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何度でも言う
動物の尻尾は可愛い。
ネズミでもウサギでもトカゲでも、僕にとってそれは同じだ。
等しく可愛い。
そこに優劣などはない。
ペンギンの尻尾もいい。
カバのそれも素晴らしい。
尻尾のある動物の後ろ姿というか、お尻そのものの存在感が増している気がする。
こういうことを言うとお尻フェチなのかと、さげすまれた目を向けられることが多々ある。
これは非常に不愉快なことだ。
僕はただ、動物の尻尾が好きなのであり動物のお尻が好きなわけではない。
それなのになぜかいつもお尻フェチと誤解をされてしまう。
いちいち訂正するのも面倒になった僕は、今では周りからお尻フェチ認定されてしまっている。
僕が訂正をしなかったせいだから自業自得なのではあるが、事あるごとにお尻の画像を見せてくる友人がいる。
その度にお前の尻に興味はない、動物の尻を撮って来い。
手を払いながら、そう言って追い返す。
その友人は鍛えた成果を見せに来ているだけのかもしれないが、なにが悲しくて……なにが楽しくて鍛え上げられた友人の尻など見なければいけないのだ。
そういう良くないものを見せられた時は、たいていザトウクジラの尾ひれを見て心を落ち着ける。
それからオオカミ、ライオン、キツネザル、僕の癒しの尻尾スナップを見ていくのだ。
この癒し尻尾スナップの最後のページには、近所に居る珍しいコーギーの写真がある。
コーギーというのは尻尾が短い犬種として僕の国では知られている。
そのようにして輸入されてきたのだから、当然と言えば当然だ。
ただこれは、もともと尻尾が短いというわけではなく生まれた頃に短くさせられた結果である。
牧羊犬として働くために、断尾させられていたらしい。
僕がこんな話を知っているのは、その近所のコーギーが立派な尻尾を持っていて飼い主から聞いたからである。
短い尾をふりふりするコーギーも可愛いが、近所のコーギーのように立派な尻尾をふりふりして駆け寄って来るコーギーもまた可愛い。
僕が物珍しさと好奇心半分でそのコーギーに会いに行き、飼い主とも仲良くなり、さりげなく尻尾の写真を撮らせてもらうことに成功した。
しかしその際に『尻尾たまらん』と声に出ていたようで、この人大丈夫かなという目で見られたことも忘れてはいけない。
さすがにその時は僕も訂正した。
訂正しながら、僕の癒しのスナップを見せた。
だがそれが逆効果だったのか、その飼い主には尻フェチと認定されてしまったようだ。
それから生易しい目で見られるようになったのだけれど、何故か飼い主は毎回コーギーの後ろ姿、お尻ドアップの写真を見せてくれるようになった。
恐らく、僕のためにわざわざ撮ってくれているのだろう。
そう考えると癒しの尻尾写真が見れているので、僕にとってはプラスの事だったのかもしれない。
立派な尻尾のコーギー。
その後ろ姿もなかなかに、可愛い。
可愛すぎる。
もう一度言うが、僕が好きなのは動物の『尻尾』である。