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開発プロセスのジャーニーマップを作って、チームの"モヤモヤ"を可視化したお話。

こんにちは!UIデザイナーの すみやま です。

noteをお休みしていたこの1年で、会社を退職し、フリーランスになり、息子は2歳になりました☻
今はマネーフォワードで、クラウド固定資産のデザインを担当しています。

クラウド固定資産はマネーフォワード クラウドERPのサービスの1つで、固定資産を管理できるシステムです。開発チームはPdMとデザイナー、エンジニアで構成されています。今日はチームでの開発プロセス改善のお手伝いをしているお話です。

何となくうまく回っていないが、何故だかわからない

クラウド固定資産のチームに配属されたのが去年の10月。ロードマップに沿っていくつか案件を進めていましたが、何となくうまく回っていない。チームがシンクロできていないような気がする…そんな"モヤモヤ"した状態が続いていました。

具体的には、

  • ロードマップと実際の開発に乖離が生まれてしまう(ロードマップの更新が追いつかない)

  • デザイン着手までの工程に時間がかかってしまう

  • デザインがいつまでに必要なのかわからない

  • ユーザーの業務が想像できず、要求仕様がなかなかまとまらない

などなど…。

クラウド固定資産はPdM・デザイナーが本社のメンバー、エンジニアがベトナム支社のメンバーで構成されており、スクラム開発を採用しています。スプリントごとにレトロスペクティブで振り返りを行っていますが、PdMとデザイナーのタスクはその運用に含まれていません。

そのため、実装フェーズ前のプロセスを振り返る機会がなく、上記の問題をはっきり認識できない状態が続いてしまっていました。


開発プロセスを振り返るワークを実施

「デザイナーとして何ができるだろう?」と考えてでた答えが、「プロセスの可視化」でした。

まずはみんなで、問題を共感する場をつくろう。現状の開発プロセス(※)について確認しどんな問題が起きているかを洗い出すために、Miroを使ってジャーニーマップを作るためのワークショップを開催しました。
※今回は実装前までのプロセスに着目しました

以下、ワーク内容を紹介します。

1. タスクと使用ツールを付箋に書き出す

タスクとツールの洗い出し

戦略策定、要件定義、構造設計、骨格設計、表層(ビジュアルデザイン)。各フェーズでPdMやデザイナーが行っているタスクと、使用しているツールがあればそれも書き出してもらいます。

2. 困っていることや気になっていることを書き出す

困っていることの書き出し

1のタスクやツールに対して、各々が困っていることや気になっていることを書いてもらいます。この時に、「〜したい」「〜を使ったらどうか」等の提案を入れず、あくまで問題(課題)を考えることに集中します。

このワークを行っている時に、「タスクの担当者が曖昧だよね」という話がでたので、1の各タスクに担当者とレビュアーを書き出す作業を挟みました。

3. 2の解決策を書き出す  

解決策の書き出し

2の問題をどうしたら解決・改善できるかの提案を書き出してもらいます。これで開発プロセスの簡易的なジャーニーマップが完成で、ワークショップは一旦ここで締めました。

ワーク後の情報整理、可視化、さらに深掘るためのヒアリング

後日、ワークショップで共通認識を持てた問題や解決策を整理して、カテゴライズなどを行いました。後からみんなが見て振り返れるように見た目を整える作業は、デザイナーの腕の見せ所ですね。

ワーク後の整理作業


私たちのチームでは、起きている問題の原因の1つが「PdMのタスクの飽和」だという結論に辿り着いたので、後日PdMの業務内容を詳しくヒアリング。
Users・Developers・The Businessと幅広く見ていてくださるPdMの負担を軽減するために、

  • ビジネス用と開発用の2つのロードマップを運用

  • asanaでPdM・デザイナータスクを管理

  • 要求仕様/要件定義/MVP検討用のテンプレートを作成

などの施策を開始しました。

まず"モヤモヤ"を可視化することの大切さ

「何となく施策は進んでいるけど、チームがシンクロしていない気がする」
ずっとモヤモヤを抱えたまま、気づけば半年。デザイナーとしてできることを考えて動いた結果、ようやく新しいことを試すことができました。

上記の施策はまだまだ始めたばかりでうまくいくかわからず、また別の方法を試すことになるかもしれませんが、"モヤモヤ"して過ごしていただけの頃よりは遥かに良い状態のチームになれたと感じています。

デザイナーの仕事は画面をデザインすることだけではなく、もっと広義な意味のデザインでチームに貢献することができるんだと改めて思いました。

最後に

以上、開発プロセスのジャーニマップを作る取り組みについてのお話でした。
同じようにチームへの "モヤモヤ" を抱えていらっしゃる方、ぜひチームの民んでジャーニーマップを作ってみてください。
そして「マネーフォワードのデザイナーって、UIを作るだけじゃないんだな〜面白そう!」と思っていただけましたら、ぜひ採用サイトも覗いてみてください^^


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