「ザ・ゴール」会社員のほとんどは遊んでて良い


書籍「ザ・ゴール」まとめ。


企業の目的は儲け続けること

この本は、99%以上の日本人に
価値観の転換、パラダイムシフトを起こす。


まず、生産性とは?

今までの常識であれば、
”一人ひとり”の生産性のことだった。

Aさんは8時間働いたら、
いくらの付加価値をもたらすか、みたいに。


ただ、ザ・ゴールで提唱している生産性は
企業全体の生産性を問題にしている。

だから極論、
一人ひとりが生産的である必要性はないとする。


さらに言えば、
一人ひとりの生産性が上がれば上がるほど
企業全体の生産性は、下がると言っている。


書き間違いじゃない。
ここが常識的には理解が難しいところ。

大事なのでもう一度言うと、
ザ・ゴールの提唱する考え方で言えば、
一人ひとりの生産性が上がるほど
企業全体の生産性は下がる。


「は?」という感じだと思う。

説明する。


ある製品を作成するのに
作業A、B、Cがあるとする。

例えば車を作るので言えば
プレスして、色を塗って、組み立てる、みたいな。


【工程】
A → B → C(完成)


今までの常識ではAさんもBさんもCさんも
一生懸命働く。


それをザ・ゴールは否定する。

AさんもBさんもCさんも頑張ると、
会社全体では生産性が落ちると言う。
非生産的であると。


なぜなのか。
それは、工程ごとに業務内容が違うから


例えばAさんは
担当の仕事を1時間で1個完成させるとする。
8時間で8個だ。

Bさんは1つの仕事を2時間で1個完成させるとする。
8時間で4個。

Cさんは1つの仕事を4時間で1個完成させるとする。
8時間で2個。

これは、個人の能力ではなく、
それぞれの業務内容がそもそも違うからだ。


こうしたときに、
会社全体ではいくらの仕事をしたことになるのか。

2つ。

Cさんの最終工程が完了した2つだけが
企業が完成させた業務となる。


こうした場合、
Aさんが作った6個
Bさんが作った2個
これらは企業全体として無駄だということ。

なぜなら、工程の中で
在庫として溜まるだけだから。


Cさんは業務内容からして
4時間に1個しか完成させられない。

つまり、
Aさんが頑張れば頑張るだけ、
Bさんの前に未完成の在庫が溜まる。

Bさんが頑張れば頑張るだけ、
Cさんの前に未完成の在庫が溜まる。


販売できない完成していない在庫が増えることは、
これは負債が増えていると言える。

決算書でこそ資産に計上されるが、
現実的には売れないし、その時点で精算すると考えると
廃棄費用もかかるから負債だ。


ということは、
AさんやBさんが頑張れば頑張るだけ
企業の負債が増えていってしまう事になる。

企業の目的である「儲け続けること」との
矛盾が生じてしまう。


これがザ・ゴールが提示する
究極のパラダイムシフト。



それじゃ今度は視点を変えて、
この企業の生産性はどこが決めるのかを見ていく。

これは、最も生産性の低い「工程C」だ。

会社全体を構造的にで見れば、
これがボトルネックになっている。


工程Cがどれだけ生産できたかが企業の生産性であり、
極論を言うと
工程Aや工程Bがどれほど頑張ろうが
全く関係がないということ。


こう考えると、
AさんやBさんが生産性を高めようと努力することは
はっきり言って意味がないことが分かる。

全体で見れば、C工程を改善するべきであり、
A工程やB工程は遊んでいる方がマシ。
なぜなら、生産すれば原材料代や部品代が発生するからだ。


この企業を生産性の観点で見たとき、
工程Cの生産性が改善されない限りは
AさんとBさんは遊んでいても良いし、寝ていても良い。
仕事をしなくても良い。


それがザ・ゴールがもたらす強烈なパラダイムシフト。


日本の企業ではこの考え方はない。
遊んでたら「何やってんですか」みたいな。

ただ、これを腑に落とすことができれば
企業の生産性は劇的に改善する。



上記のようなザ・ゴールの考え方を前提に置いて
あるべき企業のあり方を考えると
以下のようになる。

①ボトルネック(工程C)をどのように活用するかを決める

まず、ボトルネック(工程C)は絶対に休んではいけない。
極論、24時間、365日動き続ける必要がある。

②他の工程(工程Aと工程B)は、工程Cの活用方法に業務を合わせる

ボトルネック以外の工程(工程Aと工程B)は頑張ってはいけない。
ボトルネックが2個しか作れないなら工程A、Bも2個しか作ってはいけない。
業務に余裕がある場合は従業員を休ませるか、ボトルネックを手伝わせる。

③ボトルネック(工程C)の能力を高める

ロボットや機械設備、システムを導入するならば、
A、B、Cへ均等に導入するのではなく
ボトルネック(工程C)へ集中的に導入する。
それだけで企業全体の生産性が向上する。

◆まとめ

ボトルネックは休んではいけない。
ただし、ボトルネック以外は遊んでいても良い。

企業活動における工程の中で
どこがボトルネックになっているかを今すぐに把握する。

把握したら、ボトルネックをどのように活用するかを決める。
大抵は猛烈に動かす必要がある。

他の工程は、ボトルネックの活用方法に業務を合わせて生産を行う。
生産しすぎると無駄や負債が発生する。

最後に、ボトルネックの能力を高めるべく
機械、AI、ツール、設備などあらゆる手法を導入する。


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