仮想通貨が目指す理想とは

※エロサイトについて真面目に語ります


最近、ビットコインを始め、
仮想通貨界隈が賑わってきている。

ビットコイン1枚の価格は
最高値の500万円を超えて上昇中。


先日も米マスターカードが、
今年から仮想通貨に対応することを発表した。

クレジットカードの
あのマスターカードがだ

すごいニュースだ。


マスターカードによれば、
「仮想通貨を
 自社ネットワーク内で取り扱うことにより、
 より多くの加盟店で
 新しい支払い方法が提供できる」
としている。

このように、
最近は仮想通貨をめぐる動きがとても面白い。

あの決済大手のペイパルが
ビットコインなど4銘柄に対応したニュースもそうだ。

でも僕が個人的に最も面白いと思ったのは、

Pornhubというサイトが
仮想通貨のみで決済を受け付けている

というニュースだった。



Pornhubは世界最大規模のアダルトサイト。
いわゆるエッチな動画を配信するサイトを
運営している。

その動画の中には有料の動画もあるので
そこから売上を上げるわけだが、
一体なぜ仮想通貨支払いのみを受け付けているのか。


実は去年の12月、このサイトは
マスターカード、ビザカードなどの
決済会社からの提携を一斉に解除された。

つまり、
クレジット決済経由で支払いを受けることが
できなくなったということだ。


理由は、
Pornhubが未成年の性行為や性虐待に関する
違法コンテンツの掲載を許可していることだとされた。

つまり、
Pornhubは決済手段を封じられてしまって、
仕方なく仮想通貨決済のみを
受け付けざるを得ない状況だということだ。


Pornhubが掲載している動画の倫理的な面はともかく、
経済や金融に絞った視点でこのニュースを見た時、
この話はエッチな動画よりも
よっぽどエキサイティングな話じゃないか!?と思った。


そもそも。
ウェブ上でコンテンツを提供して
対価を受け取るというビジネスモデルの企業が、

クレジットカードのような決済会社から
一斉に見切りをつけられるというのは
それすなわち「終わり」だということだ。


既存の金融の考え方であれば
この会社は存続不可能なところまで追い込まれたはずだ。
万事休すだ。

「はい。当社は今月から売上ゼロです」
という状況だ。

既存の経済や金融の考え方ならそうだろう。

ただ、今回はそうはならなかった。
仮想通貨が唯一の決済手段として残った。

「有料動画を見たければ、〇〇円です。
 あ、クレカはちょっと今無理なんで、
 仮想通貨で払ってください」

そういうことができたわけだ。

仮想通貨の対応銘柄は、
ビットコインを始めとして
イーサリアム、リップル、テザーなどの
主要14銘柄だ。

これだけ揃っていれば、
仮想通貨決済のネットワークは盤石だろう。

何が言いたいかというと。


既存の決済システムからは見放されたとしても、
仮想通貨のシステム“だけ”を用いて
経済活動を行うことが可能だと。

それを証明する実例が現れたんだ
ということだ。


重要なので繰り返すと、
このPornhubの騒動は、

ビットコインなどの仮想通貨が
独立した金融システムとして存在可能だということを証明した。

これが僕にはとてつもない衝撃だった。



既存の金融システムは中央集権という特徴がある。
発行体は中央銀行だ。

そして、金融(お金の融通)においても
多くの仲介者を必要とする。

流通の要衝となるのは各銀行だ。
より細かい支払いにおいても
クレジットカード会社のような特定の企業に依存する。

発行、流通、決済。
どこを切り取っても特定の組織に依存している。


でも仮想通貨は特定の個人や企業に依存しない。

発行の主体は存在しない。
流通の仲介者もいない。
政策金利を決定する総裁もいない。
管理者はどこにもいない。


だから
仮想通貨を用いた決済システムというのは
盤石なんだ。

ビットコインの方から
「あんたのサイトは倫理的に問題があるから
 うちのシステム使わせないよ」
なんて言ってくることは100%ない。

ビットコインを仕切っている人というのは
存在しないからだ。



この文章のタイトルは
「仮想通貨が目指す理想とは」と書いた。

仮想通貨が目指す理想、それは
「誰にも依存しない、全く新しい金融システム」だ。

もっと言えば、
それによって作られる全人類の平等だろう。


なぜこのような考え方が出てきたのか。
そもそもの前提からの理解が必要だ。

ビットコインが生まれたのは2009年。
この数字はとてつもなく重要だ。

その前年、2008年は何があった年か。
もちろんリーマンショックだ。


リーマンショックがなんなのかは
簡単に言えば

「プロが嘘ついてクズ証券をドヤ顔で売り付けたから
 みんな破産しちまったじゃねーか」
ということだ。

その結果、
「プロの証券マンでも信用できない!」となった。


「格付け会社も信用できない!」
「大手の銀行も信用できない!」
「大手の企業も信用できない!
「中央銀行も信用できない!」

「誰も信用できない!!!」


そう。
「金融の世界では誰も信用できない」。

これが、
リーマンショックで世界が得た教訓だ。


リーマンショックでは
既存の金融システムへの信用が崩壊したんだ。

「信用してた全員から裏切られ散らかした!」と。


だからこそ、
誰にも頼らない。
誰にも依存しない。

どこの誰にも一切依存せずに
個人が個人に信用を与え合うような、

そんな全く新しい金融システムが欲しい。
誰もがそう強く強く望んだ。


そしてリーマンショックの翌年2009年、
"それ”はついに完成した。


ブロックチェーン。
暗号理論。
P2Pネットワーク。
ゲーム理論。

これらの最新技術を結集させて作り出された
全く新たな金融システム。


その通貨は
既存のシステムと全く違うシステムで動いていた。


その通貨には発行主体がなかった。
どこかの誰かが発行量を制御できる仕組みではなかった。

その通貨には管理主体がなかった。
どこかの誰かが何らかの意思決定に関与できる仕組みではなかった。

その通貨は仲介者が不要だった。
どこかの誰かを介在させなければ流通しない仕組みではなかった。

その通貨は "非中央集権”だった。

リーマンショックの失敗、後悔、
そしてそこから得た教訓を元に作られた
全く新しい金融システム…。



それはビットコインと呼ばれた。


2020年12月。
アダルトサイト大手のPornhubは
クレジットカード会社からの提携を
一方的に破棄された。

もちろん、
契約回復のために多数の動画を停止したりして
信頼回復に努めている。

でもその間も仮想通貨を利用していれば
企業としては生き残れることを明確に証明している。


ビットコインを単なるギャンブルの対象としてではなく
このような位置付けで見ることができれば。

この先仮想通貨が担うべき役割、
そしてそれがもたらす未来というのも
とても楽しみになってくる。


「全人類が、この貨幣システムの前では完全に平等です」

そういう日がやってくるのを期待しても面白い。


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