種まき 原因と結果

種まきは大事だ。
種を蒔いていなければ収穫するものはない。

1年、3年、5年後に芽を出す
種まきをしているだろうか?

別に農業振興の話じゃない。
例えの話だ。


あなたは1年、3年、5年後に
確実に結果を得られるであろう行動を
積み上げているだろうか?

多くの人がやってない。

なぜかというと、種まきというのは
収穫までの時間がかかりすぎるからだ。

多くの人が勤しんでいるのは
種まきではなく、"もやし”作りだ。


もやしって野菜は
とても早く収穫できることで有名だ。
早ければ数日だ。

「もやしならすぐできるから」
と言ってもやしを作り、
食べてお腹を満たす。

そしてしばらくするとまたお腹がすき、
すぐできるもやしを作って
それを食べ、お腹を満たす。
そしてまたお腹がすいて、、、

こういうことを一生繰り返す。

20万円が必要で、
頑張って20万円を稼いで、
それを消費し、一時の安心を得る。
そしてまたお金が減って、、、

稼ぐ額と使う額が同じ。


こういう人たちは常に短期目線であり、
彼らの人生には「蓄積」がない。



人間はすぐに結果が欲しい生き物だ。

だから何か成果を受け取るというのなら、
宝くじのように
成果を受け取れる時間が
はっきりしているものが好まれる。

そのうち、きっと、いつか
成果が受け取れる。
そういったものはまず選ばれない。


種まきの欠点は、
とにかく時間がかかること。

ただ、種をまかなければ
収穫を得ることはできない。



僕の母方の実家は酪農をやっていたけど、
お米を作る農業もやっていたので
僕はこの感覚がよく理解できた。


お米作りってのは
一朝一夕に完成するものじゃない。

田起こしをして、
代かきをして、
田植えをして、
稲刈りをして、、、。

1年がかりだ。


これは今すぐに収穫を得るための行動か。
違う。
1年後に収穫を得るための行動だ。

収穫のための行動を積み上げたからこそ、
秋に大きな収穫がもたらされるんだ。


そして父方の実家は果樹園だった。
(両親の家ともに農家とかどんだけ田舎なんだw)

果樹園でも同じことだ。

剪定をして、
肥料・農薬散布をして、
人工受粉をして、
摘果をして、、、。

どの工程が抜けても収穫を得ることができない。


果樹園経営を
もっとマクロな視点で見ても同じことだ。

果樹にも寿命がある。
木の年齢が20〜30歳を超えると
生産性も落ちるし、
病気になりやすい。

だから果樹園内の老木は
定期的に更新しなければならない。


ここで大きな問題がある。
果樹は幼木を買ってから
成木に成るまで8年もかかる。

つまり、
木を更新する8年も前から
「ここに新しい木を植えよう」
という準備をしなければならないということだ。

「園内の木がみんな老木になってきたなぁ」
みたいな状況になってから
準備を始めたんじゃ間に合わない。

既存の果樹がまだ十分に若いうちから
次の世代の育成を始めるわけだ。

将来の収穫のために
種を巻き続けているのがわかる。


このように、
農家であれば
「収穫を得るためには、
 適切な行動を積み上げるしかない」
ということは感覚でわかってる。

で、これは農業に限ったことじゃない。
世の中全てがそうだ。


原因がなければ結果は訪れない。
家でボーッとしていたって
銀行預金の残高が1億円になる事は無い。


ただただ歩き回っていたって
「偶然、気がついたら
 富士山の頂上に立っていました」
なんて事な100%ない。

富士山の頂上に立った人がいたならば、
それは明らかに
「富士山の頂上に登るための行動」を
意図的に積み上げた結果だ。


でも不思議なことに、
このようなことに気づかず

「毎日をただ頑張れば
いつかきっと奇跡が起こるハズ」
みたいに考えている人も多い。


例えば「本を読む」とかだと甘い。
それは畑を耕すに過ぎない。

「種」をまかないといけない。

土を耕すことで、
確かに芽が出た時には
よく芽が育つかもしれない。

でも土を耕すという行動は、
収穫を得るための直接的な原因にはならない。

重要だから何度でも言う。
「種」をまかないといけない。

種をまかなければ
収穫するものがないのは当たり前だ。



多くの人は、
臆病なせいで種をまくことができない。

失敗が怖い、
否定されるのが怖い。


手に持っている1つの種を失うのが怖くて
種の研究とか土の勉強とかを
ずっとやってる。

でも大丈夫。
誰でもいきなりうまくいくわけないし
最初からプロ級な人なんていない。

ダメだったらすぐ次に移ればいい。

まいた種が100%の確率で
芽を出さなくてもいい。

大事なのは1分の1を狙うことじゃない。
1つの芽を大木へと育てることだ。

だったらどんどんまけばいい。
種を。
次から次へと。



ファーストリテイリングの柳井さんも
自分の経営が1勝9敗だって言ってる。

スポクロ、ファミクロ、農業もやった。
そしてみんな撤退した。
でも最後に芽を出したユニクロを
大木へと成長させた。


アメリカのトランプさんも
何度も何度も破産してる。
でも最後には米大統領にまでなった。


この人生には、
「まいていい種は1人1つまでです」
なんてルールはない。

何度芽を出さなかったかは重要じゃない。
出た芽を育てることの方が重要だ。

だったら、
いかに早く1つ目の芽を出すかが問題だ。

それは一時の空腹を満たすもやしではなく、
毎年果実をもたらす大木になる。

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