ゆるブラック・・・はて?
こんにちは、Mulanです。
フリーのキャリアコンサルタントで、学生や社会人のキャリア支援をしたり
時々、講師として研修をしたりしています。
さて、今日のタイトル「ゆるブラック・・・はて?」
(はい、大好きな朝ドラ”虎に翼”の主人公の口癖。使わせて頂きました!)
今朝の日経。「ゆるブラック」にご用心という記事。
「残業や待遇を改善・・・若手なぜ辞める?」という見出しがありました。記事によると、残業は少ないがスキルやキャリアを高めづらく、士気の低い職場のことを若者が「ゆるブラック」と呼んでいるそうな。
つまり、成長できないと本人が感じる組織なのかなと思います。
記事の中に具体例として、人事評価の基準が見えない。仕事していないように見える人が評価されてるとか、中長期の戦略を上司に提案したら、足元のことをやれば十分。戦略は考えなくてもよいといわれたとか、希望する部署への異動には、まず別の部署で経験を積まねばならず、その経験の時間で自分に何が残るのか不安になった等々。
これって、一見するととても成長意欲が高くて、やる気に満ちた若者の意見のように見えるかもしれませんが、私にはかなり違和感があります。
人事評価の基準。その回答をしている人は「待遇や、社内の風通しはよかった」とも答えています。そうであれば、人事評価については、上司からのフィードバックがあるはず。その際にしっかりと相手に自分が納得できるよう質問をすればいいのではないでしょうか?風通しの良い組織なんであれば、上司とのコミュニケーションも良好なはず。
そして、仕事をしていないように見える人の評価が高い。仕事をしていないように見えるって、あくまでも一側面。本当に仕事をしているかどうかは、
他者にはわかりづらいところもあると思います。それよりなにより、他者の評価は、自分には関係ないと思うんですけどね・・・(笑)
人の評価云々よりも、大事なのは自分の評価に対して納得するべく自分から働きかけるべきではないのかと思います。
中長期的な戦略の提案に対して、目の前のことをやれば十分。そう言われると、確かにガッカリするところはあると思います。でも、これも記事の中だけではわかりませんが、その提案者は目の前のことをしっかりやれてたのかな?と思ったりします。目の前のこと。つまり基礎や土台がまだグラグラしているのに、そこを飛び越えて先の提案をすれば、上司からは「まずは目の前のこと」と言われるのもうなづけます。
ただし、もしも目の前のことをすべてこなし、そのうえでの中長期的な視点での提案であれば、もちろん上司の方の対応が間違っているとは思います。
そして、希望の部署へ行くには、その前に経験を積むことが必要だという話。変化が激しい時代。物事のスピードも速く、数年別部署で経験を積むことは時間の無駄だと思うのかもしれませんが、それは自分次第かなと思います。無駄だと思えばやる気も出ないし、面白くもない。でも、組織の場合、各々の部署が必ず何等かの接点があると思います。一見関連性がないようでも、後になれば「あの時のあの経験が」と役に立つことが多くあります。
もっと言えば、その組織から出た後に、思いがけず役立つこともあると思います。それを、それこそ非常に短期的な視点で「無駄な時間、得るものがない時間」と思うのはとてももったいないことだと思います。
私がいつもハッシュタグにつけている「ジブン株式会社」という考え方。
自分自身をひとつの会社として見立てる。これは、組織にいても同じ。
以前↓の記事でも書いたのですが
会社に対して対等の意識を持ち、自分のスキル・能力で”稼ぐ”という意識を持って仕事に取り組めば、組織の中でも”やれること”が増え、組織という場所を良い意味で利用し、自分を成長させることができるのではと思うのです。
そんな風に考えると「ゆるブラック」って、やりがいが感じられないとか、
自身の成長への不安とか、キャリア構築ができないとか言われるけれど、
それらすべて与えられるものって思ってるように感じます。
残業が少ない、待遇が良いのであれば、その分自己研鑽をする時間もあるかもしれないし、例えば、中長期的な戦略の提案とかも、1度や2度であきらめずに、何度もブラッシュアップして提案してみる。上司がぐうの音も出ないような素晴らしい提案書でも作ってみればどうでしょう。それでも、聞く耳持たない上司がいる企業であれば、その時はその場を去ることを選んでも良いと思います、
「ゆるブラック」なんてネーミングですべてをひとくくりにする。
若者はこういう傾向があるんだから、企業側は働き方改革と言って待遇ばかり向上させてもダメなんですみたいな論調は「はて?」と思った次第でした。