真なる変化を起こす0.1%の人たち
例えばベンチャー企業のような、変化を起こさんとする属性の人たちですら、私の目からするとその9割は本能的に変化を拒否しています。
それは、知らぬ食べ物から毒を摂取せぬよう、知らぬ土地から疫病を持ち込まぬよう、我々の遺伝子に刻み込まれた正統なる子孫繁栄のための仕組みであるのだから仕方がないのです。そしてそれが正解なのです。
その中でごく稀に現れる、先天性のいかれた人間が、新種のキノコを食べてみたり、急流を渡ってみたりしちゃって、ほとんどは馬鹿みたいに死んでしまうのだけどたまにうまくいっちゃったりして、そういう歴史の積み重ねから今の時代がつくられているのです。
一方で、本来正常であり生存本能に正直な多くの人たちは、そのキチガイをかっこいいものと崇めて自分もそうなりたいと追い求めるものだから、ベンチャー企業のような場所に人が集い、あるいはゴールドラッシュで新大陸に向かい出す船長の船に乗り込むのです。
だけど彼らにとってそれは先天的には相性が悪いものだから、ふとした瞬間に燃料切れを起こします。これが所謂バーンアウト、燃え尽き症候群のひとつの形であるといえるでしょう。
本来、人の99%は奴隷なのです。それは歴史が証明しているし、ローマ帝国の奴隷たちの多くはとても幸せであったとする文献すらあります。
歴史は繰り返す、であるならば、そのような人類の構成比率も一定であり、そうであれば当然に戦争は起きるし、軍隊は然るべく成り立つということになります。
だって著書ホモデウスで言われるように、飢餓と疫病と戦争こそが人間の遺伝子に根深く刻み込まれている3つのイシューなのだから。
そしてここからが私の言いたい本題。
戦争が起きることは、変化しないこと
戦争が起きない状態は、変化すること
え?
逆じゃないの?
いいえ、合ってます。
変化が起きないということは、歴史がまた繰り返されるということであり、一定の周期でまた戦争は起きるのです。
しかしいま、飢餓は減り、疫病も克服しつつあり、そしてついに戦争をも超越しようとしています。
それは、とてつもない変化なのです。
そこには飢餓をなくさんとする人たちの努力が、疫病を克服せんとする人たちの研究が、戦争を2度と起こさんとする人たちの教育と運動が、生まれてきた私たちの遺伝子レベルの本能を覆すほどの変化をもたらし、その結果、私たちは、当然のように1日3食の食事をし、当然のようにワクチンを打ち、当然のように戦争を軽蔑しているのです。
そう、変化させるというのは、変化が起き続ける状態から変化がもう起きなくなる状態へとシフトさせるということなのです。そして人類の遺伝子に、もう大丈夫、怖がらなくていいよって教えてあげることなのです。
もしこの先、第三次世界大戦が起きることなく金融リセットが起き、我々の世界が次の段階へと緩やかに着地したとするならば、本当に変化を起こした人というのは、金融リセットを起こした人たちではなく、第三次世界大戦の発生を水面下で食い止めてきた人たちなのです。そして彼らの多くはこの先、世に大きく知られることもないでしょう。
我々の当たり前をつくってくれた過去の真なる賢人(キチガイ)たちに、そしてこの先の未来に「何も起きなかった」を生み出してくれる次世代の賢人(キチガイ)たちに、大いなる敬意を。