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キービジュアルに込めた思いを話す会_SHIBUYA PIXEL ART 2023

みなさんどうも! ピクセルアーティスト擬態型一般人のこぐみ(@kogummy593)です。

ありがたいことに、この度SHIBUYA PIXEL ART(以降シブピク)2023のキービジュアル制作をさせていただきました。
今回のシブピク2023開催テーマは「HAKKO」。
発光発酵をかけ合わせたダブルミーニングですが、それ以外の意味も見い出せる内容かなと思います。
そして、シブピクの裏テーマとして、愛されるコミュニティの形成というものがあったので、それを強く意識した制作となりました。

ちなみに。シブピク公式アカウントから投稿されたキービジュアルの、加工や調整・アニメーションは、シブピク実行委員でグラフィックデザイナー・アートディレクターの奥山さん(@ock_n_roll)によるものです。ゲームの待機画面みたいで最高…!

また、重ねてありがたいことに、キービジュアルが公開された際、色使いや技法的に私が作者なのでは? と気づいてくださった方もいるとかいないとか…なんだかすごいなと他人事のようなふわふわした気持ちになりました。これからも頑張ります!

気を取り直して、今回はそんなキービジュアルに込めた思いを、いくつかのくくりに分けて書いていきたいと思います。
目次を活用して読んでくだされば幸いです。通しで読むとだいたい6分ほどかかります。


Twitter(X)スペースではなしたこと

Xのスペースで、キービジュアルについてのお話をさせていただきました!
自分で聞き直したら、マイクを使わず話していたからか、音声がぼわぼわしてしまっているところがありました。次から、もしこういう機会があったら、ちゃんとマイクとか揃えるので許して…!

スペースでは、シブピク開催にあたってどんな方向性で開催するのかということや、私へ声を掛けてくださった経緯、そしてみんなで創り上げていった流れなどを話していました。
キービジュアル完成までの間、シブピク実行委員会のみなさんとはグループチャットでやりとりをしていたのですが、文字でしていたやりとりをそのまま声に出した感じです。ずっとああいう和気あいあいとした感じでした。楽しいね!

制作プロセスのはなし

普段作るものではあまりやらないのですが、しっかり理由づけをして作りたいとき、私はイメージマップを作りながらインプット・アウトプットを行っています。
最初に書いたものをそのまま載せようと思ったのですが、ちょっと雑だったので書き直したものをどうぞ。

関係なさそうでも、情報収集のヒントになるよう、連想される言葉をひとまず出していく

一見関係なさそうな内容でも、どんな要素を入れるか考える時にヒントとなってくれるので、個人的にはオススメです。

ピクセルパターンのはなし

ピクセルパターンとはなにか

キービジュアルは、私がよく作るピクセルパターンの作品にしました。

当たり前のように話してしまっていますが、ピクセルパターンについて簡潔に説明すると、「ドット絵モチーフを組み合わせたパターン」です。

詳しく知りたい方はこちらからどうぞ!

6つのモチーフについて

今回、上図のように6種類のモチーフを散りばめています。
普段作っているピクセルパターンに関して、モチーフの解説をする機会というのはほぼないのですが、いろんな思いを込めてこうなったんだよということを知っていただければ、拡大したり引きで見たり、スルメのようにじっくり楽しんでもらえるのかなと思っています。

ただ、あくまでキービジュアルの作者として込めた思いであって、見る人が感じ取るもので楽しんでもらうのがいいのかなと思っています。説明しなくてもなんとなく分かるけど、気になってここを見に来た人がさらに深く解釈してくれたら、作品としての旨味があるのかなと考えています。
また、シブピク実行委員会のみなさんの意図をすべて汲めているかと言うと、必ずしもそうではないかもしれません。そこはあしからず。

①②


裏テーマである藍染から、瓶の中で藍が発酵して発生する藍の華というものをイメージしたモチーフと、発光をイメージして広がる幾何学的模様を組み合わせたモチーフです。
左は発酵メイン、右は発光をメインに組んでいます。


イメージマップ作成時に出したキーワードのうち、湿度・風・ゆらぎ、そして藍染の液から、水や風の流れをイメージしたモチーフです。
光の反射やきらめきも表現しています。

③④


Hachi(8)がパターンに合わせて動いているイメージのモチーフです。
Hachiのデザイン原案は、ピクセルアーティストのBAN-8KUさん(@ban8ku)です。
元々、キービジュアルにHachiを入れてほしいという要望はなかったのですが、シブピクといえばHachiでしょ! ということで取り入れさせていただきました。
ただ、元々が渋谷ハチ公像の姿を模して座っている姿のため、まずはアレンジをしてもよいかシブピク実行委員会のみなさんに確認したうえで、パターンに組み込んだ際に、座っている姿から動いている姿になったらHachiはどんな動きをしそうか、どんな描き方ならHachiらしさが出るかを想像しながら作りました。一番パターンを作る中で気を使った部分だと思います。
ちなみに、左は浮遊、右は遊泳しているイメージです。
加えて、原案では黒で描かれている部分を、背景色が暗めなので一部透過にしたのは、少しこだわった部分となっています。


