喫茶店のお兄さん

雪が降ってきた!もう3月なのに

そういえばなうぇすと福井の土日の次の月曜もこんな風な突然の大雪で わたしは今、あの月曜に過ごしたのとちょうど同じ喫茶店で朝から本読んだりして過ごしていたので

なんだかその日のことを思い出したり、ついぼーっとしていました


わたしは高校生の頃ときどきここで受験勉強をしていて


滞在が2時間を超えそうな日は追加でもう一杯コーヒーを頼むことに決めていたのだけど、そんな時はいつもやさしそうな大学生くらいの店員さんが小さな声で「お勉強中失礼します」といってコーヒーをそっと持ってきてくれたのでした

そのささやかな気遣いがあの頃のわたしはほんとうに身にしみて(些細なことに敏感になりがちな張り詰めた受験期だったからなおのこと。)、一度、紙ナプキンの裏に「いつも長居してごめんなさい。受験まであと少し頑張ります。」と書いてそのままテーブルに置いて帰ったことがあります。我ながらやることがあれだ。十代だ。

そしたらその次にこのお店に来た時、例のやさしそうなお兄さんが「この前はお手紙ありがとうございました。みんなで回して読みました。」ってわざわざ私に言いに来てくれて 嬉しかったなぁ


そんなにお世話になったお店なのだから、あの店員さんや、お店の他の人たちに「大学合格しました」の報告くらいすればよかったのに わたしは結局なんだか気恥ずかしくなってしまって そんな報告もできないままに実家を離れ、自然とこのお店にくることも減り、いまでは年に2,3回足を運ぶ程度になってしまい


わたしがそんな風にしてるうちに、いつの間にかあのお兄さんはこのお店からいなくなってしまったらしい。いつの間にか大学を卒業して、あのお店のアルバイトをやめ、どこかに就職したのかな。

わたしもこの春、大学を卒業する。この4年間のように頻繁にこの街に帰ってくることはできなくなる、かもしれない。 この街のいろんな人に間接的にたくさん助けてもらった日々も、これにて本当に一旦、おしまいだ。


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