かおりさん
「Last Twilight」 織田かおりさん
「Silent Glim」 maoさん
・メインテーマ:アドバーン
☆主人公
・リリアーナ・アドルナート
主人公。物心ついた頃から修道院で育ち、自身の家族のことや、生まれについてなどは一切知らない。普段は修道院の手伝いをしている。今作では、再び激動の日々へと身を投じることに。
あいも変わらず聡くて勇敢で優しい。1926で家族のことがわかって良かった~!結構無理やり引き離されていたし、似ているからって家族に引きとられた兄・テオとの関係があまりにも好きすぎて…。リリィが鍵の乙女だから、マフィアに狙われて家族が殺されてたっていうの、ままならないよな…。
☆攻略対象と感想
・ダンテ・ファルツォーネ (CV.石川界人さん)
老鼠の壊滅後、マフィア排斥が進む時勢の中で再び揺れ動くブルローネでヴィスコンティと連携を取りながら抗争で荒れた地区の統率などを進めている。
最後にプレイしたけどあい変わらず好きな男だった…。テオやアンリと一番関係の深い√っていうのも最高でした。あと結構会計処理得意ってことにびっくりした。関係が親密になって「彼女のことなんだが、俺が留守の間、何かあったのか?少し様子が気になった」ってリリィの事を気にするダンテも最高だし、ダンテのためにダンテがあまり得意じゃない英語を勉強するリリィが最高だった。ダンリリ…。この√、テオもすっごくすっごく良くて、「チャオ、リリィ!」って気さくに話しかけてくるところも、今思えば唯一の穏やかな時間で。ちなみにテオのこと聞いて、しっかり嫉妬するダンテ見れたのも良かった。ダンテは割と自分はファルツォーネのカポの器ではないと思ってるかもだけど、内部の不穏な動きを察知していたり、そういうところちゃんとカポなんだよなって思う。あと敵に対して「―簡単には殺すな」って指示するところも。 ricordoでもバラを贈っていたけど、1926でもリリィに謝るためにバラを贈っていて微笑ましくなった。ていうかテオの回想がちょこちょこ入るんだけど、テオに南雲薫ismをひしひしと感じた…。そしてリリィの両親がヴェネツィアに住んでいたこともわかった。エミリオの「…晩鐘は鳴った。それじゃあ―終わりを始めよう」って言葉で、最後にやって良かったって心から思った。アンリがダンテの身代わりになって亡くなってしまうところ、テオが自殺してしまうところ、テオが(リリィ。…俺は君のことが大嫌いだ)(今は離れ離れだけど…。いつか会いたいな。仲良くしたい)(…かわいい、俺の妹。…俺の、家族)からの最後の一言で泣いてしまった。あまりにも残酷…。ダンリリはこれを背負って生きていくんだ…。でも今まで家族のいなかったリリィと家族の愛を十分に感じたとはいえないダンテって良くない?幸せな庭を築いて下さい。そしてこれは!バドエンも良くて!ギルと戦うことになって、やばいダンテ死ぬ…と思っていたらギルが死ぬ間際リリィを撃って、ダンテの絶望が見られたの最高だったし、そんなダンテを救済するのがアンリっていう…最高。私が作らせたのかぐらい素晴らしかった。
・ギルバート・レッドフォード (CV.森久保祥太郎さん)
3組織による協定は保たれたまま、ブルローネは3組織台頭以来の平和な時代を迎えた。近頃は禁酒法下のシカゴマフィアとの取引など一層商売に力を入れるように。
まあ1926でもこのゲームの中では比較的平和なのだったと思う。シカゴでの幼少期とか、父・ユージーンのこととか、あとジャックが実弟っていうの何気にびっくりした。最初からフルスロットルで、「俺だって!あんたを愛してる、心から」とか言っちゃう~!そしてうやむやになっていたけどこの√で、ニコラが死んでたって明らかになって凹んだ…。ギルはすごく愛情も懐も深いけど、(俺は本気だが。…彼女に、逃げ道は残す)ってところがギルだな…って感じた。そしてまた出頭命令が出て急いでシカゴに行かないといけなくなるっていうのも、あー本当にブルローネから去るんだって切なくなった。そして、袁と対峙した時、あの袁に対して「〔ギルバート・レッドフォードの可能性にベットしろ]ってことだ〕って言えちゃう強さ…。楊も老鼠を抜けたし、不変ってないんだなって少し切なくもなった√だった。でもそれが歴史なんだよな。バドエンの記憶喪失エンドも好きだった…。
・楊 (CV.岡本信彦さん)
ファルツォーネ、ヴィスコンティの2組織を排除後、六凰会からロンドン行きの指令を受けるもとある理由から、いまブルローネにとどまっている。
