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置かれた場所で咲きなさい。
「置かれた場所で咲きなさい。」
中学3年の時、この言葉に出会った。中学時代に所属していたサッカーチームの監督が卒団式での挨拶で印象に残っている言葉だ。後々、調べてみると渡辺和子さんの言葉らしい。
自分は、当初この言葉が好きではなかった。というより、言葉の本質を理解できていなかったのかもしれない。
「置かれた場所」=受け身 という印象が強く、なぜ自ら居場所を創り出すことがいけないといったような言い方なのかと、疑問に思った記憶がある。
でも、あれから6年ほどの時間が経った今、少しずつ本質が分かってきた気がする。
今年一番の出来事、留学
2022年がもうすぐ終わる。有難いことに濃い1年を過ごすことができた。
今年が始まった頃は、「そろそろ留学ができたらいいなあ」なんてぼんやり考えていた。それから1年が経った今、メキシコで年を越そうとしている。
メキシコ留学が決まったのが9月頃だったため、まさかこんな1年を送っているとは考えたこともなかった。
留学することになったきっかけは、2021年夏にあるメキシコ人との出会いだ。偶然、その方と知り合ったことがきっかけで、今年の春からスペイン語の個人レッスンをしてもらえることになった。留学の話が出たのは今年の6月頃。その方にメキシコ留学のプログラムを紹介してもらった。
そのプログラムは、なんと国費留学。存在は知っていたものの、こんな地方の平凡な大学生が行けるとは、思ってもみなかった。また、自分にとって、海外はほとんど初めて(幼い頃に韓国に行ったことあるらしいが覚えてない笑)
海外には興味があったものの、いきなり国費留学というのはハードルが高すぎると感じていた。しかし、そのプログラムを勧めてくれたメキシコ人の方の後押しがあり、念願の留学に行けることとなった。今は周りの方に助けがあるおかげでメキシコで非常に良い時間を過ごせている。
環境を言い訳にしない
留学という一つの目標を捉えることができているものの、大学生活には満足できていない。現在、3回生である自分は、大学に入学と同時に、コロナによるオンライン授業が始まり、入学してから最初の1年半くらいは、大学にほとんど行けなかった。
大学生は、勉強して、バイトして、友達と遊んで、旅行に行って、留学して… そんなイメージを持っていたのに、何もできなくなった。どれだけ大学で勉強したい、友達を作りたい、留学に行きたいと思っても、自分の力で実現することは不可能。
そんな環境で入学した当初は、1日を無駄にしてしまったなぁと感じた日も多かった。
でも、どんな状況でも4年間で何か形になることを残したいと思った。それは、就活のためではなく、全て自己満足のため。高校3年間、勉強に部活など形になることを何一つ残せなかったため、どんな形であれ、良い期間だったと思える4年間を過ごしたい。とにかくそれだけは実現したいと思った。
そのためには、自分では変えられない環境を言い訳にしていてはキリがない。
バイトやオンラインでの大学のイベントなどを通して、自分がまだ知らないこと、興味を持ってなかった分野を見て、まずは経験を積もうと思い、過ごした。結果的に、色んな方と出会え、沢山のことを学べた。そのうちの一つが留学に行けるきっかけとなった、メキシコ人との出会いだった。
環境は人生を大きく左右する。でも、今自分がいる中で、できることをやっていれば、必ず得るものはあるし、少しは前進できる。
2022年は、大学入学当初に目標にした「形になるものを残す」ことに一歩前進した。これまでの経験そのものが自分にとっての「置かれた場所で咲きなさい。」の意味だと整理できた1年でもあった。
ただ、前進した1年であるが、何かを成し遂げたわけではない。2023年は今いる場所で、さらに多くの小さな成長を積み重ねていきながら、良い1年にしたい。
皆さん、よいお年を。