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(057) 大学院ゼミをZoomでやってみて:良かったこととその展開

大学の春学期の授業は終盤に入りました。ゼミも、研究発表会を残すだけとなりました。今期すべてオンラインで実施した大学院のゼミを振り返ってみたいと思います。

結論から言えば、対面のゼミと比較して悪くないどころか、むしろ効率的であり、充実していたという感触です。

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Zoomによるゼミは効率的で充実していた

Zoomによるゼミは大学院生からも好評でした。その要因は、まず場所の移動がないのが大きいようです。オンラインなら当たり前のことですけれども、自宅や自分の好きな場所から移動せずにゼミに参加できることは、実際に毎回体験してみると、今まで指定の場所に通っていたことが信じられないくらい快適でした。ただ、ゼミが終わったあとに、みんなで飲み食いしてガヤガヤするのがなくなったのは寂しいという声もあります。これだけは「Zoom飲み」では代わりにならないようです。

好評であるもう1つの要因は、ゼミに集中できることと、コメントがたくさんもらえるということです。これは私も実感しています。対面ゼミのときよりは、ゼミ生同士のコメントも倍増した感じです。私自身のコメントもより詳細になった感じ感します。それは、発表者の顔が近いことと、発表資料を画面共有によって、強制的に見させられるからかもしれません。

オンラインで伝えるためのクリアな言葉を持つこと

オンラインによる意思疎通の不具合はほぼ感じられません。それどころか、発言者の言葉をよく聞き、理解しようとしていると思います。これはおそらく非言語的な情報が伝わりにくくなっている分、言葉によるコミュニケーションをクリアに行おうという意志が働いしているからでしょう。

これは「(033) ポストコロナの大学はどう変化するか:Zoomでゼミをやってみて」の記事で書いたように、

オンラインゼミをやってみて感じるのは、「空気あるいは雰囲気が読めない」ということです。……しかし、これは逆に「空気を読まなくてもOK」ということになります。少ない手がかりから空気を読むということにエネルギーを注ぐのではなくて、自分の発表や意見をどのように効果的に伝えるかということが問われるということです。「以心伝心」はもう使えないのですから、自分の言葉で伝えるしかないのです。ああ、ここにきてやっと「表現力・言語力」が問われる時代になりました。これがオンライン時代の「コミュ力」となるでしょう。

ということなのだと思います。これからはオンラインでもきちんと伝わるようなクリアな言葉を持つことが、コミュニケーションの基本となるような気がします。

これからの課題として

さて、これからどうなるかですけれども、大学の方針としては2020年の秋学期もできるかぎりオンラインで授業やゼミを実施するということのようです。それ以降は情勢次第ということになるでしょう。しかし、ここまででオンラインによるゼミに対しては、教員、ゼミ生の双方ともに良いものだという評価を得られています。ですので、このままの形式で進めていき、時々懇親会や合宿や学会大会などで対面の良さを味わいたいなと思っています。

これからの課題としては、1つはテクニカルな問題ですけれど、ホワイトボードがあるといいかなと思っています。何かを説明したいとき、ホワイトボードに書きながら説明すると、ゼミ生にもわかりやすいので。まあこれは、手元で書いて、書画カメラで写せばすぐにできることです。要は、それがいつでもセッティングされているような机を1つ用意しておけばいいということです。在宅勤務がこれから先も続いていくようであれば、仕事用に機材がすべてセットされているような部屋を作るのがいいでしょうね。そうしたいところです。

毎回、Zoomでレコーディングしています。それをYouTubeにアップしてゼミ生に限定公開しています。視聴回数をみると、ゼミ生の人数くらいは再生されていますので、みんななんらかの理由で視聴しているようです。さらに言えば、ゼミのビデオのハイライトを作ってみたいと思っています。毎回4時間前後の長丁場ですけれども、その中で良い説明や良い議論がありますので、それを編集して数分から10分程度のハイライトビデオにしておきたいのです。後輩は、それを見て学ぶことができるでしょうし、完全に公開してしまうこともできます。

以上のようにオンラインゼミは、全体として良かったですし、さらにこれから試していきたいことが増えました。

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