序盤の「ほう…。ずいぶんと疑い深くなったものだ、俺が信用できんのか?」(すごくできない…)ってところで思わず笑ってしまったけどこれが楊リリ…。そしてまさかの白鯨を楊が読んでて、びっくりしてしまった。リーの代打として次席になった睿とその睿の後ろ盾である袁のことも気になりはしたけど、「楊への気持ちが恋と呼べるのかどうかは私にもはっきりとわからないけど…」ってところでリリィに少し同情してしまった。いやまあでも本当にそうなんだよね…。そんな中で背中合わせのスチルですよ~!「…すまん」からの「あれだ。…おまえが、そんな…」「この程度で、おまえが気落ちするとは思っていなかった」ってところ楊の女大歓喜必至では…。あと袁と戦ってその末にリリィが傷ついた時、「…おい…起きろ」とか「やめろ」とか「…何を、している」とか「ふざけるなよ。…死ぬことは許さん」「言ったはずだ。この手で殺してやる、と」「おまえに…勝手に、死ぬ権利はない…!」とか言ってて、思ったより楊の中でもリリィの存在は大きくなっていたんだなって思った。
・ニコラ・フランチェスカ(CV.木村良平さん)
老鼠の壊滅後、ヴィスコンティと連携を取りながら抗争で荒れた地区の統率などを進めていたが…。
ニコラの√で「やっとニコラに会えた…」ってなるレベルで久しぶりだった。ダンテに対して「…ダンテ、この子は〔僕の〕だからね」ってなるのも「…僕のお嫁さんにならない?」とか序盤めちゃくちゃ甘々だったよね…。そしてフランチェスカと恋人になってから痣の色が濃くなったっていうのがあって、え、まさか…と思っていたけど、まさかのここでも墓守の一族と鍵の乙女関係成立していた…。しかもニコラの過去も明らかになって、お母さんからDVまがいの事受けてて、恐らくシルヴィオによって母親が殺されて、息絶えていく母親を前に見殺しにするニコラ…。それから「だから、急いだ。君が慣れていないことには気づいていたのに」、「いろんなことが片づいてすぐ、君に気持ちを伝えて。その日のうちに僕のものにしたのは、あれは、…僕が悪い」「血なんて関係ない。最初から無条件に惹かれたわけじゃない。ただ君を知ったから、君を愛した」「たとえ―この想いが[血]を踏みにじるものでも。与えられた使命に背いているものだとしても」「僕は、君が好きなんだ。…愛している」の一連の流れ好きだったな。この√、テオもちょこちょこ出てくるけど、ダンテの√と違ってリリィに害が及ばないようにしたいって考えていくの…テオ…ってなった。そしてニコラによって殺された時「[家族]として、名乗り出ることもできない」ってなった時もだえた…。終盤聖遺物を持ちだした後エミリオが言った「墓守の一族、そして鍵の乙女。これからは使命に縛られることなく自由に生きるといい―」って言葉にエミリオもこれで自由になれるのかな…。最後「あの」ファルツォーネがブルローネを離れてアメリカに行くっていうのもギル√に似た切なさを覚えた…。バッドも良かったです!ヨハンによってリリィが殺された時、「…僕を、置いていかないで…!」ってすがるニコラも最高だし、「全部終わらないと、逢いに行けない」ってなるのがニコラって感じだった。ダンテと違って、リリィの傍にいるのは自分だと信じてやまないんだよな…。
・オルロック (CV.豊永利行さん)
右腕を失ったことで、静養も兼ねて教国で穏やかな日々を送っていたが―。
オルロックが一体何をしたというの…ってレベルで1926もしんどかった。教会で子どものお世話をしてめでたしめでたしで良かったのに…。そんな中で教国からリリィと出てブルローネに行く2人。ていうかこの√、ファルツォーネのカポがギルランダイオになっているのが純粋に嫌だったんですけど。そしてここでまた手を差しのべたのがギルで良かった。本当に気持ちの良いさっぱりした男。それから裏でアンリがヨハンに接触したりアシストしているのが、アンリありがとうって感じだった。これ、エミリオがオルロック達をかばった時、「君たちは、ふたり、で…。生き、なさい…」ってしんどかったです。結局エミリオは何者だったんだ。本当にいつもありがとうすぎた。復讐に燃えていたレオもギルの屋敷ですごす内に完全にとは言えないまでも前を向く決心をして、レオは強い子だよ…。オルロックが使徒を辞めるって決心したのも、それはそうだって感じだし、これからはリリィと2人新しい道で幸せに過ごしてほしい。バドエンも教会で2人心中エンドだったんだけど、本当にオルロックが何をしたっていうの…って感じだった。
