「号外日記」6本(2017年10月のnote記事より)
noteマガジン「ちはるのファーストコンタクト」を定期購読いただき、ありがとうございます。定期購読を開始してもその月より前の記事は読めませんので、定期購読者向けにときどき過去の記事をまとめて読めるようにしています。
今回は、2017年10月のnote記事から、「号外日記」6本をまとめてお届けします。号外日記とは、このマガジンを定期購読してくれる人が増えるたびに書いている記事です。テーマは雑多ですので、とりとめもない話が多いです。
01 たくさん読み、たくさん書き、たくさん感動することが認知予備能を形成する。
02 議論とは
03 頼むことはひとつの技能だ。
04 壁一面のホワイトボードは生産性や発想力やまとめ力を向上させる。
05 学んだと思うことは書いて公開しよう。
06 お金を払って読んでくれている人がいることのパワー。
01 たくさん読み、たくさん書き、たくさん感動することが認知予備能を形成する。
先月の日本心理学会で「認知予備能 Cognitive reserve」の話を聞いてきました。
私たちは普段は、自分の身体能力の100%を使っているわけではありません。たとえば、普通に呼吸しているぶんには、肺の最大能力(人間ドックのときなどに測りますね)の1割程度で済んでいるそうです。残りの9割は「予備能 Reserve」としてリザーブされているわけです。
脳も同様に、普段使っているのは全体の数割でしょう。脳の場合は全体の能力がどれくらいなのか測定するのが難しいので、適当な見積もりですが、いずれにしても100%は使っていません。残りは予備能としてリザーブされています。高齢になっても認知的な能力の衰えが少ない人は、この認知予備能が働いているのだと考えられています。
では、この認知予備能をキープしておくためにはどうすればいいのでしょう。
ヴィッド・スノウドンという研究者が修道女たちの協力を得て、アルツハイマー病の疫学的研究をした『100歳の美しい脳』という本があります。これを読むと分かるのは、修道女たちの自叙伝にみられる青年期における語彙(ごい)の多さと60年後のアルツハイマー病の発生には密接な関係があるということです。生前の知的な能力の高い人は、たとえ病理学的に老人斑が生じていても、認知症が発生しないというケースも報告されています。医学的には「認知予備能」と呼ばれているものの働きなんじゃないかと言われていますね。
https://www.jili.or.jp/kuraho/2006/inochi/web12/i_web12.html
この研究から推測できるのは、認知予備能は若い時代に自分の脳をよく働かせた場合に作られるようだということです。単調なルーチンワークだけでなく、常に新しい知識に興味を持ち、新しいことを考え、企画すること。たくさん読み、たくさん書き、たくさん感動すること。
私も59歳になりました。先日の日本心理学会で久しぶりに会った私よりも高齢の先輩方は、驚くほど若々しくて元気でした。そういえば、そうした人たちは皆、楽しそうに最新の研究の話をしていて、いつまでも好奇心の塊のような人たちだったのですね。
02 議論とは
議論とは、まだ見えていない「共通の星」を見つけることだ。その星を見つけようとしないで、相手をどうにかしようとするから対立するのだ。
03 頼むことはひとつの技能だ。
頼むことはひとつの技能だ。頼めない人は自立しにくいだろう。断ることもひとつの技能だ。断れない人もまた自立しにくいだろう。
04 壁一面のホワイトボードは生産性や発想力やまとめ力を向上させる。
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