発酵と発光をイメージしたキャラクターのモチーフです。
左から、
・発酵のカビ
・発酵のカビと花(イメージマップより)
・発酵の酵母と発光→稲妻→雷様
・発光するクラゲと発光→稲妻→雷様
をイメージして作りました。4匹? 4人? とも体の周りにあるつぶつぶは浮遊して光っている発光体として描いているので、発光のイメージが少し少なめになっています。
かわいらしさと、いかに4人それぞれに個性をもたせるかを試行錯誤しました。

⑤⑥


Hachi(8)から連想した八角形のモチーフです。
2つ合わせて数字の8や、無限大(∞)の形に見えること、また単純に日本っぽさや上品さを感じる形だったので取り入れました。
初期案から変わらずにこの八角形は入れていました。


バクテリアや細胞分裂・増殖、泡、水、花、をイメージしたモチーフです。
泡の集まりのような形はバクテリアをイメージしたもので、バクテリアと八角形から水が流れ、花が開き、増殖していく、という流れにしています。
ただ、ここに関しては、しっかりとした理由付けではなく、そこに存在してくれると、パターンとして変化や美しさを感じるからという曖昧さはあります。もっと言語化や理論的に説明する能力を上げたいところです。

ピクセルパターン全体のイメージ

引きで見た時に、右上がりになるようにモチーフを配置しました。イベント自体が今後もさらに盛り上がっていくように、これからも右肩上がりであってほしいという気持ちを込めています。
また、揺らいでいる形と星空をイメージした見た目となっています。

ロゴのはなし

難しかったロゴ制作

キービジュアル制作後、よかったらロゴ作成もどうですか? とお声がけいただきました。

もうですね、小躍りしました。
もともと作字やフォント自体への興味関心があったので、一度はやってみたかったことでした。
やってみたかったことがどんどんできるぞ…!

ただ、ロゴ制作はかなり難しかったです。
Xのスペースでも話したのですが、フォントへの憧れが強かった…
憧れが強いってなに? と思われそうですが、フォントを作る際に設定した空気感をまといながら、見やすさもある程度保ちつつ、字としての美しさと伝える力を持ち合わせた、活版印刷から出現して現在に至るまでのフォントの印象操作力の凄さへの憧れ、と書けば伝わるでしょうか(早口)。いや、逆にこんがらがったかもしれない…
とにかく! そういった理由で、フォント然としているものを作ろうとしてしまったことで、難易度を自分で吊り上げてしまいました。

ただ、そういったプロセスを踏んだからこそ、ピクセル感がありつつも可読性が高めで、ピクセルパターンとケンカしない、でもそれ単体でも少しのクセを感じるロゴが作れたのかなと思っています。

ロゴのイメージ

SHIBUYA PIXEL ART
ぱっと見ただけで文字が判別できるように、また、派手すぎると拒絶感が出てしまうと思ったので、あまり個性的にはならないように心がけました。
ただ、個性がなさすぎるとそれはよく見かける汎用フォントと変わらなくなってしまうので、細い線部分はカクカクさせてみました。個人的にお気に入りポイントです。
また、愛される→親しみやすいというイメージから、むちっと肉付き感がある見た目にしました。文字を見ただけで、ぬくもりややわらかさを感じてもらえればいいなと思っています。

HAKKO
SHIBUYA〜と並べて、同じ見た目のロゴにしてしまうと、ぎゅっとひとかたまりに同化してしまうのではないかと考え、見た目のメリハリを付けるために、別の素材として作りました。
やわらかさを土台に、発酵からカビや菌糸などが膨張していくふわふわしたイメージから丸を組み合わせた形と、発光の内側から光るイメージから色収差を付けました。色収差は単純にRGBではなく、オレンジ・黄緑・水色の組み合わせにしました。

数字
これは馴染みのよさと、斜めの丸の組み合わせになっています。
HAKKOと同じく、日付として識別できるように別書体にして、こちらに関してはなるべく個性をなくしました。
全部デコラティブだと目が疲れてしまうので、箸休めくらいの感覚です。

まとめ&おまけ

書いているうちに、どんどん長くなってしまいました。
普段作って投稿しているものは、自分ひとりで作っていますが、誰かと一緒に意見を交わし、創り上げていく楽しさは最高でした。
シブピク実行委員会の坂口さん、川勝さん、佐藤さん、奥山さん、ありがとうございました!

そして、ここまで読んでくださったあなたにも感謝です!

おまけに、Xのスペース内で言及されていた「ドット絵にねんせい」もお時間許せばどうぞ。

今年のシブピクも楽しみですね!
ではまた〜!

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