・アンリ・ランベール (CV.立花慎之介さん)
とある理由からファルツォーネファミリー、ひいてはブルローネの街全体を憎んでいた。今作では、とある事件に巻き込まれ、主人公と共に再びブルローネへと赴くことになる。
アンリすごく好きだった…。子どもたちと穏やかに暮らしていたのに、せっかく久々2人の時間を過ごしている間に殺されていたはいくらなんでも胸クソだった…。それでブルローネに戻ってきて、マフィア全員集合した時は胸アツだったけど。しかもアンリはリリィをいずれ手離す気満々でさ。ニコラとアンリの「今更、君を殺す必要はないよ。けれど…。必要が生じれば、きっと躊躇わない」「もちろん。僕だって、必要が生じればいつでも君を殺せる」っていう会話が時の流れの残酷さを思わせるっていうか…。アンリとリリィのもどかしい距離感の中で「…私、人前ではあまり泣いたことがないのよ?泣いた相手を困らせてしまうと思っていたから」「そう?…おかしいな。私の記憶では、君は私の前でよく泣いているけれど」っていう会話がすごく好きだった。ファントムがクロエの墓を荒らした末に「あなたのお姉様、新品のクロエ・ランベールを作るために!」発言はドン引きだった。ファントムは強烈だった。リリィめちゃ頑張ったのに、アンリにやんわり拒まれて、(…早く諦めなくちゃ)ってなるのもどかしくて、なんでよ…ってなった。さらにその裏で鍵の乙女になりきれないリリィを殺そうとする動きもあって、「…悪いけど、今の状況では悠長なことは言っていられない。彼女には早急に資格を失ってもらうべきだ」ってニコラが言った時、笑っちゃだめだけど笑ってしまった。そこでやっとアンリが「私は、君が他の男に抱かれるのは嫌だ」発言いただきました…。周りからのアシストありがとう…。やっとリリィの想いが報われた…。セバスティアーノが動揺する姿見れて満足だったし、「…これからは彼女と幸せに暮らすよ」ってよく言った~!ってなった。最後のシロツメクサの指輪、花言葉が約束・幸福で泣きました…。悪名高かったバドエンも私は大大大好きでした!セバスティアーノに誘拐された末に洗脳されてブルローネマフィアも一人一人殺されて、そのシナリオを作ったのがアンリっていう…。最後に殺されるのがニコラっていうのがアンリらしくて最悪で最高…。リリィもつかまって「リリアーナ。…私の、大切な…」「…愛している。…愛しているよ」っていうアンリの言葉がスタオベでした。
・ALTERNATIVA
アンリはいないけど皆が生きてて力を合わせようとする感じ、ちょっと少年マンガ感もあって好きです。ニコラが従軍していた時のスチルもすごく良かったです。ファントムが本物のセバスティア一ノ・ガリエで、アンリを生き返らせることを目的に色々手を回していたっていうのが…狂気すぎる。「…わたくし、大事な親友をブルローネマフィアの皆様に殺されましてね。そのお返しに、彼らのお友達を殺して差し上げようと思ったんです」ってさぁ…。色々な戯曲からの引用みたいなのも良かったし、ファントムの死もあっけなかったけど、「〔ただ、夢を見ていただけでした!〕」っていう言葉もさ…。最初から最後までファントムは幻想を生きていたんじゃないかと思った。この真相最後にやって良かった。
☆総評
ricordo以上に歴史との絡め方がすごいし、本当にこんな歴史があったんじゃないかなって思わせるほどの作り込み…。サブキャラもいっぱい出てくるんだけど、テオがとてもとても好きでした。リリィの出生やキャラクターの過去のこともわかって満足だった。皆も組織もそれぞれ変わっていく描写が多くて、ファシズムとか戦争の機運が高まっていくなかでアメリカに行ったりロンドンに行ったり。特にALTERNATIAではブルローネマフィアもいつまでも仲良しこよしでいるのは無理なんだなって切なさを覚えつつ、でもそれが[歴史]なんだよね…って思った。しかも皆マフィアだし。利害関係の方が大きいんだよね。アンリの√も作ってくれてありがとうございました…って拝みました。
☆攻略順
ALTERNATIVA→ギル→オルロック→二コラ→楊→アンリ→ダンテ→ALTERNATIVA 真相
☆CERO
D(17才以上対象)
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